1998/99年度南氷洋鯨類捕獲調査船団

通称「調査捕鯨」として、毎年実施されている、船団を紹介します。

1998/99年度南氷洋鯨類捕獲調査船団の船舶

写真は撮影時点当時の姿であり、今回の航海で、異なっている場合もあります。

(1)調査母船 
  日新丸(7,575トン、山城謙二船長以下110名)
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日新丸 (95.5.3 田浦) 元大型トロ―ル漁船

通称「捕鯨母船」。本船は、元遠洋トロール漁船で、先代の捕鯨母船 第三日新丸 の老朽化に伴い、改造就役しているが、トロ―ル漁船時代と比べて、外観はさほどの変化はなく、船内に、調査研究設備・鯨加工設備、増設がされているものと思われる。

(2)調査標本採集船
  勇新丸(720トン 鈴木重男船長以下17名)
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勇新丸 (共同船舶 新造紹介パンフレット より)

「勇新丸」は、本年の新造船である。

  第1京丸(812.08トン、亀井秀春船長以下21名) 
  第25利丸(739.92トン、広瀬喜代治船長以下22名)
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第一京丸、第十八利丸、第二十五利丸 (95.5.3 田浦)

通称「キャッチャーボート」「捕鯨船」。昔の捕鯨船団では、この型の船が10〜20隻、船団になって活躍していた。
尚、本年の船団には、中央の「第十八利丸」は参加していない。


(3)目視専門船
  第2共新丸(368トン、松坂 潔船長以下23名)
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漁業取締船(傭船) 第二共新丸 (94.10.10 田浦)

この任務の船については、詳しくないが、通称「探鯨船」に相当するものと思われる。要は「鯨を捕るのではなく、双眼鏡で観測する」と思われる。
本船は、元来、捕鯨任務の船舶ではなく、一般の漁船とも構造が異なる。


調査計画の概要

(1)調査趣旨:この調査は、南氷洋に76万頭生息するミンク鯨の資源管理に必要なデータを収集するため行うものである。具体的には、ミンク鯨の自然死亡率、加入率、群の住み分け状況、並びに南極海の生態系に関するデータを収集する。これらのデータは、捕獲によってしか得られないものであり、IWC科学委員会でもこれらのデータを用いて行われた研究成果が高い評価を受けている。
(2)調査期間:平成10年11月6日〜平成11年4月(出港〜入港)
(3)調査海域:南氷洋X区及びY区の一部
(4)捕獲頭数:ミンク鯨400頭±10%
(5)調査船団:調査母船1隻、調査標本採集船3隻、目視調査船1隻
(6)実施機関:財団法人 日本鯨類研究所(TEL:03-3536-6521)



南氷洋捕鯨〜調査捕鯨

南氷洋捕鯨は、ノルウェー式捕鯨とも呼ばれ、 その昔、捕鯨母船1隻、タンカー1〜2隻、冷凍冷蔵運搬船1〜2隻、キャッチャーボート10〜20隻、探鯨船(キャッチャーボート)1〜3隻、を1つの船団として、日本から1〜3船団が活躍していた。
戦前には、これらの船舶は、その特性により、補給艦や、駆潜艇 としての転用も念頭に置かれ、海軍に大切にされていた。
戦後は、厳しい食糧事情を補う為に、鯨は貴重な存在となっていた。
その後、西欧諸国の偏見・エゴとも言える発想により、商業捕鯨が禁止となり、通称「調査捕鯨」として、細々と活動されている。
余談だが「鯨を殺すのは野蛮だ」と叫ぶ彼らは、ブタやウシを平気で食べているし、第一、太平の江戸時代、産業革命で「鯨油が必要」となったとたん鯨を追っかけて日本まで来て「補給させろ」と開国までさせて、挙句の果てに、自分たちの用途が終わったとたん、あたかも、今まで鯨など撫で撫でした事しかないような口振りの議論は、ついて行けない。
 南氷洋鯨類捕獲調査は、国際捕鯨取締条約に基づき実施している調査である。調査は、 1987/88年に開始した予備調査から数えて12度目であり、ミンククジラを主とする鯨類に関する生物学的及び資源的データの収集、クジラを中心とする南氷洋の環境及び生態系の解明を目的としている。これまで南氷洋W区及びX区を中心としてて実施していたが、調査の発展に伴い、9次調査(95/96)からはミンククジラ資源の広がりを調査するため調査海域にV区東半分及びY区西半分が加わった。
 昨年の調査海域はV区東半分及びW区であり、得られたサンプルから、ミンク鯨の南極海における棲み分け実態の解明、年齢構成の把握などの研究を引き続き行うこととしている。昨年は、わずかな氷縁を隔てて、ザトウクジラとミンククジラの明らかな棲み分けがみられた等の情報も得られた。なお、これらの調査結果は、国際捕鯨委員会に提出することとしている。

参考・引用資料 平成10年11月5日 水産庁遠洋課捕鯨班(03(3591)6582) プレスリリース



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新規作成日:1998年11月12日/最終更新日:1998年11月12日