第2話 ああ,楽宮

ああ,楽宮2



あつい。

たまらなくあつい! うわぁー,ホントにたまらんぞぉ!!



ガバッとおきあがると,そこは楽宮の長谷川の部屋だった。

シャツとパンツが汗でぐしゃぐしゃだ・・

完全なる二日酔いだ。 全身に砂が詰まってるみたい。

朦朧としてたけど,昨日のことを思い出そうとする気力

ぐらいは残ってる。



え・・と。

きのう長谷川とフォンとでビアシンを飲みまくったんだ

よな。廊下でのんでたらここに住み着いてるおねえさん

たちも合流して・・いい加減酔っぱらってから,つまみ

が無くなって・・

近場の屋台にピーナッツとかヌアナムとかを買いに行っ

たっけ。そこから先は??

だーめだ。無駄な抵抗は止めよう。

少なくとも隣に女の子は寝てない。よかった〜・・かな?

(~_~;)



長谷川はどこにいるんだろ。

お〜い。

廊下に出てみた。

相変わらず暗い。

昼だってのに廊下の向こうがわがみえねえや。

あいつがどこにいるのかなんて,ホントはどうでも良い。

とにかくこの暑さを何とかしないとホント死にそうだ。



部屋には簡単なトイレがあるがシャワーは付いてない。

ということはどこかに共同のホングナームがあるはずだ・・

長い廊下をぺたぺたと歩いていく。

真ん中辺りにありました!

コンクリートで作った大きなバスタブという雰囲気のホ

ングナーム。水がたまってる。

手おけがある。これに間違いなかろう。

水垢がたまりすぎてこけがついてるけど,気にしない,

気にしない。

汗を流せればとにかくなんでも良い〜



バシャーン

あああっつめてー!! 気持ちいいよう。



「伊藤さん,おはよ〜」



・・・・あらま,おはよう。

    いったいどこにいっちゃってたの?



「いや,フォンの部屋に・・」



・・・・なるほど,なるほど。

    で,彼女はまだ寝てるの?



「仕事に行ったよ」



仕事って?・・と喉まで出かけてやめた。

ココに住んでるおねえさんの雰囲気からいってどんな仕

事かはまるわかり。聞くだけしらじらしいや。


(第2話 終わり)

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