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馬にも色々な性格の馬がいます。まず、近づくだけでやたら噛みついてくる馬がいます。噛まれると長径15cm、短径8cmくらいの楕円形の赤あざができて、とても痛いです。当日の夜、風呂にはいると浸みて痛みが再現されます。翌日になるとあざは黒く変色し、色が目立たなくなるまで10日くらいかかります。
馬は噛むとき耳を伏せて顔を急速に接近させます。そのときの目の特長として、かっと見開いています。恐らく、副腎髄質からアドレナリンがバシャバシャ分泌されていることでしょう。馬が上記の動作を始めたことが視界の隅にでも入ったら、ぱっと飛び退いて安全距離まで逃げましょう。頻繁に人を噛む馬を咬癖があると言います。雄馬に多いです。この癖を直すには、噛もうというそぶりを見せたら、鼻先にパンチを喰らわせることを繰り返せば良いのです。
ついでにここで馬の弱点をお教えしましょう。それは頬です。この部分には歯がないので、ここにパンチを喰らわされると馬は非常に痛い思いをします。しかし、よぽどのことがない限り、ここにパンチを繰り出してはいけません。
それから、噛みつかないが、鼻先でパンチを喰らわせたり、突き飛ばしたりする馬もいます。馬に近づく時は前から、しかも、馬に一声かけてからにします。馬にさわるときはたてがみの下や肩のあたりをなでることから始めます。これは馬は臆病なので、驚かさないための配慮です。
馬によっては近づいた人の足を踏みつけるのがいます。馬をブラッシングしたりしていると、踏みつけようとします。踏むときの馬の様子の特長として、俺は踏んだりしないよ、ととぼけているように見えます。馬はこっちを見ていないように見えて、実は横目で見ています。そして、隙を見つけたら、知らんぷりしながら足を踏みにきます。
踏まれたらどうするか。あわてて足を引き抜こうとしてはいけません。けががひどくなります。全体重を使って、馬を押します。そうすると、馬は足を少し上げるので、その隙に足を抜きます。踏まれた場所の爪は前部死んでしまいます。日が経つにつれ、爪は毒々しいむらさきに変色し、完全に生え替わるまでに数ヶ月かかります。
あなたは馬が蹴ると言うとどういうスタイルを想像するでしょうか。後足2本で同時に後ろに蹴るのをたぶん想像したと思います。それは稀なケースです。馬がよっぽど驚かない限り、ああいう蹴り方はしません。ただし、あれは猛烈な破壊力があるので、あの蹴り方でもろに蹴られたら、あなたはたぶん死んでしまうと思います。
馬がよくやるのは、横蹴りです。近づくと、横蹴りを仕掛けてくる馬がいます。蹴るために足を1本使っても、まだ、3本の足で立っているので安定しているせいか、結構小技を繰り出して器用な横蹴りをかけてきます。前足でも後足でも蹴りを入れてくるので、油断も隙もありません。
蹴られると、非常に痛いですが、横蹴りでは骨折などの重大なけがになることは少ないようです。多くの場合、もものあたりを蹴られます。馬蹄形の赤あざができて、噛まれた時と同じ経過で傷が治っていきます。頻繁に人を蹴る馬のことを蹴癖(しゅうへき)があるといいます。危険なので尻尾に赤い布を付けておく約束になっています。
噛む、パンチ、横蹴りは馬は本来何に使っているのでしょう。それは、馬どうしの喧嘩に使います。また、こういう癖を持っている馬は不幸な境遇で育ったものが多いようです。
馬の前足の蹄を洗ってやるには前足の後ろに水の入ったバケツと、たわし、それから蹄の裏に付いた泥を掻き出す金属製の道具を置きます。前足の脇で、馬体の後ろを見る方向で立って、馬の前足を上げさせます。たいがいの馬は前足を軽くポンとたたくと前足の膝ではないが膝の様に見える関節を曲げて足を上げます。この上げた部分のこと(蹄の上)を管(かん)といいます。上げない場合は、全体重を前足の付け根にかけると足を上げます。
馬に体重をあづけたまま、かがみ込んで、左前足なら左手で馬の足を下から支えながら、右手で蹄を洗ってやります。と言うことは、 頭や背中が馬に対して、全く、無防備になるということです。こういう状態では、馬がその気になれば何を仕掛けてくるかわかりません。もしかしたら、頭をかじられるかも知れません。こちらは隙だらけです。
滅多にいないけれど、馬によってはこの時頭をなめるのがいます。なぜ頭をなめるのかはわかりませんが、髪の毛が馬の唾液でべとべとになってしまいます。また、馬によっては後ろ足の蹄を洗っている時に、おしっこを始めるのもいます。
馬は単に臆病でおとなしい動物ではありません。結構、底意地の悪い面も持っています。
馬にもストレスがあります。飼育状態か何かが悪かったり、退屈するとここで取り上げる行動をとることがあります。
熊癖(ゆうへき)というのは馬の貧乏ゆすりです。馬房の中にいて、退屈なときにする馬がいます。前足を左右に少し広げて立ち、上半身を左右に揺すります。船をこぐ様子に似ているので、ふなゆすりとも言います。後ろ足に傷害を起こしたり、蹄の変形を起こす原因になることがあるので、困った癖です。馬はたぶん運動不足で退屈しているので、見つけたら馬場に引き出して運動させましょう。
柵癖(さくへき)はやっかいな癖です。退屈な時、上側の歯で柵を噛みます。そして胃の中に空気を飲み込みます。恐らくその時の感触を馬が好むものと思われます。柵癖のある馬の近くにつないだため、まねをして覚えることがあります。なぜ、この癖がやっかいかと言うと、食欲がなくなって栄養不良になったり、これが原因で疝痛(せんつう)という、時には命を落としてしまう恐ろしい腹痛の原因となるからです。見つけたら、退屈を紛らわすため、馬場で運動させましょう。
起立癖もやっかいな癖です。何かに驚いたり、何かを強制しようとした時、立ち上がってしまう癖です。立ち上がってしまうと、転ぶ確率が高く、人馬ともにけがをしてしまいます。馬が立ち上がりそうになったら、手綱をゆるめて前傾姿勢をとりますが、馬の体重に比べて人の体重はあまりに低いので、体重移動でこれを防ぐことはほとんど不可能です。
雄馬の中には退屈した時、ペニスを大きくして、これでおなかを太鼓代わりにしてたたくものが結構います。ペニスの鍛錬くらいの効果はあるでしょう。実害はないと思います。
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