心理療法Q&Aの部屋


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どんな時に行けばいいのか

おそらくいつでも。何の悩みも症状もなくても、何か話したいことがあったらいつでも行っていいと思います。
もし、そこで何でもないのに来るなと言われたり、気のない対応を受けたら、そこはおそらく行かないほうがいいところでしょう。
でも、お金がかかることが多いので、その辺は自分の財布と相談して下さい。
また、重病や慢性病をわずらった人やその家族、事故にあった人やその家族、結婚、出産、就職など人生の節目にはちょっとのぞいて見るのもいいかも。もちろん、のぞくのは自分の心です。




どんな症状の時行けばいいのか

どんな症状でもOKです。もちろん心理的な症状(ノイローゼや不安、緊張、悩みなど)や、行動修正(クセ、人間関係、性格など)が有効ですが、たとえ体の症状でも心と体はひとつです。そういう意味では、必ず心理的な面でもできることがあるはずですし、暴行を受けた時など、傷を負っているのは体だけではありません。
ただ、、基本的には、本人になんとかしようという意志があり、会話が可能な程度の混乱状態までが望ましいでしょう。それ以上でも、家族の協力や、状況によってはなんとかなるかも知れません。
また、子供や家族の相談のように本人でなくてもアプローチの方法はあります。家族療法や、システムアプローチの取れる所なら可能でしょう。




どのくらい行けばいいか

期間については、相談している所で聞くしかないようです。回数をあらかじめ設定している所もあるし、目安でしかない所もあるし、まったく制限のない所もあります。自分の気持ちと説明を聞いて、納得がいくところを選んで下さい。
私個人の意見をいうなら、なるべく少ないほうがいいと思います。少しでも何かつかんだり、いい感触があったなら、現実の生活の中で、じっくり味わってみるのがいいと思います。また、必要を感じたら、その時また行けばいいのですから。
注意すべきは(実は注意する方法がないのですが)、クライエント(依頼者)を取りこもうとするセラピスト(カウンセラー、心理療法家)がいるという事です。その場合、セラピストとクライエントという関係が、別な関係にすりかわってしまって、むやみに時間ばかりかかってしまい、相談に行かなくなると思うと不安になったりするようなこともあります。

実際は、1週間に1回位のペースの所が多いと思いますが、そのペースで1か月〜3か月くらいが目安でしょうか。
もちろん、分析などのやり方では何年ということもありますし、思春期の成長を待ちながらのセラピーや、摂食障害やPTSDといった問題は少々時間がかかるでしょう。
だからといって、その間ずっと通いつづける必要もないかと思います。必要に応じて行ったり行かなかったり、間隔を空けたりしているうちに、いつのまにか行く必要がなくなっている、ということもあるかと思います。
よく、完全に治すんだ、治るまで行くという人がいますが、それは行っているうちは治らないと言ってるのと同じです。
自分のなかから不安が少なくなり、自信を取り戻せ、自分なりの生活がつかめたなら、それで行かなくてもよくなったと言っていいでしょう。あまりに、セラピストにべったりとなって、自分というものを売り渡したようになって、それで不安から抜け出したとしても、今度はセラピストから離れるのが不安になってしまいます。
一時的に避難して、落ち着き、いくつかの知恵や刺激を受け、自分のなかの新たな力を得て、トラブルを乗り越えていくのがセラピーだと思って下さい。

ひょっとすると、セラピーをまったく受けなくても、同じだけの月日がたつとよくなったかもしれないし・・・・・。たとえば、風邪をひいた時、医者にかかってもかからなくても、治るまでの日数はあまり変わりがありません。ただ、こじらせないためだったり、症状を抑えて少し楽に過ごせるといった程度ではないかと思います。むしろ、症状を抑えて無理をして、長引いてしまうこともあるくらいです。
そうは言っても、程度の問題です。専門家の介入を必要とするものもあるので、注意して下さい。とりあえず、相談してから考えてみることです。

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料金はいくらか

だいたい、5,000円から14,000円か15,000円あたりがそうばでしょう。
会員として扱うために、入会金が5,000円から10,000円くらいかかるところもあります。
支払方法は、何回分かまとめて払うところと、1回ずつ払うところとあります。




受け方

約束した時間は守りましょう。キャンセルはなるべくはやめに電話しましょう。終了時間も守りましょう。延長したくなるのは、何かの心理(セラピストへの不満や、セラピストを自分にひきつけたいなど)が、働いているかもしれません。次回、そのことを話し合ってみましょう。
やめたくなったら、遠慮なくそのことをセラピストに話してみて下さい、そこから何かが見えることもあります。やめることは、必ずしも悪いことではないので、罪悪感を持ったり自信を失ったりしないように。
ただ、いつも同じようなやめかたをしているのなら、そこにも何かあるのかもしれません。とにかく、心境の変化や疑問、質問があったらなるべくセラピストに率直に話してみましょう。
また、すぐ成果を期待しないで、まず1〜2回はじっくり自分の状態や、自分の胸のうちを話してみましょう。カウンセリング(来談者中心療法)では、まさにそれこそがやるべきことですから。
そして、症状を捨て去ることに、少しはなごりおしさを感じてみましょう。
いろんな所で受けて見ましょう。同時に、ひとつの所でじっくり取り組んでみましょう。
お金を惜しんで、真剣に取り組んでみましょう。




どこに行けばいいのか

心理療法がいいか催眠か、それとも精神科か心療内科かと、どれがいいか迷ってしまいますね。はっきりいって、好みの問題だと思います。薬が必要か、薬が欲しいかどうかが、医療を選ぶか療法を選ぶかの分かれ目です。療法では薬は使いません。
心理療法か催眠かということでは、まったくあなたの希望次第です。心理療法といっても催眠的なアプローチを取り入れているところもあるし、催眠といってもそれを使わないでやれる所もあります。私の考えからすると、心理療法はすべて催眠的なアプローチを使っていると思っていますから、実はこの分け方は無意味です。
しいていうなら、催眠術か心理療法(催眠療法を含む)か、ということでしょう。催眠術が全て悪いとは思いませんが、心理的なものを無視して行われる催眠は危険です。術者が、とにかく催眠をかけることだけを自慢にしてるようだと、シロウトだと思ったほうがいいでしょう。

心理療法には、それこそ星の数ほどの療法があります。まあ、セラピストの数だけあると言って間違いないでしょう。ようは、名前をつけているかどうかの差でしかありません。どのセラピストも自分のやり方を持っています。ある療法のやり方を吹聴するのは、まだ自分のやり方のない初心者だという事です。
それぞれのセラピストで得意としているやり方がありますので、あなたの希望を伝えてみて下さい。分析的なやり方には、精神分析(フロイト)、分析心理学(ユング)、アドラー、ゲシュタルト、来談者中心療法(いわゆるカウンセリング)、などがあります。ゲシュタルトではグループワークも多いですね。来談者中心療法もエンカウンターグループなど、グループで行われることもけっこうあります。自分の内面を知りたい人向けですかね。
トレーニング的なやり方では、行動療法、戦略的アプローチ、システムアプローチ、MRI、エリクソンアプローチ、論理療法、認知療法、などがあります。自分でなんとかしたいという人向きでしょうか。
家族や子供の相談では、家族療法、システムズアプローチ、子供には、プレイセラピー、絵画療法、箱庭療法などがいいでしょう。

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選ぶ時の注意点

病院の場合、薬漬けは恐いですね。好きな人は別ですが、入院してもう何もわからないほど薬を使われると、本人はもうどうしようもないでしょう。必要な場合もあるのでしょうが、やっぱり恐いです。もくもくと、話しも聞かないで薬を出しつづけられるのも恐いですね。いろいろと評判を聞いてみるのがいいと思います。

療法のほうでは、伝統的な分析の場合、クライエントの自我が強く、分析者がしっかりしていないと、その関係のなかに二人とも取りこまれてしまって、変なことになります。もともと、独特の関係を築くことが分析の目的なのですが、迷路のなかに迷いこんで、何をしているのか、もともとの目的はなんだったのかわからなくなったりします。よほど、分析者の力量がすぐれていないと、一般的には難しいものです。
そもそも、分析にはいったん火をつけてからそれを消すといったようなところがあるので、好きな人なら別ですが、長くどうどう巡りをしていく覚悟が必要です。

特に催眠を売り物にしている所に多いのが、みょうに自信たっぷりな人、何でも治してやるなんて意気込んでたりします。威光暗示という、権威を利用した誘導法もあって、それだけで悪いとはいえないのですが、言葉で安請け合いされたり、ちょっと疑うと怒り出したり、冷たくなったりというのはどうもいただけません。
心理療法のことはあまり知らないで、ただ誘導して都合のいい暗示を繰り返すだけ、というのでは危険な場合さえあります。ひどいところでは、イスに座らされて前かがみの苦しい状態で、そのまま放っておかれたなんて笑えない話しもありました。

料金は、だいたい1回行くごとに1万円前後と思って下さい。5,000円位の所や12,000円、15,000円位の所もあるでしょう。まとめて払う所や、毎回払う所もあるでしょうが、あまり高い所やあまりに安いところは注意して下さい。
たとえば、大人数で1人1,000円とか、いくら安くても目がとどかないし、1回で治すから10万円とか、3回で15万円や20万円なんてちょっと高すぎますね。また、治らなかったら返すなんていうのも怪しいです。弁護士でも成功報酬というのは聞いたことがあるのですが、失敗返却なんて聞いたことがないです。

指導料以外に、いろいろお金を要求したり、品物を買うよう要求する所は避けましょう。

しきりと過去の成功を自慢したり、学歴や資格を吹聴する所も要注意です。

どんなに立派なセラピストだと評判の人でも、あなたが合わないと感じたらやめたほうがいいでしょう。どんなセラピストでも、万能はありえません。

受けていて、途中で他に変わることについて、言葉や態度で反対したり、嫌な顔をしたり、怒ったり冷たくなったり、突き放したりするような所は避けましょう。すでにあなたを取りこもうとしているか、自信がないのか、尊敬や感謝をされたい気持ちが強く、それをコントロールできてない可能性があります。

薬を毛嫌いしたり、医療ではダメだといったりするセラピスト(カウンセラー、臨床心理士、心理カウンセラーといった人達)、または、心理療法を毛嫌いする医者などは、避けるようにしましょう。
偏見は誰にでもありますが、それはともかくとして、偏見は判断力を鈍らせ、柔軟性を欠いてしまうものです。セラピストや医者たるもの、専門家としてクライエント(相談者、または患者)の利益のために、必要なものや新しい研究に心開いているべきでしょう。

担当のセラピストがコロコロ変わって、先に進んでいかない所は避けましょう。責任を持ってやってもらえないし、同じ説明を何回も繰り返さなければならなくなります。

自殺の危険や、突発的に何かしそうな時は、病院の治療を受けておいた方がいいでしょう。セラピーだけでは、緊急の時、対応が取れないかもしれません。

グループセラピーやエンカウンターグループでもないのに、1対1で会ってくれないで、掛け持ちでやったりする所は避けましょう(説明会ならまだ理解もできますが)。特に、事前に断りのなかった時は、行くのをやめておいた方がぶなんです。

こちらの質問にちゃんと答えてくれなかったり、怒り出したり、突き放したりするところは避けましょう。それは、最低限のことですから、それさえできないところでは、どんなに優れたセラピストであったとしても、必ず何かの不都合が起きるでしょう。

異性のセラピストで、何かの理由で外で会うことを要求したり、セラピー中に何か性的な振る舞いや接触をもってくる時は、注意が必要です。
1対1の密室であることが多いし、性的な要素が取り上げられることも多いのですが、必要なものの場合はそれと分かるはずです。
どうも変だと感じる時は、避けたほうがぶなんです。

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異性のセラピスト(カウンセラー)を好きになったら

デートしたくなったら、そのことをセラピストに伝えてそれについて話し合ってみるのも、問題解決の役に立つかもしれません。軽い、意識できないほどの恋愛感情を持つことはよくあることですが、好きになってしまうというのは、やはり特別の事情がありそうです。
分析だったら、転移とかなんとか言われて、そこのところを突っ込んでいかれるかもしれませんが、新しい進展があるかも知れません。期待しましょう。
しかし、普通は問題解決して、3〜6か月くらいして、実生活の中での自分を感じてみて、それでもどうしてもというのならセラピストに話してみるのもいいかもしれません。もちろん、OKが出るかどうかはわかりませんが。
でも、セラピーを受けている時は、たいてい催眠状態にいますから、しっかり目覚めてから思いなおしたほうが・・・・、あっ、でも恋ってもともと催眠状態のことか。うーん、まあ、少しもとの生活に戻ってみて、調子よくなった自分を味わってみて、落ち着いてからにしてはどうでしょうか?




グループセラピーについて

セミナーもありますが、セミナーは一応心身ともにトラブルのない人が、能力開発的な目的でやるものとしておきます。調子の悪い時や何かのトラブルを感じている時はさけた方がいいでしょう。
たいてい、大人数で少々強制的な所があるので、1人1人に目がとどかないし、精神的に追い詰められたりする時があります。すごく調子のよい時にしましょう。

ここでいうグループセラピーというのは、来談者中心療法(クライエントセンタードセラピー)から出たエンカウンターグループや、ゲシュタルト療法のグループワーク、その他同じようなトラブルを抱えた人達で相互に助け合う自助グループのようなものを指しています。
そういったグループを選ぶ時は、人数はだいたい指導者1人につき5から10人程度のもので、雰囲気が自分に合っていて、話される内容に違和感がなく、自由さと規定されている部分のバランスのよいところがいいでしょう。
グループでは、お互いに支え合い、胸のうちを語り合うことで、癒されたり自己洞察することが目的です。個別の問題をセラピーすることが目的ではありません。自分だけの問題を扱いたい時、ほかの人がいることで余計につかれてしまう時は避けましょう。

グループで気を付けたいのは、心理的に抜けにくくなる時があることです。人間にとって集団は強力な引力を持っています。抜けた後罪悪感を感じたり、不安になったりしないために、気軽にリーダーに相談できる雰囲気が必要です。やたらに引きとめるような所は危ないです。
また、基本的にグループのメンバーとは、グループとして会いリーダーを含んだ活動をすること、個別に外で2人であったりはしないほうがいいでしょう。個別な付き合いになってしまうと、グループの雰囲気を変えてしまったり、別なトラブルを持ち込むことになったりしてしまいます。それに、そこまではリーダーの力も及ばなくなってしまいます。 グループでやるかどうかは、この辺の特徴をふまえて考えて下さい。




本当に治るかどうか

質問も来たので、このことに一応触れておきます。
治るということについては、また別の部屋で話していきたいと思っています。ここでは、ごく簡単に話しておきます。
まず、治るというのをどう考えるかというのを無視して、「よくなります」と答えられるでしょう。
たとえば、心理的なものからくる症状(頭痛とかチック、緊張やあがりとかいったもの)は、消えて行くでしょう。少なくとも気にならなくなって、やがてはなくなっていくでしょう。 そういう意味では、確かによくなるといえるのですが、心理的な症状や相談には、もっと不確かなものもたくさんあります。
不安の場合はどうでしょう。すっかり不安の無い状態を、治ったとイメージする人もいるでしょうが、まったく不安が無いというのもある意味では病的です。ではどのくらい不安があるのがいいのか、といわれてもそれを規定するのは、現代の心理学ではむりがあります。一応、テストで計ることはできますが、ある一面の状態を示すに過ぎません。
そういった意味で、心理的な相談では、客観的によくなったかどうか判定することができないものが多いのです。
たとえば、薬が効いたかどうかとか、医者が診て治ったとか判断できるような、わかりやすさが無い事が多いのです。

そこで、あなたの判断による所が多くなります。あなたがよくなったと思えばよくなったのだし、そう思えなければまだだということです。この辺がうさんくさいですよね。結局何も変わらないんじゃないか、とくに一度受けにいった所で何も変わらなかったという経験を持っている人は、心理療法に対して特にそういった感じを持っているのではないでしょうか。スカッとよくなる人もいるのですが、逆にそういう人はころっとやっぱりだめです、という感じになりやすかったりして、なかなかスカッとはうまく行かないものです。
信じていいのは、病院の治療と同じくらいには効果のある別のやり方が存在するということです。ある所でよくならなくても、前に言ったように自分に合った所を見つけられれば、必ずいい感じをつかめて行くでしょうし、かりに見つけられなくても、自分の症状とどこかで折り合いがつけば、時間とともによくなって行くこともあります。
とりあえずはこのくらいにしておきましょう。

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良くなったらもう悪くなることはないのか

これも良くある質問なのですが、まず、なにを悪いとしてなにを良いとするかです。 私が高校生だった時の話しをしましょう。少々、人間関係というか、人間関係のなかでの自分のありようというか、そういうものにぎこちなさや不満を感じていた私は、もう少し自分を出すように、たとえ相手が不愉快な思いをしてもまず自分というものを外に出す、というように心がけてた時期があります。やがて、少しずつ自分というものが感じられるような気がしてきて、自分ではうれしくなって来た時のことです。
「最近、お前変わったよな。」
といわれたのです。内心少しうれしかったのです。まあ、効果があったというか、自分の思いどうりの自分になれたのかなと。
しかし、その次の言葉にショックを受けたのです。
「今の方がはっきりしてるけど、俺は前のおまえの方が好きだな。」
はてさて、私は良くなったのか悪くなったのか。
もしも、ここで「いや、俺は今のお前の方がいい。」というやつまで現れたらもっと問題は複雑になりますよね。
私はいったい、良くなったといえるのか悪くなったといえるのか。

ここで、質問に戻りましょう。もし、あなたの考える性格改善が成功して、あなたは良くなったと感じたとしましょう。しかし、受け方治り方でも話したけれど、本当に良くなるというのは、自分の本来の生活の中でそれを育てていかなければなりません。
セラピーを受けている時というのは、少し一般的な世界から次元がずれているものです。 元の自分の生活に戻って、そのいい感じを育てていく時、もし、あなたの心が、新しい自分では予期しなかった不都合があると感じた時、どうなるでしょう。
おそらく、心の選択は、新しくつかんだやり方を修正するか、いったん元に戻すでしょう。でもこの時、あなたは悪い意味でもとにもどった、また悪くなったと考えるべきなのでしょうか。
心は体などよりよっぽど複雑です。その体のことすらまだ1パーセントもわかっていないのです。まして、心のこととなったらまるっきりわかっていないと言ってもいいくらいです。やっと、スタートラインに立ったとこくらいでしょうか。その上、自分ともっとわからない他人との間に生じるのが人間関係なのです。わからない心と、もっとわからない心がぶつかるのですから、まるっきりわからないという訳です。
あなたが、悪くなったというとき、心のどんな知恵が働いているか想像すらできないのです。

ここではっきりいっておくと、良くなったらまた悪くなることはありません。
それが良くなるということだし、本当の意味で解決したということなのです。ただ、あなたがどういう状態をいい状態としているかが問題だという事です。
しかし、よくなったらもうそれで何の症状もおきなくなるか、というとそんな事はありません。
体が弱ってくると風邪をひくように、心が弱ってくると、何かの症状をもたらすでしょう。その症状は前の症状と似ているかもしれません。しかし、今回ひいた風邪の菌と、前の菌は別物です。
症状が二度とおきないように、心を鍛えて強くしようとする人がいます。もしそれに成功したら、風邪一つひかなかった人が、あるちょっとした病気でドット倒れるように、ある日突然死にたくなるかもしれません。
何の症状も不安もおきなくなるというのは、強くなったのではなく鈍感になったのです。
私のおすすめは、「敏感であれ、しなやかであれ」です。




ダイエットに催眠は効くか

イエスでありノーでもあります。
まず、ノーからいうと、催眠状態で自分をなくして、強制的に食べなくなるよう暗示を入れてもらおうと考えている人がいますが、ダイエットをはじめるきっかけくらいにしかならないでしょうし、成功しません。
イエスでいうと、もっと複雑で厄介です。
ダイエットを考えてうまくいかなかったり、リバウンドを繰り返すような人は、自分の中が両極端になっています。つまり、二重人格的になっているというわけです。よく聞くのは、食べている時は、ほとんど無遊状態で、はっと目覚めると今度は吐くというものです。この時、ダイエットしようという自分と、食べたいという自分がお互いに独自に働いている、分離しているわけです。
食べたい自分が勝つと肥満、ダイエットする自分が勝つと拒食症ということになりかねません。また、自堕落と修行僧の間を揺らいでもいます。とにかくいろんな意味で、2人の自分にわかれてしまって振りまわされているわけです。これを、催眠を使って、1人の自分にしていく、その時、どちらかを切り捨てるのではなく(切るとどこかで反撃を食らいます)両方の自分を統合していくわけです。
それからまた、体の感覚を失っていることが多いようです。分離してれば当然ですが、満腹感がなかったり、空腹感がなかたり、食べたいとかやせたいという思いしかなくなっている。ここにも通路を開いてやる必要があります。催眠は、体と心を統合する働きを持っているからです。
それから、性格(行動パターン)の修正も必要でしょう。どうも自信がないと言うか、自分の行動を自分で決定できないというか、そういう傾向が前からあったはずです。自分で何とかするより、何かの力を借りてうまくいくようにしようとするというのじゃ、さいしょっからまけですからね。
それに、(まだあるのかという声が聞こえてきそうですが)自分の性を受け入れられていないこともあるようです。さっきの、自堕落と修行僧は、性的な意味でもいえるのです。
そのほかにも個別にいろいろあるでしょう。
そういったわけで、私の意見では、ダイエットは成功しないといえるでしょう。
上のようなことをちゃんとやろうと思って、催眠療法を受けに行くぐらいの人なら、おそらくダイエットは必要ないはずです。そもそも、極端なダイエットが成功するはずがない、だって死んでしまいますからね。
必要に応じて、食べたり食べなかったり、食べるものを調節したりというのは、もともと健康管理であって、一生続けるべきものです。一時的に、極端にやせるためのダイエットは、残念ながら成功しません。リバウンドを覚悟して、ほんのいっときやせたいと思うのなら、なにか方法もあるでしょう。そうでないなら、医療を受けつつ、心理療法でストレスのコントロールや、性格の改善を地道にはかっていくしかありません。
白馬に乗った王子様を見つけるより難しいことをやるより、自分の中を統合して、自信とやる気を取り戻せば、無茶食いは必要なくなっていくでしょうし、健康的なスポーツを続けることもできるでしょう。
でも、ダイエットでとにかくやせたいと思ってる人は、これを聞いてもやめるどころか、腹を立てて無茶食いを始めるかもしれませんね。このへんで止めておきます。
はっきりいって、これで痩せられるとか甘い言葉のものが一杯ありますが、すすめている本人はたいてい心の中で、『こんなもんでやせられるか、よくやる気になるな』と思っているはずです。
いいカモにされてますよ、知ってるかもしれないけど。

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心理療法やカウンセリングは話しを聞くだけなのか

もちろんその通りです。
余計なことを言ったりやったりするのは、へぼだと思って下さい。
指示的な療法では、症状を切り抜けるための指示を出し、行動と経験から症状をなくす道を探ります。認知のしかたを変えるといった方がいいでしょうか。 しかし、カウンセリング(来談者中心療法やカウンセリング中心の療法)では、基本的に話しを聞くだけです。
話しを聞くだけでよくなるのかと思う人もいるでしょう。しかし、通常どうしようかと考えている時は、考えているようで考えていません。ただ、同じ事を思い巡らせて、どうどう巡りをしているだけです。ところが、今頭や心にあることを聞いてもらう、大事な所に焦点を当てて聞いてもらうと、そこのところの自分の気持ちに言葉を与えて、なんとか表現しなければならなくなります。
自分の今の気持ちと、おかれている状況をチャンと言葉にできた時、人は初めて考えることかできます。そして、考えがまえに進んでいき、自分の中に解決策や洞察が生まれます。だから、性根を入れてドシンと聞いてもらう必要があるのです。(体験者は語るですから嘘ではありません。)
自己内対話のちゃんとできる人なら、自分だけでけっこうそれがやれます。屋根の上のバイオリン弾きで、父親が娘の連れてきた男が気に入らなくて、屋根の上で自己内対話する場面がありましたが、見事です。ユダヤ人の強みは、この強力な自己内対話と無縁ではないでしょう。
でも、これにはかなり訓練というか、その人の性格もあって、皆がうまくやれるわけではありません。カウンセラーという鏡に自分を写して(自分の気持ちをを言葉にできて)はじめて、自分の容姿を修正(考えや行動の修正)ができるのです。
だから、カウンセラーは、聞くだけでいいし、チャンと聞ける必要があります。くもりのないクリアーなそれでいて、温かみのある鏡である必要があるのです。
自分で、何かやりたかったり、何かやってほしい時は、指示的な療法や行動療法、催眠療法を選ぶといいでしょう。




ある所で「言われた事をちゃんとやらないとよくならないと」言われた

これはセラピストからしたら、言いたくなるでしょうね。治りたいといいながら、何もやらない。また、いろんな理由を並べ立てて、結局できませんでしたといわれると、いったい本当によくなりたいのかと思ってしまうのです。
それに、いろんな理由から、セラピストもクライエントに負けないくらい、早く成果を出したいと思ってしまうものです。また時には、なかなか成果のでないことにじれたクライエントに、責められてあせってしまうこともあります。そこで、自分を守るために、ついクライエントのせいにしたくなるのです。

しかし、本当は、その何もできないというそこにこそ大事なものがあります。
クライエントは、本当によくなりたいのです。間違いなくそうなのです。よくなりたくないのに、誰がお金と時間を使って自分の恥ずかしいと思ってることをわざわざ話しにきたりするでしょうか。
ところが、神経症というのは、よくなろうとする、それもとんでもなくよくなろうとする状態なのです。
実は、そこにブレーキが働いて、もう少しいいかげんでそれゆえ健康的な方に、その人を戻そうとする力が働くのですが、神経症の人はそれに逆らってがんばって症状を作り出している所があるのです。
したがって、よくなりたいけど何故か言われた事をやる力が出てこない、ということが起こったりします。
しかし、違った見方をすると、今症状だと思っていることの中に、クライエント自身も気づいていない大事なものがあったりします。心の働きというものは、10のうちたった1つでも必要だと感じるものがあれば、残りの9つが苦痛でも手放さない所があります。
その他、いろんな角度から、そのできないやれないということを見ていくと、そこにこそ解決の糸口があるということがあります。
未熟なセラピストや、クライエントに合わせないで、自分のやり方にクライエントを合わさせようとするセラピストは、その肝心の所で、抵抗だなどといって腹を立てたり、暗にクライエントをせめたりしてしまうのです。
そういう所にあたってしまったら、運が悪かったと思って別の所を探すか、そのセラピストの成長のためにもう少し付き合ってあげるか・・・ですね。




その他、いろいろ質問などありましたら、駆け込み訴えか、サロン、メールなどでどうぞ。
内容によっては、この部屋で答えていきたいと思ってます。

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