おいしげったアシの小さな池。 ぼくは水面をのぞきこみながら泳いでいた魚にたずねた。 「こんにちは。ぼくはあなたの卵ですか?」 すると魚は池からはねて、ぼくをちらりと見て言った。 「違うね。おいらの卵は水の中。とうめいで水草にくっついてるのさ」 「そうですか。じゃあぼくはあなたの卵じゃない」 もしぼくが魚の卵だったら、ぼくは魚になればいいんだ。 でも違うから、ぼくは魚にはなれない。 ぼくは旅を続ける。 ↑次のページへ
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