北方領土の別なる問題

北方四島返還運動は、根室市を中心に展開されている。
これは、北方四島が、根室市に一番近い点でもある。

が、今般、次元の違う問題が発覚した。

外務省、田中真紀子 外務大臣(当時)、鈴木宗男代議士、NGO、らによる、アフガン復興会議へのNGO参加問題であるが。
この問題その物は、どうも田中真紀子 外務大臣(当時)の主張が正しいと思うのだが、その経緯は議論しない。
鈴木宗男代議士は、根室市を選挙区としている。
そして北方四島返還にも尽力しているという。
北方四島への支援として、我が国の資金を以って建築した建設が「ムネオハウス」や、「スズキムネオ診療所」などと呼ばれているらしい。
このあたりから、なにか胡散臭さが感じられたが。
これらの建設に際し、入札が行われたが、業者は「根室市内」に限られたという。
地元誘致と見られても仕方あるまい。
そもそも、衆議院議員は、地元偏向してはいけないといいつつも、地方選挙区性であり、地元の評判が悪ければ当選できないという、矛盾点もある。
しかし、今回の経緯のみを見れば、我が国の北方領土制作と言うものは、どうも、国内利権にのみ捕らわれているといわざるを得ないのだが・・・。
その意味では、北方四島は返還されず、事が長引いたほうが良いと考えている日本人は、多数存在しているような気配が見えている。


1997年に、戦後はじめて、ロシアの艦艇が、親善訪問で東京に寄港した。
艦艇ファンとしては、見学出来る絶好の機会だった。
しかし、関係当局一丸となって、一般公開を阻止した。
艦艇の一般公開は、艦艇、すなわち国家の主権でも有る。
当然、ロシア共和国の意見が最優先されるべきだ。
ロシア大使館、司令官 ともども、広く一般公開を認め、歓迎の意向だった。
しかし、なぜか、入口で一般市民を、我が国が締め出していた。

私も、冷戦期、ロシア人には、冷たい青い血が流れているものとさえ考えていた。
しかし、ロシア人と言葉を交わし、都市を訪れる機会を得るに、同じ人間である事を理解した。
人間の交流は、このように、あらぬ敵意を払拭する事に始まる。
その意味で、艦艇の一般公開は、艦艇の外交官としての真価を発揮するものでも有る。

では、なぜ、我が国が、ロシア共和国の主権を侵害してまで、一般公開を阻止したのだろうか。

謎が解け始めたような気がする。

政治家の圧力。根室市を中心とする利権。
その維持の為には、日露関係は、少しでも長い間、冷たいままの方が都合が良いのだろう。

国民には、北方領土返還運動を声たからかに謳う。
しかし、外交努力は身のある事をしていない。
半世紀の間全く結果を実らせずに済む事業なんて有るのでだろうか。
そうでしょう。前進させれば利権が失われるのです。
交渉を停滞させ、利権をむさぼる。
情けない問題だ。

なんと、ロシア海軍の機関紙にも、「北方領土の日」が日本の記念日として紹介される。
触れたくない問題ではないのかと思えば、「領土問題の存在は、全国民が承知している。隣国日本の文化をより良く知る為には、北方領土の日も記念日として紹介する必要が有る。」と。

以前から思っていた事がある。
実は、ロシア政府は、一貫して、北方領土返還を、我が国に対して「要求」していたのではなかろうか。
これに対して、我が国が、一貫して、「拒否」していたのではなかろうか。
「そんなばかな」「逆だろう」と思いたいのだが、外務省や、地元利権の構図を見るに、ありえないとは言いきれない。

日露関係の今後を考えるに当たって
北方領土問題


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新規作成日:2002年3月7日/最終更新日:2002年3月7日