ま新しい佐渡奉行所

2日目は佐渡奉行所からスタートです。
この日のバスガイドさんは、中村玉緒さんに似た顔を持ち、やっぱり玉緒さんに似た口調を持ち、しかも田中真紀子さんの押しまでMIXされた、とっても楽しい人でした。
例えば、佐渡にはおもしろい立て札があると言うんです。「美人とたぬきに注意!」。なるほど〜〜、人が少ない佐渡ではむしろたぬきに用心するんだなと感心して聞いていました。するとバスガイドさん、「佐渡にはこのような珍しい立て札があります。どおりでうちの近所に立てられたはずだわ。」
ここで大爆笑です。オジさまはヤジを飛ばします。バスガイドさんはそれにひるむことなく、さっさと次に話を続けてしまいます。
「私には弱いものが3つある。それは、お酒とお金。それにオトコ!」すべてこんな調子です。2号車は若いおねぇ〜さんのガイドさんだったんですが、私は1号車で良かったと思いましたね。(^^)

さて、さどやからの山道を程なく登っていくと、すぐに佐渡奉行所へ着きました。
ここは、昔金山のおかげで繁栄していた佐渡を仕切る役所でした。町屋からの火事で焼失してしまったものを、土台を掘り返し、過去の史料をもとにして再現してあります。昔からの釘を使わない工法で建てられているので、完成するのは平成22年になってしまうそうです。
(写真は美しい奉行所の入り口)
私たちは、そんな奉行所の本館というか、メインとなる建物の中へ入りました。
檜の匂いが立ちこめる、気持ちのいい建物です。大広間は堂々としています。時代劇によく出てくるのは、この場面でしょう。各々の業務を執り行ったと思われる部屋は4畳程度で、物入れの役割をしたであろう押入れを入れても6畳程度です。こんな狭い中で1日を過ごしていたであろう役人のことを思うと、よく耐えていたなと胸がつぶれる思いでした。
また、お白州が3ヶ所もあり、役所としてだけでなく、警察として機能していたのもわかりました。実はお白州って何のことか知らず、YちゃんとKちゃんに聞いて、ようやくお裁きをする舞台だと知ったんですよ〜。ありがとね〜、教えてくれて。
ここのお白州には屋根があるのが特徴的だそうです。
(写真はお白州。これは小さい方の)

ここでの感想・・・・とにかく寒い!!
板敷きの廊下にはござが敷いてあるんですが、タイツばきでは足の裏から冷気が全身に伝わってきちゃうのよ〜。Kちゃんなんて網タイツだったから、もっと大変だったよね。よくがんばったよね!昔の人は大丈夫だったのだろうか?足の裏が厚かったのかな??


 佐渡金山には言葉なし

佐渡と言えば、金山でしょう!
行く前から金山があるってことだけは知っていました。けれど、実態は何も知りません。
今回の旅行のハイライトは、まさにこの金山でした。
行く途中、「道遊の割戸」が見えました。これは、金鉱を掘り続けた結果山頂がぽっかりと削られて山が割れているように見えるものです。風光明媚な景観に突如場違いなような割戸。ここに連れてこられた金掘り達は、過酷な重労働と石粉のため肺に石が溜まって、長くて3年の命だったという事実を合わせて聞き、人間が捨て駒のように扱われた時代の凄まじさが重くのしかかりました。それと、金掘りにかける執念も感じました。

着いた金山は、紅葉がとても美しく、まるで京都のよう。先ほどまで感じた重苦しい空気はどこへやら、景観の美しさには勝てません。
(右の写真は麗しい庭園と麗しいワタシ達(((((((((;^▽^))

さぁ、坑道の中へ入ります。
うす暗い穴蔵を進みます。中ではロボット仕掛けの金掘り達が虚ろな目で淡々と作業を続けます。
不謹慎ですが、まるでディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンを思わせる坑道です。本物の坑道を使っているんですが、きれいに整備されているし、ロボットが本物そっくりに再現されているので、まるでテーマパークのように感じてしまったのです。
地下水を汲み上げながら作業をしなくてはならなかったので、人夫がたえずタービンのような木製の汲み上げ器を回さなくてはなりません。弱々しくノミを打ち続ける姿には、過酷過ぎて目をそらしてしまいそうになります。
また、息子や娘のような年齢の子供まで駆り出されていたと知って、深い悲しみにうちひしがれました。こんな幼い子らまで動員されていたとは。遊びたい盛りだっただろうに。
あまり悲しい事実は知りたくはないのですが、避けてはいけないと思いました。目をそらさずに説明文をしっかり読みました。
唯一希望が持てたのが、「やわらぎ」と呼ばれる祈祷です。写真の中央に上から下まで金鉱石が走っています。そうやって新しい金鉱石を発見すると、今まで発掘に携わってきた人を労って、このような一種のお祭りをするそうです。
この場所からだけは、ノミのカーン、カーンという音ではなく、歌と太鼓と笛の音楽が聞こえてきました。
(右の写真がやわらぎの儀式)

場所が変わって、隣りの資料館では、金山の全貌を表す模型や当時の奉行所の建物を再現した模型、さらには金鉱石や小判まで展示されていました。
写真の金鉱石では、黒い部分が金や銀が含有されている箇所です。すじ状に入っています。
重苦しい。。。でも本物だけが持つ圧倒的な迫力には、知っておくべきだと語りかけてくるようで、じっくりと見て回りました。
すごい場所でした。有無を言わさず強制労働を強いた時代。人の命は使い捨て。何よりも金の発掘がすべてだった時代。労働者は何を思い、衰弱し、亡くなっていったんでしょう。生きる屍です。その頃に比べれば、今はなんて自由で幸福なんでしょう。こんな世の中に不平不満を言ってはばちが当たります。
ここに行けて本当に良かったと思います。自己反省するために。


次は、佐渡スカイラインを通って、佐渡の地形の全貌を眺めるはずだったんです。今日は天気がいいからと、すっごく期待していたんです。遠く、能登半島まで見えるかも知れない。紅葉だってちょうど見ごろ。この旅の一番の楽しみだったんです。
それがです!記録的に早い初雪のために、道路が通行不能になっちゃったんですよ〜!!
オー・マイ・ガーーーッ!!!!
はぁ〜、なんてこった!金山の駐車場から見える山のもみじは、今が盛りじゃないですかぁ!今を見ずしていったいいつ見る??あきらめきれないんですが、あきらめるっきゃないです。
バスガイドさんの、「11月は天気が不順でこんなに晴れることは珍しいです。このツアーは島を1周できるとてもいいコースですので、スカイラインまで見るのは欲張りというものです。次回来た時の楽しみのためにとっておきましょう!」に少しは元気を回復しましたが、やっぱり高いところからの展望と紅葉は見たかったよ〜〜〜!!


 どろんこ巡り

ってことで、次は片野尾の霊場巡りです。
佐渡には石仏が多いそうです。ここは、88ヶ所の石仏をコースに沿って順繰りに回って行くのです。四国に行かずとも霊場巡りができるということで作られたそうです。
何が大変って、道がぬかるんでいて大変だったわぁ〜。民家の裏山みたいなところにあるんですが、昨夜までの雨のため、もう滑る滑る。竹製のつえを貸してくれるんですが、これをまるでストック代わりにして進むんです。でもつえはジャマだったかも。
私達の前にいた老夫婦は、夫が先に進み、つえの片側をを妻に持たせて引っ張り上げていたんですが、こっちの方がよっぽどアブなさそうだったわ。こんなことで、足元に気を付けたり、前に遅れないように気をつけてばっかりで、石仏を拝むヒマがない。^^;
読経が流れてくるんですが、これがテープなので途中で終わってしまうし。なんだかなぁ〜^^;
私のブーツは底が繋がっているから安定性があっていいんですが、Kちゃんのはちゃんとヒールになっていたから大変そう。でも本人、「ヒールが地面に刺さって動かなくて良かったよ」そうだったのか。Yちゃん「抜けなくて脱げたりして」その通り!
すっかりぬかるみ道に負けて、注目されなかった石仏さん達でした。
降りるとみんなでいっせいに靴底洗い!ここで売られていたおけさ柿は2コで100円でした。安い!!ゆずは5個で200円!東京じゃ、この時期1個250円だったそうです。すかさず買うKちゃん!エライ!!1個私にくれました。もっとエライっ!!
はぁ〜、こんなことばっかり書いて、何しに行ったんだぁ〜。。
少しは拝めぇぇ〜〜!!(((((((((;^▽^)

次に行った漁業組合では、ぼたんえびの試食がありました。うっ!甘い!おいしい!!
すっかり気に入り、家へのおみやげに決めました。
遠くに山が見えます。組合のおじさまに「あの山はなぁに?」と聞いたら、弥彦だと答えてくれました。弥彦が見える日は、天気が崩れるそうです。お、おじさま、やめてぇぇ〜〜!(>_<)

そんなおじさまの予言が大当たり!バスの中で降られてしまいました。88霊場でじゃなくて良かったぁ〜。
両津湾はエメラルドブルーです。日本海がこんなに美しいとは!昨日の大佐度と違って小佐渡の海岸線はまだゴツゴツしてません。遠くに大佐渡の山並が見え、実に綺麗です。
食事は両津市内のドライブインです。
海鮮丼です。ここでもあまえびがふんだんに使われていました。あ〜、満足!!
となりにスーパーがあったので、覗いてみました。ずわいがに580円。安い!!


 体に良い無名異焼き

次は無名異焼きの窯元です。
無名異焼きとは、金山からの地下水を佐渡の土に混ぜて焼いたものです。この地下水は鉄分をたっぷり含みます。なので強度があるし、叩くと高音の金属音がします。また、焼くと二まわりも縮みます。全国広しと言えど、縮む焼き物はここだけだそうです。
鉄鍋を使うと鉄分が摂取できるように、この湯飲みでお茶を飲むと鉄分が摂れるそうです。
ろくろで湯飲みを製作しているところを見学し、売店で実物を手にとって見ました。いいなぁ〜、コレ。でもちょっと高い!!赤い器でお茶飲むのもなぁ〜。^^;
(写真は左の花器が30万円、右が20万円だったような。。。金箔が貼り付けられています)


 どのお酒にしよっかなぁ〜♪

真野町に入って行きました。ここは拉致事件の曽我ひとみさんですっかり有名になってしまいました。商店街に差し掛かったら「おかえりなさい、曽我ひとみさん」の立て看板がありました。各商店にもそれを書いた紙が貼り付けられています。渋滞しているなと思ったら、真野町の役場がありました。報道陣の車がいっぱい。この日はちょうど戸籍を戻す日だったんです。
さらに、「新町祭り」の行進が反対車線であったために通りづらかったのです。両津勘吉とか犬夜叉とかヒカルの碁の大きなパネルを乗せた車が通り過ぎて行きました。安倍官房副長官も入島していたっけ。なんかものすごい日に当たっていました。
そういう世間のことをちらっと思い出しましたが、旅は続きます。

真野町の中心地にある尾畑酒造に到着です。ここは全国のお酒の品評会で金賞を取ったらしいです。
能書きをあ〜だこ〜だと聞いたあと、試飲しながらお酒を買い求めます。フェリー乗り場などのおみやげ屋さんでチェックしていたお酒があります。でもここでは安い部類。高いお酒を買わそうとしているなぁ〜。
飲み比べると、どうしても5000円くらいのお酒がおいしいのがわかるんです。あ〜でも、高いわぁ〜。送料もあるしなぁ〜。さんざん迷って、他の人がいなくなってもまだ試飲を繰り返し、ついに720ml3本入り、送料サービスのおトクなセットにしました。〆て5000円。大吟醸もセットに入っているからまぁいいやっと!あれだけ試飲したから、何か買わないと悪いしね〜。^^;


 ホテルでゆっくりのんびりよ〜♪

次は佐渡西三川ゴールドパークだったんですが、私たちはキャンセル。
ここは体験砂金取りができるんです。あらかじめ砂金が撒いてある人造の川で掬い取るんです。取った砂金はキーホルダーにできるそうです。
楽しそうだけど、それをしないと先にホテルへ帰れるんです。
今日は露天風呂。みんなが帰ってくる前の空いている温泉に入るんだぁ〜!昨日みたいに混んでいるのはイヤだぁ〜!!ゆったりとつかりたいんだぁ〜〜!!!(オヤジ臭い^^;)
そして、それは大正解!3時過ぎにホテルに入り、予定通り露天風呂を占領!!明るいうちに、真野湾が広がる雄大な景色を楽しみました。めちゃくちゃ絶景です。いやぁ〜、穏やかだわ、真野湾は。昨日の荒れた相川の海とは大違い。まさに命の洗濯だわ。
しっかしこんなにのどかで平和なところで本当に拉致事件があったんだろうか?
(写真は、部屋から見た真野湾)


ときに、この日の宿泊は佐渡ニューホテルです。
古いけれど、ゆったりとした造りです。眺望もいいし、ガーデンプールもあるし、昔は高級だったんでしょうね。
食事は大食堂でです。ここには舞台があって、食事中に佐渡おけさが見られるそうです。リンク
佐渡おけさや相川音頭などは、あっそうですかって感じで過ぎてしまったんですが、鬼太鼓は大迫力でした。
食事はこの日もズワイガニ!!それにフグのから揚げとお造りと湯豆腐と。。あとは忘れちゃいましたぁ。^^; カニに差があって、中身までびっしりで身を取りづらいのと、するっと抜けるのがあって、もちろんびっしりのがずっとおいしかったのです。私たちがあまりにもカニ、カニって言っていたら、お隣りの老夫婦がひとつくれました。やったぁ〜、ラッキー!!それを喜んでいたら、別の方もくれて。。。すごい!カニづくしです。
レストラン・シアターが終わると、佐渡おけさの講習会です。希望者が舞台へ上がって踊ります。私もやろうかと思ったんですが、右手と右足がいっしょに出ちゃうからなぁ〜。^^; 薦めるYちゃんとKちゃんを制して眺めることにしました。

部屋に戻り、ヒカルの碁を見ようと思ったら。。。あれっ、佐渡ではテレビ東京が写らないぞっ!
今日2回目のオー・マイ・ガァ〜〜!!
そのまんまちんたらテレビを見ていたら、いつの間にか寝てしまいました。もしかしたら9時半くらいです。
10時半に一度起きたら、テレビはつけっ放し、電気はこうこうと光輝き、しかもみんなはちゃんとふとんの中で寝ています。どうやら私が一番に落ちたらしいわ。^^;
ホテルに到着したのが早かったので、感覚的には12時なんですよ〜。まっ、いっかぁ。
そして私はYちゃんのガイドブックを読み、しばらくしたらまた寝たのでした。