KanonをD.CU〜出会い〜




 「祐くん、格好良かったよ〜。」



 入学式が終わり、クラスへ行く道中、茜からメールが来る。こんな中、よくメールなんて出来るな。そう思いながらもメールを返す。



 「良いことあったから真面目にやったんだ。」



 せっかくなので速攻で返すと、すぐに返ってくる。怖いもの知らずなのはどっちだろう。



 「何があったの?」



 いくら茜でも過去視出来るなんて言うことは出来ない。ここは本質を話すことだけにしよう。



 「綺麗な人がいたんだよ。俺らしくないか?」



 返したメールがすぐに返ってくる。もうすぐ教室らしいので、多分、これを見て、返して終わりになるだろう。



 「祐くんらしくないって言わないよ〜。祐君だって男の子だもん。美人なお姉様に目を奪われることだってあるよ。」



 それは茜らしい真面目とも冗談とも取れる返信だった。茜は俺らしいとは言っても、らしくないとは一度も言ったことがない。茜はいつだって俺のことを認めてくれる。



 「茜は素敵な女の子だよ。あんなに見つめられたからちょっと頑張っちゃったかな?」



 正直半分、冗談半分で返信し、目が合った茜にウィンクする。



 「色目使ってないで、真面目にやりなさい。」



 最後のメールは杏からだった。別に色目を使ったりしてないが、真面目にやっておいた方が良いだろう。先ほどからこそこそメールをしたりしてるのが見られてるが、周りは新入生宣誓をしたところから優等生とか思っているのだろう。変なイメージは困りものだが、時にはそのイメージを利用して行かなくてはならない。せいぜい、優等生っぽく振る舞って状況を確認していこう。そう思いながら、一番前の席に座った。

 相沢ってのはいつだて出席番号は一番だ。教師から時折鋭い視線が飛んでくるのは警戒されているからだろう。基本的に俺は自分から何かすることはない。どうせなら杏とか見てればいいのに。あいつこそ元凶だったのだ。



 「では付属に入学した君達は長くて6年間、ここで勉学を共にする。軽く自己紹介をしよう。」



 そりゃ、実に理に適ったことだ。ただそれが俺からでなければ俺も喜べたものだ。

 俺は教師に目で合図されて、嫌々ながら立ち上がる。視線が集まってるのを感じる。くそっ、茜も杏も楽しんでやがるな。



 「教師達に追い出されるように卒業し、ここに入学した相沢祐一です。新入生宣誓なんてやったのは優等生だからじゃなくて、偏に成績が良かっただけです。その辺は勘違いしないでください。趣味は読書とお菓子作り。とりあえず、部活とかに入る予定はありません。人付き合いは苦手ですが、仲良くやりましょう。」



 当たり触りのない俺の自己紹介に、拍手が上がる。まぁ、こんなもので良いだろう。俺の自己紹介など、次からの自己紹介をやりやすくするためのものであり、俺自身、それほど興味はない。今日は夢に引きづられたことだから少し眠っておくか。俺が意識を移ろわせてる最中も自己紹介は進んでいく。



 「桜内義之です。」



 それは突然だった。その人物に俺の頭は瞬時に覚醒させられた。どんな自己紹介をしてるか全く耳に入らない。俺の魔術師としての感覚が異常だと告げている。俺の学者としての感覚は正常だと告げている。元々俺という存在は魔術というファンタジーと科学というリアルで成り立っている。これらは相反するものであるが、同時に世界に存在する。

 つまり二つは相反するが、反発するものではない。だから異常事態と言える反発が生まれた俺の頭は押さえ込まなければパンクしそうだった。油断すれば過去視が暴走する。過去視の暴走は俺という人間を破滅させる。集中力を上げ、自分の感覚を補正していく。誰もが彼の存在を認識している。ならば肯定するところから始めるのが妥当。それに気恥ずかしそうにして、近くの少女に笑っている彼は間違いなくこの世界に存在する。魔術師としての俺よ。今は黙って肯定しろ。

 一息ついて、もう一息つく。いつの間にか自己紹介は終わろうとしていた。頭に痛みが走ったのは一瞬だった。一度肯定してしまえば、彼に感じた違和感は感じなくなった。裏を返せば、それほど自然の話しなのだ。恐らく俺の想像する以上の世界の話しなのだろう。



 「それでは明日のオリエンテーションの班決めを行う。難しいこと言わずにくじだ。」



 自己紹介が終わると、明日のオリエンテーションの班決めとなった。各自くじを引き、決まったグループで色々話し合うらしい。これはある意味チャンスなのかも知れない。俺の魔術師としての直感が正しいのならば、少し付き合えば違和感の正体に気づけるはず。奇しくも俺は最初にくじを引く。ここは悪い魔術師らしく仕組ませてもらおう。

 俺は指を唇に当て、魔力を送る。操作系の魔術は高度なものだが、練習してある。ここにいるクラス全員のくじを操作せず、たった一人に俺と同じくじを引かせることだけであれば、問題ないだろう。

 俺は魔力の籠もった手でくじを引き、引いたくじを担任に渡して、席に着く。それから続々とくじは引かれていき、黒板には次々とグループが出来ていった。



 「では各グループごとに集まって、話し合い始め。」



 教師の号令で話し合いは始まる。と言っても女子3人の内、二人は知り合いなのでやりやすい。と言うか、操作しないでこの二人と組むなんて出来過ぎも良いところだな。



 「まぁ、何というか明日はよろしく。俺は相沢祐一。そこの花咲茜と雪村杏とは幼なじみだ。」



 この手のことは早めに言っておいた方がグループとしてはやりやすいだろう。女の子の一人、杏にこっそり教わったら月島小恋と言った女子が先ほどから気になっていた桜内と幼なじみだと後に続いた。



 「おいおい、女の子と幼なじみかよ。羨ましいぜ。」



 そう言って心底羨ましそうに見たのは板橋渉。



 「なかなか個性の強いやつが集まったものだ。」



 一瞬でそこまで見抜いたのは杉並。何故かこいつの名前は分からない。杏も分からないのだから不思議だ。



 「っでどうするんだ?」



 話を進めたのは桜内。意外とリーダーシップがある。その一言にみんなの顔つきは変わった。



 「オリエンテーションって言ってもハイキングだろ?別に話し合う事なんて無いんじゃないか?」



 板橋の言ってることはある意味正しいが、それは浅はかと言う他ない。教師が話し合いを設けたのは、オリエンテーション前に少しでも交遊を深め、当日楽しい日が送れるようにと言う配慮だ。どうやらそのことに気付いてるのは俺と杏と杉並だけらしい。茜は何となく分かってるみたいだが、多分深い意味まで分からないようで、月島は真面目に何か話し合うのだと思っている。桜内はゆっくりと周りを見ている。事なかれ主義と言うより、周りの意思を尊重するタイプなのだと思う。結構良いやつかも知れない。



 「話し合うことはたくさんあるだろ?例えば....。」



 杏に視線を送る。杏ならば俺の言葉の続きが分かるはずだ。



 「月島さんと桜内くんの関係とかね。」



 杏が唇に手を当てて、微笑んだ。パッと見た限り、月島と桜内は相当親しい。それを邪推させるようにし向けることで、少し警戒している月島の警戒を解く。そうすれば自然と周りも打ち解けるだろう。人付き合いが苦手と言いながらこの辺を察するくらいは出来る。



 「よ、義之は幼なじみだよ〜!」



 その慌てぶりからしてそれだけじゃないのは一目瞭然だった。恐らく好意に近い物があるのだと思う。ただそれを表面化させたくないらしい。ならばと俺は茜に視線を送る。茜は分かったと微笑んだ。



 「幼なじみでも名前では呼ばないよ〜。」



 茜は上手い具合、逃げ場を与えた。これで二人の関係を話すも良し。逆にこちらも名前で呼び合ってることを追求するのも良し。完璧なチームワークだな。



 「よ、義之とは小学校からずっと同じクラスで、ずっと一緒だったから。」



 月島は慌てながら話す。ずっと一緒のクラスだったか。俺達と同じだな。



 「小恋とは腐れ縁でな。席替えで俺の席の周りを一周したことだってあるぞ。」



 桜内が月島のフォローをする。どうやら桜内は鈍感なようで、月島の慌てぶりの理由が分からないと見える。それはそれで良いことを知ったとばかり、杏と茜は笑っていた。



 「相沢達も名前で呼び合ってるが。」



 もう少し月島を攻めていこうとしたところで、杉並に入り込まれる。ある意味完璧なタイミングだな。ここで話を逸らすと話しが変な方向に行ってしまう。



 「俺達も月島さんと桜内くんと同じだよ。ずっと一緒のクラスで、班分けとかもほとんど同じ。」

 「ハッキリ言って腐れ縁ね。」

 「ある意味赤い糸?」



 俺に杏と茜が続く。



 「美少女と幼なじみなんて羨ましすぎる。」



 板橋が大きな声を上げる。あまりそう言うことを考えたことはなかったが、同じように幼なじみ関係にある月島と桜内を見ていると、確かに羨ましい関係なのだと思う。互いに信頼関係があり、とても自然に見える。まぁ、月島個人からすれば、信頼関係以上のものが欲しいのだが。



 「甘いな、板橋渉!家の幼なじみのやんちゃに巻き込まれたこと数えること出来ず。ずっと一緒だったと言えば聞こえは良いが、体の良い厄介払い。どれだけ苦労したことか。」



 とりあえず、日頃の恨みを込めて、大げさに言ってみる。パッと聞けば冗談に聞こえるが、思い当たる節がある人間にとって見れば、痛いことこの上ないはずだ。



 「相変わらず人を辱めることが好きね。Sの本領発揮ね。」

 「きゃ〜。」



 そうやって来たか。少しは反省してくれると思ったら、それを何十倍で返して来やがった。と言うか、ほぼ初対面の相手に勘違いされるようなことを言うなよ。



 「ほぉ、相沢はSか。」

 「しみじみ言うな!」



 杉並は口の端をつり上げている。こいつ、間違いなく杏と同じ人種だ。面白いことを平気でやっていくタイプだ。



 「祐くんはSなのは今や常識的だけど、月島さんはなんかMっぽい。」

 「何処かの誰かさんの犬になりたいって感じね。」



 何、この人達。どうして、初対面の人にそんなことを言うの。こいつらの常識を疑いながら、必死にフォローを考える。



 「月島さん、M?!」

 「ええい、黙ってろ!」



 板橋が興奮しだしたので、とりあえず黙らせる。鮮やかに決まった手刀は確実に板橋の意識を奪い、数分の静けさを約束させる。だが同時にそれはこのグループに静けさをもたらし、俺は見つめられていた。



 「鮮やかな手刀だな。人の意識を一瞬で奪うとは。」



 杉並は俺の手際に感心している。まぁ、俺の実力ならば意識の一つや二つ失わせることなど容易い....と言う話しじゃないんだよな。俺はゴホンと咳を一つする。



 「えっと、話が逸れてるよな?ちゃんと話しをしよう。」



 苦しい一言であった。だから杏と茜がくすくす笑う。そして月島も桜内も杉並も笑い出した。結局、月島できっかけを掴もうとしたら俺がきっかけになってしまったか。なんだかもう疲れてきた。



 「ん?何かあったのか?」



 俺達が笑ってるのを不思議に思ったのか、担任がやってきた。杏達が俺に視線を飛ばす。笑われた俺が何とかするのかよ。滅茶苦茶だな。



 「ちょっと地元トークに花が咲いてしまって。それより何か用ですか?」

 「ああ、明日のパンフやらの準備が終わったらしいから取りに行こうと思ったところで、随分と楽しそうにやってたからな。そうだ、仲良くなったところで、取ってきてくれ。」



 仲良くなったところで、何故俺達が取りに行かなくてはならないのだろう。これは一種の職務放棄というやつじゃないだろうか。



 「分かりました。一人で大丈夫なんですか?」



 常識外の量でない限り、一人で大丈夫なのだが、一応聞いておく。正直、重たいものを持つなんて馬鹿馬鹿しい。



 「もしかしたら相当重いかも知れない。桜内、加勢してやってくれ。」

 「分かりました。」



 加勢は桜内のようだ。パッと見た限り、線が細く、大きな期待は出来そうにない。



 「祐、馬車馬のように働きなさい。」

 「祐君、がんばれ〜。」



 茜と杏は気楽に送り出してくれる。俺がこの手のことを大嫌いだと知っているのだから質が悪い。



 「相沢も大変なんだな。」

 「事後処理は全て俺だからな。それより相沢なんてくすぐったいから止めてくれ。祐一で良いよ。」

 「そうか。なら俺も義之で良いぞ。」

 「了解、義之。それじゃあ、家のお嬢さん達が俺の秘密をしゃべり出す前にさっさと行きますか。」



 正直、あの二人をあのテンションで放置するのが怖くてならない。見てた限り、二人は月島のことを気に入ってたようだから、結構踏み込んだ付き合い方をしていくと思う。月島もあれで天然っぽいから計算された二人のトークをほぼ鵜呑みしていくだろう。祖父に天才として育てられた俺でも面倒な立場に立たされるのだから、あまりに可愛そうだ。



 「なぁ、祐一は何で二人に『祐』って呼ばれてるんだ?」

 「あだ名だろ。」

 「あだ名なら君付けしないだろ。」



 そこに気付く人間がいたか。でもあだ名の付け方に対する先入観があるからそう思ったのだと思う。茜の「祐くん」って呼び方は義之が思っているほど不自然ではない。



 「祖父が祐一って同じ名前だったんだ。二人は俺の祖父を知っていたから、祐一って呼ぶと紛らわしいって事で『祐』って呼んでるんだよ。」

 「それじゃあ、本当に親しいんだな。」

 「何をするにもずっと一緒だったんだよ。まぁ、そろそろ終わりだろうけど。」



 いつまでもこの関係が続くとは思っていない。俺は男で、茜や杏は女。茜はどう見たって女性そのものだし、杏だって女性らしいところはある。いつか二人にだって好きな人が出来るだろうし、互いに共有できないような秘密が出来ていくだろう。ある意味、ここでの生活はそんな二人を見ていくことに意味があるのかも知れない。ってなんだか爺臭いな。



 「何にせよ、お前は月島さんのことを名前で呼んでるんだから、二人も名前で呼んでやれよ。ああ見えて、お前のこと結構信頼してるぞ。」

 「そうなのか?」

 「伊達に幼なじみじゃないさ。俺もそう思うし。」



 見ていてすぐに分かる義之のお人好し具合。信頼するに値する人間だと思う。こいつならば親友となれそうだと。



 「光栄なことだな。」

 「俺の代わりに玩具になってくれ。」

 「それはお断りだ。」



 そして俺達は見つめ合い、笑い出した。本当に良いやつだ。先ほど感じた違和感も感じない以上、いつまでも気にしている訳にはいかないだろう。今は初めて出会った同性の親友との出会いを感謝しよう。
























 「それじゃあ、またな。」



 放課後、交遊を深めようとカラオケに行き、辺りが暗くなったところで解散することとなった。



 「杏、茜、気をつけて帰れよ。」



 本来ならば一緒に帰るところだが、俺には目的があったため、二人とバス停までしか送らなかった。

 二人のバスが目に見えなくなったのを確認して、首を鳴らす。祖父が死んで一月経った。祖父はこの桜が魔術によって成り立っているのを知っていながら、決して触れはしなかった。この桜は嘗て一度元の桜に戻ったという。どうやら過去も現在も魔術によって成り立っており、誰かが再び桜を咲かせたのだ。ここの桜は不思議だ。自分の想像以上の力をもたらしてくれる。何故これほどの大魔術が行使されて続けているのか。そもそも誰がどのような目的でこんなことを行ったのか。疑問は尽きない。だからこそこの問題を解決しようと思う。



 「手始めにまず魔術の大本を捜すか。」



 これほど大規模な魔術となると必ず大きな基点が存在するはず。俺は少しずつチャンネルをずらしていく。普段厄介と思っている世界とのずれも一度魔術師の世界に入れば、これほど優れた世界観はなかった。

 俺のよく知る世界がおぼろげになり、咲き誇る桜からある一点に向かって大きな流れが見える。これを辿ることで大本に辿り着ける。俺はチャンネルが大きくずれないように細心の注意を払いながら、ゆっくりと歩き出した。



 「ここが大本か。」



 辿り着いたのは公園に生える一本の桜だった。チャンネルを元に戻しても、これが大本だというのは分かる。間違いなく当たりだ。



 「さてさて少し覗かせてもらいますよ。」



 俺は片手を桜へと当てる。魔術は理論から成り立っている。故にどんな大魔術も動く魔力の法則をつかみ取れば、おおよその仕組みが分かる。過去視と言う力を持つ俺はそれに頼り切らないようにと、ひたすら魔術の解析方法を学んだ。大外に流れる魔力から少しずつ少しずつ紐解いて行き、立ち止まる。肝心なところでブラックボックスがある。これはどうやら既存の魔術ではないらしい。



 「さすが、現実世界で一年中桜を咲かす魔術だ。既存の魔術であるはずがないか。」



 恐らくそれ以外の能力もブラックボックス内にある。周りにあった魔術を紐解いた限り、誰かがこのブラックボックスを正常に作動させるように組み上げていた。一部おかしいところは放っておくとして、とりあえずブラックボックスの解析に入ろう。

 ブラックボックスと言うほどこの魔術の根幹は固く閉ざされている。しかしながらこれを作った魔術師は存在するのだ。ならばその魔術師に聞くのが早い。再び意識をずらし、過去視を発動していく。

 過去視には段階がある。その場所が最も印象的に思っている過去を漠然と視る第一段階。故意の時間を視る事が出来る第二段階。過去その場にいた人間と話すことが出来る第三段階。段階が上がるごとに俺への負担が大きいため、ここはとりあえず第一段階で探りを入れてみる。故意の時間を視るにしろ、片っ端からやっているときりがない。ここはゆっくりと確実に歩んでいく方が良い。


 第一段階で視えるのは漠然としたものだ。簡単に言うなら白黒の無声映画でコマ飛び。現れた人影は桜を叩きながら泣いている。桜は散っている。と言うことはこれは過去一度あった桜が散ったときの時間か。青年は泣き、それを一人の少女が見つめてる。二人はどんな関係だろうか。そう思ったところで、世界が元に戻った。

 ドンッと膝を付いた。せっかくこの時間を基準にして調べていこうと思ったのに限界症状だ。自分の知らず知らずの内に力を使いすぎ、失った力が残っていた体力を代換えにしようとしている。息をするのが苦しい。だがこれだけならばまだ良い。問題は代換えが足りなかった場合。最悪過去視が暴走し、俺は破滅する。高鳴る心臓を抑え、そのまま倒れる。今は手段や方法を選んでる場合ではない。少しでも体力の減少を抑え、過去視を抑える。後は数時間で目が覚めることを祈るだけだ。そして一瞬で意識が落ちた。