間抜けな「みずほ証券」の情けないシステム

2005.12.8 みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券は、東証マザーズ市場に同日上場した人材サービスのジェイコム株の売買注文でご注文による処理を発生させ、市場を混乱させた。

ジェイコム株は、公募価格61万円を10%上回る67万2000円の初値を付けた直後に値を崩して57万2000円のストップ安まで下落、その後はストップ高の77万2000円まで急騰して取引を終了した。
売買代金は東証で第2位のみずほフィナンシャルグループを抜いて4213億円とトップに膨らんだ。
同社の時価総額は約112億円で、同日はその40倍以上に拡大する異常事態となった。
ジェイコムの発行済み株式数は1万4500株しかないが、最初に出た売り注文はその数十倍で、実際に存在する株数を大きく超えていた。

原因は、「65万円で1株」とするべきところを、「1円で65万株」として処理をしたためらしい。
処理をした担当者も、この上ないほどの間抜けだが・・・・。
そしてまた、異常な注文を示す警告メッセージを無視した上というから救いようがない。
これほど無責任な、注意力のない社員が存在することも問題だし、リストラの今日、これほど役立たずの社員に給料を支払える企業も奇特なことだ。
企業体質が疑われる。

市場での株の取引には、値幅制限があるはずだ。
60万円の株価に対して、1円では尋常な値幅ではないから、当然ガードがかかるべきだ。
ま、異常な注文を示す警告メッセージを無視した上というから仕方ない部分もあるのだが・・・。
また、発行済み株式数の60倍もの注文が、一つの取引として発注できることもそもそもおかしい。

かつてみずほ銀行では、開業当初にシステムトラブルを起こし、約一ヶ月に渡り混乱した。
株式の売買注文をめぐる大規模な誤発注では2001年11月に、ジェイコムと同様に東証に上場した当日の電通株で、UBS証券が「61万円で16株の売り」を「16円で61万株の売り」と間違え、後に買い戻しの必要に迫られて損失を出したことがあった。

これらを真摯に受け止めていれば、今回のようなことは起きるはずがない。

システム開発も、証券業務も、小学生がやっているわけではないのだが・・・・。
余りにもお粗末過ぎる。
間抜け、馬鹿、お粗末とは、こういうときのために存在する形容詞だろう。


今回の誤発注に関する損失は、ざっと300億らしい。約16分で。
その額は、みずほ証券の、前年利益を超えるという。
この間抜けさは笑いが止まらない。


ま、5万円額面なのでこういうことになったわけで、50円株であれば、610円1000株のところだから、これほどの騒ぎにはならなかったところだ。


その後、大量株主報告書が相次いで提出されている。
大量株主報告書は、発行済み株式の5%を超えて取得した場合に提出が義務付けられているのだが、数十%というものがぞろぞろでている。
もちろん、これらを合計すれば簡単に100%を超える。
株式売買は、同数が前提で、空売りといえども借株などで数量をあわせるはずだ。
にもかかわらず、存在しない数量が売買できて、株式が足りないという事象もそもそもおかしい。


1993.7創立の日本興業銀行系の興銀証券が、2000.9 第一勧業銀行系の第一勧業証券、富士銀行系の富士証券と合併し、社名をみずほ証券となっている。


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