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[速足に挑戦]←此の騎乗→[頭絡をはずして、こちらの無口頭]
「今日は速足に慣れましょう。前回の速足の注意点を思い出して下さい。」
「手綱を少し緩めて、締め付ける足の力を少し強くして下さい。速足は馬の対角線上の足を交互に進めるので、2拍子で強い振動が来ます。お尻が鞍に着地する時、その衝撃を馬の重心の方向に伝えます。そうすれば、体が前後左右に揺れたりしません。そうすれば、うまく乗れます。だからといって、振動が楽になるわけではないですが。」
「では、馬に乗って、騎乗体操をして、体をほぐして下さい。騎乗体操終わりましたか。では、並足で、輪乗りをして下さい。」
「輪乗りをしながら聞いて下さい。並足はかなり慣れたようですね。速足も、数をこなせば慣れて来ます。駆け足もそうです。今あなたは並足で馬に乗っています。でも、これは非常に危険な状態です。ここで、例え話をします。最近は、中高年の人たちのハイキングが盛んです。でも、中高年と限らず、これは非常に危険な行為なのです。ハイキングをすると、例えどんなに地図を読むのが上手でも ( それも疑わしいが ) 、道に迷う可能性はあります。道以外のところでは、岩場を登るあるいは下らなくてはならない可能性が高いです。なぜなら、道と言うものは岩場を避けて作られるので、道以外は全て岩場などという山まである程で、道に迷えば、即、岩登りと考えるべきです。」
「ですから、ハイキングをするなら、まず、岩登りの練習をすべきです。」
「岩登りのベテランになって、ザイル、安全ベルト、ヘルメット、ハンマー、カラビナ、ハーケン、マイクロハーケン、埋め込みボルト、鐙を3本、勿論、乗馬用ではいけません。オーバーハングを乗り越える時使うやつです。その他必要になることが予想されるものを持って、ハイキングに行けば、ハイキングの安全性が格段に高まります。」
「勿論、オーバーハングで宙づりになることを予想して、太さ6mmのナイロンザイルで作った直径2mの輪を2つと、メインザイルを切るためのナイフもお尻のポケットに入れて置かなくては、この努力は無になりますが。」
「もし、冬のハイキングに行くなら、氷壁を登る訓練も当然必要になります。装備として、ピッケル、アイゼン、アイスハンマー、アイスハーケンも加えなければなりません。ちょっと、例え話が長くなりましたが、今のあなたは、岩や氷壁を上れない人がハイキングに行くという非常に危険な状態です。もう、察しのいいあなたなので、私が速足を岩登りに、駆け足を氷壁登はんに例えたのは、とっくにおわかりのことと思います。あなたは今、並足で乗馬していますが、いつ何かのきっかけで速足や駆け足になるかわからないからです。」
「話が、少し長くなってしまいました。今日も昨日のように轡にロープを付けて、馬を鞭で走らせます。では、始めます。最初は並足です。だんだん並足の歩度が高くなります。落ち着いて下さい。さっきの注意を思い出して下さい。」
「さあ、速足にしますよ。振動に耐えて下さい。前を見て。視線が下がっています。上体がふらついています。脇が開いています。腕とこぶしが、がちがちに硬くなっています。手綱を、もっとゆるめて下さい。そういう風に、馬の振動で体が鞍から持ち上がる時、いろいろな方向へ飛び出すのは、落馬を恐れるあまり鐙に頼っているからです。膝の内側で軽く馬を締めて、鐙を踏み込む力をゆるめて、あ、手綱を引きすぎです。はい、並足にします。」
「よく、落馬しないで、こらえましたね。並足でリラックスして下さい。一番問題は、重心が定まっていない点です。それでは、もう一度速足にしますから、この点に、特に、注意して下さい。ああ、だめだめ、体ががちがちになっている。そうそう、そうです。あ、今度は腕に力が入り過ぎている。手綱をゆるめて。まあ、いいでしょう。並足に戻します。」
「どうです。少し速足になれましたか。まだまだですか。もう一度、速足にしますが、今度は、振動で体が持ち上がって、鞍に着地する時、馬の重心の方向に着地するようにして下さい。それでは、速足!そうそうそうそう。馬の重心とあってませんね。この速足は一番遅いやつです。それではもっと速くした時、振り落とされますよ。あ、あ、脇が開いてきた。そうそう、そのくらい。」
「並足にします。今日はこれくらいにしときましょう。明日はロープと鞭を使わないでやってみます。これから当分速足の練習になります。早く、速足に慣れるといいですね。あ、それから落馬というやつは慣れた頃に起こるので、慣れてきても充分注意した方がいいですよ。」
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