白鳥農場便り(2)
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2003年12月1日

 紅葉も終わり木々の葉もさびしく、わずかに残っている程度で、いつ雪が降ってもおかしくない時期になりました。11月下旬には珍しく雨の日々が続き大雨の日もあり、南太平洋には台風が発生したりと、異常気象はいつくるか、本当にわかりません。

 米の価格も不作ということで、大手卸などの思惑もあり回を重ねるごとに市場価格は上がっていることに、びっくりしています。市場には買人のいろいろな見方があり、変動のあるのは常ですが、15年産には特にあるようです。
2003年10月15日

 9月27日からコンバイン狩りを平年より約半月遅れて始まり、期間中好天に恵まれたことや、収穫量が少なかったこともあり、予定より一週間も早く10月14日に無事終了しました。

 収穫量は冷害の影響を受けて悪く、私の場合30%ぐらいは下回るようです。地域内には90%ぐらい下回る収穫率皆無に近い方も多くあり、個々のバラツキがあります。そんな中でも、我が農場の場合は、栽培管理に万全をつくしたこともあり、地域の中では良い方ではないかと思っております。

 食味については、平年と比べて少し固めになっているようでございますので、水の量や水漬け時間はこれまでより多めにした方がよいかと思われます。が好みによって調整していただきたいと思います。

 生育が遅れてしまっているほど冷害の影響は少ないようなので収穫が遅く、これから刈り取りするものほど、食味は良い物が出来てくると思いますので、期待していただきたいと思っています。
2003年9月15日

 東北地方の太平洋側を中心として7月から現在(9/13)まで低温や日照不足が続きました。農政局発表の作況でも「著しい不良」といわれ十年ぶりの不作はほぼまちがいないでしょう。

 それにおいうちをかけるように、一番恐い病気である「イモチ病」が出穂の早かった水田ほど大発生しております。幸い我が家の水田においては栽培管理に万全をつくしたためか、不稔やイモチ病は他の人々の水田とくらべると微減でほっとしています。

 今年の稲刈りは10月1日頃からスタートしようかと考えております。その準備等で乾燥調節施設やコンバインの整備にこれから取りかかろうとしています。農業実践大学校の研修生も昨年に引き続き受け入れ、9月8日から約二ヶ月間、我が家で生活を共にすることになります。
2003年8月1日

7月に入って低温、長雨が続いている中、それを追い打ちをかけるように宮城県北部を震源とした地震に見舞われました。その後余震もときどきあり大変びっくりしているところであります。我家では大きな被害もなくほっとしているところです。

 しかし7月に入ってからイネの一番大切な時期の「穂ばらみ期」の低温・日照不足の影響は大きく、対策として深水管理といってイネの株もとを水で保温してやることしかできません。最低気温が17度を下回ると被害が出ると言われている中、15度の日も数日有り、冷害は確実であります。「ひとめぼれ」は冷害に強い品種と言われていますが、どの程度減収になるのか予想がつきません。農業は気象条件80%。人間の出来る管理20%といわれています。
2003年7月1日

 6月12日から梅雨入りし、ぐずついた日々が続いておりますが、幸い当地は今のところ気温がまだ低いので蒸し暑いことはなく、過ごしやすい状況です。

 今の作業は中干しといって、これまでは水を落とし、土を引きしめ上根をはらせ稲株が風雨でぐらつかないようにします。葉色が緑色から黄緑っぽくなり、肥料切れしてきたところは追肥をやり、収穫まで栄養が持ちこたえられるようにしています。あまりやりすぎると、虫や病気の発生の原因にもなるので注意しなくてばなりません。
2003年6月15日 

 田植えに引き続き、転作田の大豆播く種とゆっくりするヒマもない作業でしたが、5月から6月にかけて雨がたいへん少なく順調に作業がはかどりました。

 6月12日に平年並みに梅雨入りし、これからぐずついた日々が続くと思うとゆううつになります。事務所の脇にちょっとした花壇がありましてバラの木が7本あります。今が最盛期で大輪など色とりどり咲いており、毎日それを眺めては心なごませています。

 稲の生育も順調に経過しております。現在の作業は除草剤がうまく効かなかった所などは、手取り除草していますが、これまたかかみぱっなしなので腰が痛くて大変です。畦の草刈りは栽培期間中の合間のこととなり、肩に小型エンジンつけて作業します。雨が長く続くときは農機具の手入れをしています。
2003年5月15日  田植え無事完了

 田植え作業も三日より始まりました。今年から息子も就農二年目ということで田植え機械のオペレーターはほとんどまかせる事が出来、仕事の効率も良くなりました。

 期間中天気で雨も少なく大風もなかったため順調にはかどり5月14日に完了しその夜は家族とお手伝いをしていただいた方でささやかな宴をいたしました。無事完了したことを祝いました。
2003年5月1日  

 桜も一部の遅咲きの花が咲いている程度で皆散ってしまい、それに変わって草木の若葉が芽を吹き始め気持ちの良い空気を感じています。
 
田植え準備の代掻きも最盛期で軽トラックに乗って水の状態を調整したり、トラクターに乗りっぱなしで、せわしく田圃を駆け回っています。田植えは平年並みに5月4日から始めようと思っており、これからの二週間5月20日頃までに決まればいいなと考えております。

 今年の作付け面積は近所の方等から耕作をたのまれて昨年より約2,5ha(約200俵)多くなっております。家庭の事情により耕作が出来なくなり、年々微増ではありますが規模が大きくなっております。後継者が昨年からいますので、特に今年からの減反での転作ということで大豆栽培6ha行うことにしました。田植えが決まると、ただちに大豆栽培の作業に入らなければならないので、ゆっくりとしているひまはなくなりました。
2003年4月15日  春作業本番

 こちらでは、桜がやっと咲き始めたところです。水田作業もぬかることなく楽に出来るし、花の咲いている日数も長引くので期間中大きな天候のくずれがなければと願います。
 
 三月中旬に育苗用の床土、種子の準備が始まり、4月2日には昨年同様、一回目の播種を始め3日に一度ずつ(1000箱)二週間で5000箱(10aに25箱)が完了し、ひと安心しているところです。その合間には排水路や畦の整備、堆肥や肥料の散布を行います。今年の作付け面積は近所の方からたのまれて昨年より2ha(約160俵)多くなっております。家庭の事情等により耕作が出来なくなり、年々微増ではありますが増えている状況です。

 後継者が昨年からいますので、特に今年から減反田での転作ということで大豆栽培を6a行うことにしました。 
2003年3月1日

 三月も中旬になるとだいぶ暖かくなってきました。空気が乾燥してきているので山々も雪とうまく調和して、たいへんきれいなパノラマになっております。

 田や畑の畦など気をつけてみると、日当たりの良い、あたたかい所には「ふきのとう」など春をつげる植物や虫の活動がみうけられるようになりました。

 農作業としては種子の準備として粒張りの良い物だけを選び、農薬を使わない種子消毒として60度の温湯に10分間浸けその後すぐ冷却する作業をしています。そうすることで2成文の農薬を使うことなくすませることができます。
2003年2月1日

 新年になって早や一ヶ月が過ぎ去りました。天候は上中旬、雪もほとんど降ることが無く大変過ごしやすかったですが、下旬になって雪も降り荒れた日が数日続きました。通行止めになり国道四号線が渋滞して大変です。

 息子は学生のころからスノーボードに夢中になっており、暇さえあれば各地のスキー場にいって練習しており今月には、北海道や山形の大会に出ると張り切っています。が、大きなケガがしないようにと願っております。

今の時期は昨年の栽培法を参考にして今年の栽培計画をたてるために仲間たちといろいろ検討して肥料や農薬をどのように使用するか討議などしております。

 今回お届けした「ひとめぼれ」の中に小豆のような黒い雑草の種子の入っている物がありますが、これは「クサムネ」という水田の雑草で手をやいています。私の栽培は除草剤一回だけなので、出ってしまうのですが、強い除草剤を回数多く使用すれば押さえられます。雑草を見つけたときは本田に入って取るようにしているのですが、取り残しがあり今回入ってしまいました。

 食べても害はありませんが、白米の中に黒く目立つので困っています。どうか、ご理解ください。
2003年1月1日 

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年を振り返ってと長男の卒業と就農、長女の卒業と就職で、春には引っ越しなどで大変あわただしかったですが、農作業の面では長男が一年目で教えながらすることは大変でしたが、労力は余裕を持って作業をこなすことができました。
2002年12月1日 

 今年の作業もほとんど終わりを迎えております。
見事にこうべを垂れた稲の刈り取りが終わり、田圃の風景もすっかりさみしくなってしまいました。転作田を利用した大豆の収穫は今が最盛期を迎えております。収穫を終えた水田には渡り鳥の白鳥や雁が飛来してきて、なにかしらのエサをついばんでいます。時々、雪も降るようになり、白く色づいた山々が心を澄ませてくれます。

 東北農政局長が11月14日に農家の現地視察と直接の声聞きたいということで、我が家を来訪されました。町内の稲作農家4人と今後の農政への要望など短い時間ではありましたが、対談いたしました。
2002年11月1日  収穫(コンバイン刈り)無事完了

 今年は収穫前から雨が大変少なく大きな倒伏もなく水田も乾いており、ほとんど水田も乾いており、ぬかるみもなく専従者(息子)が一人と研修生が一人、昨年より労力が増えたこと。ライスセンター施設を増設したこともあって作業は順調に進みました。

 研修生も10月までの約二ヶ月間事故もなく無事に終了し、受け入れ農家としてもほっとしているところです。
2002年10月1日  収穫の秋到来

 今年も順調に育ち、収穫を向かえる時期が来ました。コンバイン刈りは9月18日から始めております。

 収穫量は平年並みくらいですが、品質的には上々にできあがっているのでほっとしているところです。ただカメ虫という害虫の被害が若干出っており、白米にしたとき黒い斑点が目につくことがありますが、食べてもだいじょうぶなので安心してください。

 これから刈り取りも終盤に入ろうとしており、天気が良くてトラブルさえなければ後一週間くらいで終わる予定です。9月上旬より10月一杯までの約二ヶ月間、宮城県農業実践大学校から一年生(19歳)が泊まり込んでおり、いろいろ教えるのは大変ですが、たいへんいそがしい時期なのでなにかと助かっている所も多くあります。長男(後継者一年生)も若い相手がいることで張り合いを持って兄貴分として頑張っているようです。良い学習体験が出来るよう指導してやりたいと思っています。
2002年9月1日

 今年は早くから台風が発生して、日本に時々上陸したりして被害をもたらしております。台風が接近してくると収穫を目前として、稲の倒伏や冠水の被害が出ると品質が悪くなるので心配でなりません。

 稲の生育も順調で、このままいけば9月20日頃から刈り取りができると思います。9月1日は町民運動会が行われます。人口8000人の小さな町ですが、その中に16地区の行政区があり、対抗戦を行います。家族総参加
でします。私も地区の副館長をやっている関係で、選手の選考や依頼や慰労会の準備など大変なものがあります。昨年は準優勝だったので、今年はよい成績であればと願っています。

 8月20日から29日まで町内の認定農業者10名でアメリカのカルフォルニァ州を中心とした農業視察をしてまいりました。「百件は一見にしかず」思っている以上感動してまいりました。稲作、果樹、野菜等全てにおいて一戸当たりの栽培規模が日本よりはるかに大きく、単位当りの収穫量も多く、品質も程々のものを生産していること。流通管理なども野菜などは冷却が収穫したその日のうちに瞬時に行い、鮮度を保つための手法は素晴らしいものがありました。

 米についても「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」「ササニシキ」は栽培されており、輸出努力には驚きました。品質についてはモミの収穫方法が乾燥しすぎている状態で行われるほど、日本の米とは少し食味で差がありますが、価格は安く驚異を感じてきました。

 これから農業で生き残るための参考として良い刺激を受けてまいりました。
2002年8月15日

 今年は早くから台風が発生し各地に大きな被害が出っており、私のところでは一部水をかぶったところもありましたが、近くの河川では堤防が切れて水田が一面沼のようになったところもありました。

 梅雨も平年並みに7月20日に明け、その後好天が続いており、稲には好条件になっており、順調に生育いたしております。そして今は稲が開花(出穂)を無事に終わったところでほっとしています。後は収穫まで、畦の草刈りや水管理で最後の仕上げに入りますが、大きな台風などがきて病気や倒伏などしないことを祈るばかりです。

 7月26日〜28日までは江戸川区の中学二年生が我が町で農家民泊していました。始めてから11年になります。我が家でも毎年受け入れており、今年は4名の中学生の男子生徒でした。ジャガイモの収穫、トラクターの運転、ホタル見学、渓流での泳ぎなど経験し感動し、あっという間の三日間を過ごして帰っていきました。

 8月4日には地区の神社のお祭りがあり、私は地区公民館の副をしている関係でその準備・運営にたいへんでした。8月20日からアメリカへ農業視察へ10日間行ってきます。
2002年7月15日

 梅雨本番という状況で今年は早くから数多く台風が発生し、7月11日早朝の台風では雨台風ということで、私も就農してから25年なりますが、二番目に被害をもたらしたものでした。

 私の所では、一部の水田の稲が一日中水をかぶっただけで大きな被害はありませんでしたが、近くの河川では堤防が切れて、水田一面が沼の所のようになったところもありました。これから収穫時期を前にして、強い台風が上陸しないことを願っています。

 稲の管理は畦の草刈りを中心に20日頃からは実りを良くするための肥料の追肥を計画しています。 
2002年7月1日

6月9日より梅雨入りし「ヤマセ」の影響もあって曇天で肌寒い日が続いております。稲も順調に生育しています。現在の作業は中干しといって一度田圃の水を落水して、うね間に排水を良くして土を固くするための溝を数本作ることをしています。

また、雑草が多く発生しているところもあり、手取り除草を行なっており、これまた、かかみっぱなしのところもあり腰が大変痛くなり、つらい作業です。
2002年6月15日

 田植えが終わって早や一ヶ月が過ぎました。

 天候も六月九日までは、雨がほとんど降らず好天気でしたが、それ以降は梅雨入りし曇天で肌寒い日が続いております。無農薬栽培田では昨年の雑草対策で大変苦労致しましたので、その後いろいろ勉強致しまして、その成果が良くて、私もびっくりするほど草が少ないので驚いております。でも、ひととおりは田圃に入って手取り除草はしなければならないと思っております。

 稲の管理の合間には昨年暮れより工事を始めている乾燥調整施設の秋からの本格的稼働にむけて、最終仕上げを行っているところです。七月いっぱいまでには完了させたいと思っています。
2002年5月15日  田植え無事完了

 四月から好天続きで、苗の生育もこれまでもなくよく育ち、本田作業も順調に進み田植えは昨年より少し早く五月2日より始まりました。期間中の天候も大変よく、労働力(息子)が一人増えた分作業もはかどって、13日に無事完了し、ほっとしているところです。

 今年のこれまでと違った栽培方法は肥料の使用料の90%くらいを有機質の米ぬかと大豆、なたね粕を使用し化学肥料を極力少なくしたやり方にしました。

 そうすることによって、微生物の発生が多くなり、土の活性化につながり稲の生育にも良くなってくるからです。
2002年4月1日 長男後継者として就農

 3月20日に帰宅し、翌日より早々に農作業に従事いたしております。百姓一年生なので、いろいろ教えていかなければならないので、一年間は息子も大変ですが、私も指導の面で気をつかうところがあります。

 長女も今春短大を卒業しまして四月より町の幼稚園に勤めることになりましてほっとしております。食事時はこれまでは二人増えたのでいろいろと話題あり、にぎやかになっております。

 桜の開花もこれまでにないくらい北上している中、稲の種まきを2日から始めようと育苗準備を家族一丸となって進めており、合間をみて本田の畦塗り作業などもしております。 
2002年3月1日

 今年になってからの天候は雪も大変少なく暖かく、三月に入りました。季節は一ヶ月も早い4月を向かえたような感じがします。

 畜産農家では牛の狂牛病問題で生産者は肉価格が大変安く、苦しい状況です。また、雪印を始めとした偽装品の販売等でさらに追い討ちをかけられています。何にでも良い品には偽物が出て来るは社会の常であり、八年前には「ひとめぼれ」の偽物騒動もマスコミに全国的に報じられ、それ以後爆発的な人気銘柄になった経過もありました。

 現在、国内産米の品種については遺伝子鑑定によってほとんどのものが判定できる状況にあります。私が作っている米については皆様の信頼を絶対にうらぎらない、たしかな品をお届けしていますのでご安心ください。

 今月は長男と長女の大学卒業ということで、卒業式やらアパートの引っ越し等が入り、農作業も忙しくなって来る時期なのであわただしい月になりそうです。長男は農業を継いでもらうことで、親としてはさらに力強く、経営に取り組んでいけるものと思っています。
2002年2月1日

 新年になってからの天候は雪も少なく、大雨がめずらしくも二回も降るといったこともあったり、気温も一月にしてはあまり寒くない、過ごしやすい日々であります。

 昨年11月より始まった作業場の工事も一月一杯でやっと完了しました。期間中特別な事故もなく、ホッとしているところです。

 振り返るとちょうど五年前にも作業場の増築をいたし、これで私が行っているうちは、これ以上大きくすることはないだろうと思っていましたが、あっという間に施設の拡大となってしまい、農業情勢の流れの速さに驚いており、その流れに乗っていくかというか、先を進んでいこうとすると、大変に気持ちの忙しさを感じているところであります。
2002年1月1日  

 祖母が亡くなり12月には100日ヶ日の法要もすませ、作業上の増築ということであわただしく12月も終わろうとしています。大工さんたちの職人さんたちが来ており一月一杯はかかりそうです。その後は自分たちでやるわけですが、夏までにかけて乾燥調整施設の充実をはかるためのいろいろなラインを完成させたいと思っています。

 近年、無洗米の流通がだいぶ多くなってまいりましたが、食味の点では洗米して食べるほうがおいしく食べられるデータが出っています。

 白い米は見栄はいいが、白度をあげるほどに「うま味」と栄養素を失います。近年の研究では糠にも「うまみ」があることがわかっています。

 油ののった食べ物はうまい!

 無洗米も選択肢ではありますが、むしろ少し糠臭のするくらいのアメ色のコメを食することもよいのではないでしょうか。