「ワカケホンセイインコです。こんな姿をしています。ぬいぐるみのワカケホンセイインコもあります。原産地はインドです。1960年代に日本に初めて輸入され、雛のうちは結構かわいいのですが、大人になると声が汚く、性格もどう猛なので、ペットになりそうもないと判断して、輸入業者が放したという噂があります。それが自然に繁殖したようです。」
「飛び方も、なんか、スキがないというか、陰険な感じですね。」
「連中はねぐらに集まって寝ます。朝になるとねぐらから出て、数羽から数十羽の群で、餌を探します。完全に植物性のものを食べるようです。東京都内では東京工業大とか、洗足池が有名で、それぞれに600羽くらいいるらしいです。」
「へエー、そうなんだ。ほかにはどんな所で目撃されているんですか?」
「東大構内でしょ、それから、新宿御苑や、石神井公園とか光が丘公園、白金の自然教育園など、さらに明治神宮や元代々木の八幡神社などでも目撃情報があります。埼玉県の和光市にある理研の上空を通過したのも目撃されています。沖縄にもいるらしいです。」
「いつの間にそんなに増えたんでしょう。」
「ハトはカラスに襲われて食べられたり、オオタカに襲われたり、ノスリに襲われたりするので、そう激しくは増えません。しかし、あれだけ、どう猛な性格をしていて、用心深ければ、カラスに襲われる恐れもないので、食料が充分あって、季候も合えば増えるでしょうね。」
「この近くにインコのねぐらはありますか?」
「あります。それは高輪の東禅寺です。ステレオ写真はこれです。このお寺の裏手に墓地がありますが、そこの一番高い木がそうです。ここには大名墓地もあり、桜もきれいなので、花見時にインコの宿入りを見物するのも、いいでしょう。宿になっている木の近くに数羽から10羽くらいの群が止まり、しばらく監視して、大丈夫だとなったらねぐらに突進するように飛び込んでいくのが見られるでしょう。」
「東禅寺って、アンパンを考えだした木村安兵衛夫妻の銅像のある寺じゃなかったですか?」
「あれは浅草の東禅寺です。こっちは、イギリス公使の宿舎になっていて、1861年、つまり万延2年に、浪士ら14人が襲撃した(弟一次襲撃)方です。」
「前回、御殿山にイギリス公使館があるという話がありましたね。高輪と御殿山って近いですものね。」
「ほかにも外国の鳥が野生化したのっていますか?」
「います。そういう鳥のことを、移入鳥といいます。ここに主な移入鳥類のリストがありますが、日本の上空をモモイロペリカンが飛んでいる可能性もゼロではないようです。」
「結構ありますよ。例えば、同じ種同志では繁殖期に雄が縄張り争いをすることがあります。ウグイスのさえずりなどは声で争うので、平和な方です。あ、そういえばこの辺では品川プリンスホテルの裏手や御殿山ではウグイスが鳴いていましたが、2年くらい前から声を聞いていません。そのころから、ヒヨドリがやたらに増えたので、何か関係があるかも知れません。話を戻して、鳴き声で競争するのではなく、雷鳥なんかは体をはって空中戦をします。」
「雷鳥って、北アルプスなんかにいる鳥ですよねえ。私は夏の立山の室堂で見ました。子供を連れていてかわいかったですよ。」
「私も5月の室堂で見ました。ちょうど冬の白い羽が抜け替わって、褐色になる時期なので、ブチでした。あ、子連れといえば、小石川の後楽園で、子連れのウズラを見たことがあります。母親の後ろを子供たちがちょこちょこついていって、これもかわいかったですねえ。」
「ウズラって家禽じゃなかったんですか?」
「もともとは野生だったんですが、家禽になりました。ウズラは日本人が作り出した唯一の家禽です。野生のものも少数ですが、今でもいます。」
「先生、その他にも鳥の空中戦ってあるんですか?」
「あります。さっき言ったようにカラスもハトを襲って食べます。この間なんか、信号待ちをしていたら、ハトの羽がたくさん降ってくるので上を見たら、電線の上でカラスが捕まえたハトの羽を抜いていました。」
「そんなシーンは見たくないですよね。」
「空中戦と言えば、雛を襲う鳥から防御するための空中戦もあります。トンビとハヤブサの空中戦なんかがこれに当たります。それから、遊びで空中戦をやることがあります。これにはカラスが絡んでいるケースが多いようです。カラスは基本的には肉が好きなので、朝、生ゴミから肉類をさがして食べれば、あとは一日中暇だからだと思いますが。ケアシノスリとカラスの空中戦とか、トンビとユリカモメの空中戦がこれに当たります。」
「鳥の空中戦を見てみたいですか?」
「ええ。」
「いことを教えましょう。いそれなら、平日で天気の良い日に、品川駅の港南口にある屠殺場の近くへ行ってみなさい。カラスが群がっていますが、もっと上の方を見ると、多いときで20羽くらいトンビが輪をかいて、飛んでいます。時々、数羽のカラスが飛び立ってトンビに後ろから近づき、トンビの羽をつついたりして、遊んでいます。トンビは迷惑そうに方向転換をしたり、高度を上げたりするのを目撃できます。」
「トンビは高いところを旋回しながら獲物を探しているんですよねえ」
「そうです。目が良くて、視力4.3というデータもあります。しかも、二つの目玉で同時に前方を見ることができるので、立体視もできます。ところで、鎌倉へ行ってハンバーガーを買ったら、注意が必要です。おちおちしていると、トンビにハンバーガーをさらわれます。」
「フクロウの目も前を向いてますよねえ。」
「そうです。トンビとフクロウの違いは、トンビは飛ぶのが上手ですが、フクロウは下手ということです。」
「じゃー、どうしてフクロウは獲物を取ることができるんですか?」
「フクロウは羽音を立てないで飛ぶことができます。気づかれないうちに、獲物に近づくことができるのです。」
「フクロウを見たことがありますか?」
「ありますよ。20年くらい前ですが、早稲田の構内で見ました。銀杏の木に止まっていました。飛ぶところも見たんですが、ゆっくりでした。それから、当時住んでいた目白台では、夜になると鳴いていました。」
「フクロウやミミズクってかわいいけれど、カラスって、気味が悪い鳥ですね。」
「ええ、まあ、色が黒いから。でも、井の頭公園では、カラスの餌付けが行われていて、手乗りインコどころか手乗りカラスなんて言うのもいるようです。」
「井の頭公園と言えば、コゲラがいますよねえ。見ましたか?」
「いえ、見てませんが、奥多摩の鷹巣山でアカゲラの群を見たことがあります。いっせいに木をつつくのでうるさかったです。」
「カラスは繁殖期以外は群を作ります。ええ、東京で一番大きいカラスのねぐらは明治神宮で、約6、000羽と言われています。その他には護国寺、六義園、白銀の自然教育園の森なども大きいねぐらです。」
「それらのねぐらに共通していることってあるんですか?」
「良い質問です。ヒントをあげましょう。皇居をねぐらにしているカラスはあまりいません。実は、カラスは非常に臆病で神経質です。皇居は夜中でも森の中を警備の人が巡回しているので、カラスは安眠できません。カラスのねぐらになっている森は、夜間人が入らない場所です。」
「面白いいたずらを教えましょう。こういったねぐらでは、闇夜のカラス状態になっています。こういった所へ、大人数、できれば100人くらいで夜中に行きます。全員が、なるべく明るい懐中電灯を持っていきます。できれば、サーチライトもあるといいです。もしあったら、ハンドマイクもいいでしょう。ライトもつけず、足音を忍ばせて森に入っていきます。そして、いっせいににライトをつけ、大声で奇声をあげます。そうすると、カラスはパニックになって、鳴き声をあげたり、その辺を飛び回ったりして、面白いです。」
「やったことありますか?」
「あります。」
「カラス以外にも、群をなしてねぐらで寝る鳥っていますか?」
「ムクドリがそうです。この近所では、高輪にあるらしいんですが、場所はまだわかりません。」
「どうしてねぐらがあることがわかるんですか?」
「ねぐらに入る前に電線に集合します。その集合場所があるからです。そこに夕方行って、待っていると、突然空が真っ暗になり、次の瞬間明るくなったかと思うと、電線の上に目白押しにムクドリがとまっています。」
「すごそうですね。」
「あ、ずいぶん話が長くなってしまいましたね。では、練習を始めましょう。」
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