「魔女の宅急便」(宮崎 駿 プロデュース・脚本・監督のアニメーション映画)を使って、少し遊びましょう。原作は、角野栄子「魔女の宅急便」ですが、こちらは少し話しが違うので、アニメーションの方でいきます。
へたくそな絵で申し訳ないですが、何となくこんな雰囲気です。できればビデオで見てください。
まずは、見た人には思い出してもらうため、見てない人には話しを知ってもらうために、ストーリーを紹介しておきましょう。
●ストーリー | ・→質問へ行く |
◆主人公は、魔女の母親と普通の父親の間に生まれた魔女のキキで、13歳のもちろん女の子です。そしてお供は、同じ頃に生まれて一緒に育てられたオスの黒猫ジジです。まずは、魔女になる子は、13歳になったら家を出るという、古いしきたりの話しから始まります。
キキは飛ぶことしか覚えなかったと、母親は心配しています。そして、出発の日取りのことでまず、ひともんちゃくあります。それから、魔女の黒服のことで文句を言って、母親から大切なのは心だといわれます。出発の時、かわいい小さなホーキを使おうとして、母親の古い使いこんだホーキに代えるよう言われてもめます。結局は母親のホーキで出発。まずは、住む街を探す旅です。
◆途中嵐にあって、貨物列車の中で寝ている間に、大きな海に囲まれた町にやってきます。キキは、その街が気に入りますが、ジジはもっと小さな町にしようといいます。
街の人にあいさつしますが、誰も関心を持ってくれません。それどころか、車の前に飛び出して、警官に追いかけられるしまつです。
キキが飛べることに関心を持った男の子(名前はトンボ)には冷たい態度を取りますが、ホテルでは未成年であることで泊めてもらえません。途方にくれるキキは、ふとしたことでパン屋のオソノさんと知り合い泊めてもらえることになります。
その上、パン屋の電話も使わせてもらえることになり、空飛ぶ宅急便をはじめることにします。
何しろ1人立ちが目的ですから、自分で稼がなくてはなりません。
持ってきた少しのお金で生活用品を買いに行く時、同世代の女の子達とすれ違う時妙に力が入ります。
「もうちょっとすてきな服なら良かったのにね〜」
そして、帰り道、赤いくつに見とれていると、トンボに声をかけられ、またムッとします。
◆さて、さっそく仕事にありつきますが、お届け物を落としてしまい、それを拾ってくれた絵描きの女性と知り合いになります。
なかなか仕事がないある日、2件の仕事が舞い込みます。ちょうどその時、トンボがやってきて、キキを正式にパーティに招待してくれます。キキは喜んでオソノさんに報告に行きます。
「でも、わたし、この服しか持ってないもの」
そう言うキキを、オソノさんは励ましてくれ、キキは仕事に飛び出していきます。
1つは無事終わり、もうひとつの所で、年配の女性から孫の誕生日に暖かいパイを届けてほしいといわれるのですが、パイが焼けていなくて手伝うことになります。
そうこうしているうちに時間がなくなり、あわてて届けに行く途中で大雨にあいます。そのまま、ずぶぬれになりながら届けたのですが、出てきた女の子は自分と同年代の子で、おまけに冷たい態度なのです。
キキは、ションボリ雨にぬれながら帰り、楽しみにしていたパーティにも行かないで、そのまま眠ってしまいます。
翌日、熱を出しているところへオソノさんが来てくれます。
「わたし、このまま死ぬのかしら」
そう言うキキを、ただのカゼだと笑い飛ばして世話をしてくれます。
◆やがて風邪も治った頃、ジジの方はお隣の白猫と仲良くなっています。
キキは、オソノさんのたのみで、近くまで歩いてお届けに行きます。そこはトンボのうちでした。
トンボはキキを自転車に乗せて、飛行船を見に行こうと誘います。
その途中で、車にぶつかりそうになった時、自転車が宙に浮き、道路から転がり落ちてしまいます。そこではじめてキキは大笑いします。
トンボとなごやかな会話をしているところへ、トンボの友達が飛行船に行こうと誘いに来るのですが、その中に先日の配達先で冷たい態度だった女の子もいます。
キキは急につっけんどんな態度になって、トンボをおいて一人で帰ってきます。
「ジジ…わたしってどうかしてる。せっかく友達ができたのに、急に憎らしくなっちゃうの、素直で明るいキキはどこかへいっちゃったみたい」
と、自己嫌悪になるキキをおいて、ジジは白猫のところへ行ってしまいます。
その後、夕方に帰ってきたジジに、文句を言いますが、ジジはニャーと鳴くばかりです。ジジの言葉がわからなくなったようだと思った時ハッとします。
急いでホーキに乗ってみると、浮かびはするけどすぐに落ちてしまいます。
「魔法が弱くなってる…」
そう思ったキキは、必死で飛ぶ練習をします。何度もやってみるのですがどうしても飛べなくて、とうとう母親からもらったホーキの柄を折ってしまいます。
どうしていいかわからなくなったキキは、泣きながら一人ホーキの柄を作るために木を削ります。
オソノさんには、なんでもするからここにおいてほしいと頼み、トンボからの電話にも出る気力がありません。
そんな時、絵描きの女の子が訪ねてきます。
◆絵描きの女性は、キキの話しを聞くと、自分の小屋に来るように誘ってくれます。前はひとっ飛びだった小屋まで、バスと車を乗り継ぎ歩いてたどり着きます。
小屋の中で、絵描きの女性のモデルをしながらの会話です。
「魔法も絵も似てるんだね。あたしもよく描けなくなるよ。」
「ほんと? そういう時どうするの? わたし、前は何も考えなくても飛べたの…。今はどうやって飛べたのかわからなくなっちゃった。」
「そういう時は、ジタバタするしかないよ、描いて描いて描きまくる!!」
「でもやっぱり飛べなかったら」
「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、昼寝したり…何もしない。そのうち、急に描きたくなるんだよ。」
「なるかしら…」
「なるさ」
◇それから、夜の会話です。
「魔法ってさ、呪文をとなえるんじゃないんだね。」
「うん、血で飛ぶんだって」
「魔女の血、絵描きの血、パン職人の血、神様かだれかがくれた力なんだよね。おかげで苦労もするけど。」
「わたし魔法ってなにか考えたこともなかったの、修行なんて古くさいしきたりだって思ってた…今日あなたが来てくれてとてもうれしかったの…わたしひとりじゃ…ただジタバタしてただけだわ」
苦値人からの質問です |
さて、問題は「キキはどうして飛べなくなったのか?」です。
サロンで語り合って頂けるとうれしいです。
ここに書いたのは、ストーリーの骨だけですが、表現されているキキの具体的な言動にしぼって書いているので、見てない人も見てる人も、このストーリーの中からだけで洞察してみて下さい。
キキの中で何が起こったのか、そして、どうして飛べなくなったのか。
絵描きの女性のいう、わたしも描けなくなるというのとキキの飛べなくなるということは、確かに同じことともいえますが、違っているとも言えます。
たとえば、彼女の絵描きという力は彼女固有の物です。絵描きの子供が絵描きになると決まっているわけではありませんから。ところが、キキの場合は、魔女の子供は魔女なのです。つまり、人間の子供は人間であって、だから言葉をしゃべり2本足で歩くのです。キキならば飛ぶということです。
だから、絵描きの女性の場合は、スポーツ選手のスランプのようなものだといえるし、キキの場合は、わたし達がある日突然しゃべれなくなったり、歩けなくなったりするのと同じということです。
あなたがある日急に、歩けなくなったり、しゃべれなくなったりしたと思ってみて下さい。それが、キキに起こったことなのです。
「キキはどうして急に飛べなくなったのか?」
さあ、答えてみて下さい、なぜなのでしょう。正解しても、何の賞品も出ないけど、きっとあなたの頭か心に何かが生まれて…くるかな?
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キキの飛べなくなった理由を考えてみた人は、今度は「サイコ」の部屋へ飛んで下さい。その部屋が、キキの飛べなくなった理由を探るための準備になります。今度は、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、挑戦してみて下さい。
「サイコ」のあと、催眠や催眠状態について説明しながら、理由の解明をやってみます。それから、症状というものと、催眠状態といったものに迫って行きたいと思います。