電波の種類
伝播方法による分類
地表波(地上波): 地表を直進することにより伝播する。
従って水平線の先とは通信できない。
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空間波: 地表と電離層の間を反射しながら伝播する。
従って水平線の先の地球の裏側でも通信できる。
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発射位置による分類
地上波: 地球上から発射される電波。
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衛星波: 衛星より発射される電波。
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長波〜短波の波形の例
長波は波長が長く振幅が広い。
短波は波長が短く振幅が狭い。
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光速 300,000,000m / 周波数(Hz) = 波長(m)
波長の1/2の長さのアンテナが理想的とされている。
中波の場合、アンテナが非常に長くなるため、鉄棒にコイルをぐるぐる巻いたバーコイルアンテナ内蔵が一般的である。
- 極極超長波(ULF:Ultra Low Frequency)
周波数: 〜3Hz
波長: 100000〜300000000km
特徴: 水中でも伝わる。
- 極超長波(ELF:Extremely Low Frequency)
波長: 100〜100000km
周波数: 3Hz〜3kHz
特徴: 水中でも伝わる。
- 超長波(VLF:Very Low Frequency)
波長: 10〜100km
周波数: 3kz〜30kHz
特徴: 水中でも伝わる。
用途: オメガ(電波航法)・標準電波・対潜水艦通信
- 長波(LF:Low Frequency)
波長: 1〜10km
周波数: 30kz〜300kHz
特徴: 地表波による安定した通信が可能。大電力の送信機の製作が容易。
用途: LORAN-C・標準電波(電波時計)・船舶無線電信・長波ラジオ放送
- 中波(MF:Medium Frequency)
波長: 100〜1000m
周波数: 300kHz〜3MHz
特徴: 約100kmの高度に形成される電離層(E層)に反射して伝わる。
昼間は地表波による安定した通信・夜間は電離層による反射で遠距離通信が可能。
用途: ラジオ放送・船舶気象通報・無線航法(NDB/ADF)・アマチュア無線
- 短波(HF:High Frequency)
波長: 10〜100m
周波数: 3MHz〜30MHz
特徴: 約200〜400kmの高度に形成される電離層(F層)に反射して、地表との反射を繰り返しながら地球の裏側まで伝わっていくことができる。
季節や時間帯による伝送特性の変化が大きい。
用途: 船舶無線・(洋上)航空無線・短波ラジオ放送・アマチュア無線
- 超短波(VHF:Very High Frequency)
波長: 1〜10m
周波数: 30MHz〜300MHz
特徴: 直進性があり、電離層で反射しにくい性質がある。
山や建物の陰にもある程度回り込んで伝わることがでる。
空間波による見通し範囲の通信が可能。電離層(E層)やラジオダクトによる異常伝搬で遠くの送信局の妨害を受けることもある。
用途: 業務用移動通信・無線航法(MKR/LOC/VOR)・民間航空無線・ELT・国際VHF船舶無線・同報無線・FMラジオ放送・テレビ放送(1ch〜12ch)・アマチュア無線
- 極超短波(UHF:Ultra High Frequency)
波長: 10cm〜1m
周波数: 300MHz〜3GHz
特徴: 超短波に比べて直進性が更に強くなるが、多少の山や建物の陰には回り込んで伝わることもできる。
アンテナが小さくなるため移動体通信に適する。
用途: 携帯電話・PHS・業務用移動通信・無線航法(GS/DME/TACAN/ATC/TCAS)・軍用航空無線・テレビ放送(13ch〜62ch)・ISMバンド(無線LAN・電子レンジ・アマチュア無線など)
- マイクロ波(SHF:Super High Frequency)
波長: 1〜10cm
周波数: 3GHz〜30GHz
特徴: 直進性が強い性質を持つため、特定の方向に向けて発射するのに適している。
高速データ通信用として技術開発が行われている。
用途: 衛星通信・衛星テレビ放送・放送用中継回線(STL・FPU・固定通信(非常用など)・無線LAN・無線アクセス・電波高度計・アマチュア無線
- ミリ波(EHF:Extra High Frequency)
波長: 1mm〜10mm
周波数: 30GHz〜300GHz
特徴: 強い直進性があり、非常に大きな情報量を伝送することができますが、悪天候時には雨や霧による影響を強く受けてあまり遠くへ伝わることができません。
直進性が非常に強い。
用途: レーダー・衛星通信・50GHz帯簡易無線
- サブミリ波
波長: 0.1mm〜1mm
周波数: 300GHz〜3THz
特徴: 巨大な無線設備が必要で、また水蒸気による吸収が大きいという性質があるため光と電波の中間領域。
用途: 電波天文(宇宙電波の受信)・非破壊検査
人間の耳に聞こえる周波数はおよそ16Hz〜20kHzの範囲
周波数帯表
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参考
⇒ 船舶無線の歴史
⇒ 艦隊通信
⇒ アンテナ
⇒ 電波の種類
⇒ 衛星通信
新規作成日:2006年2月14日/最終更新日:2002年2月14日