捕鯨問題
子供の頃、給食で良く食べた、くじらの肉。
これが最近口にした事がない。
IWCの条約により、捕鯨が制限された為である。
そもそも、鯨は、世界各地の沿岸国にとって、重要なタンパク源だった。
初めは漂着した鯨を捕獲したのだろう。やがて船で漁をするようにもなった。
そして、欧米各国は、産業として捕鯨を展開する。
食肉というより、鯨油が目的だった。
大西洋を荒らしまわった各国は、太平洋にも進出する。
捕鯨船の補給の為に、江戸時代の鎖国の中の我が国に、ペリー艦隊をしてまで開国させた。
そして乱獲により極端に減少した鯨と、石油の発見の為、捕鯨の必要性の減った各国は、捕鯨をやめ、その上、他国にまで、捕鯨の禁止を迫った。
当初は、鯨の絶滅を理由とした。
その後は、鯨は知能が高いとか、哺乳類を食べるのは野蛮だとか、勝手な精神論が横行する。
そもそも、欧米諸国は、侵略や、植民地支配、奴隷制度など、非人道的な活動を何世紀にも渡って行ってきて、その謝罪や清算もなく、このような論理展開をするのだから、溜まったものではない。
余談だが、アメリカが中国に「人権問題」を言っているが、思想による人権侵害間あるかもしれない中国としても、100年前迄奴隷制度が存在し、最近まで人種差別のまかり通ったアメリカに、口を挟まれたくもないだろう。
IWCは、鯨の乱獲を防止する見地から、捕鯨国の間で設立した。
その後、捕鯨を禁止する見地から、無関係な国家を会議に参加させ、反対側の票数を増やすという姑息な手段に訴えている。
欧米諸国の言う「鯨がかわいそう」については、ならば豚や牛は良いのかという議論が存在する。
キリストの教えでは、家畜は食べ物だというそうで、聖書に「鯨」の記載がないそうだが、宗教で言えば、イスラムでは豚や牛は食べない。
捕鯨の理由として、捕鯨制限により、鯨が増えすぎ、魚を食べ過ぎるから「間引く必要が有る」という、水産資源保護を言う論法があるが、私はこれには賛同しない。
自然の生態系を保護するなら、間引くべきは「人類」その物と考えるからである。
いずれにせよ、鯨は我が国古来から存在する食文化でもある。
欧米のご都合に合わせて、指図される性質の物ではない。
⇒ 97/98南氷洋鯨類捕獲調査船団
⇒ 1998/99年度南氷洋鯨類捕獲調査船団
⇒ 2001 2001 第2期北西太平洋鯨類捕獲調査船団
⇒ 捕鯨の歴史
⇒ 捕鯨
⇒ 捕鯨問題
新規作成日:2002年2月23日/最終更新日:2002年2月23日