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[風雨が強いので室内で]←此の騎乗→[並足で輪乗りを]
「並足で馬場を3周して下さい。」
「柵にそって馬場を3周して下さい。 あなたが学んでいるのはブリティシュスタイルの乗馬です。形を大切にします。姿勢を正しくして、前を見て下さい。馬がまっすぐ進んでいるかどうかは、耳の間に見える景色で判断します。この馬場は馬場馬術競技用の馬場なので、長辺60m、短辺20mあります。1周160mあるので、1周するだけでかなり疲れると思います。」
「馬の振動は並足の時は大したことはありません。緩やかな上下動と前後動の組み合わされたものです。慣れてしまえば気持ちの良いものですが、はじめのうちは怖くて、ついつい体が固くなってしまいます。揺れに身をまかせましょう。その方が馬も楽です。」
「姿勢が悪くなってきたので、直して下さい。かかとを下げて鐙を踏むと前回教えましたが、かかとがあがっています。それに、鐙に靴を深く入れすぎです。足の甲の一番広い所で、鐙を踏み込むようにして下さい。かかとを下げて鐙を踏み込むのはかなり辛いです。しかし、かかとがあがると、馬からくる振動で靴を鐙に深くつっこんでしまいます。」
「この状態は非常に危険です。馬が物音に驚いて立ち上がったり、暴走したりしてあなたは落馬するかも知れません。ましてあなたは初心者です。並足でも落馬するかも知れません。そのとき鐙に深く靴が入っていると、鐙から靴が抜けない可能性があります。その場合あなたは逆さ吊りになって、地面に顔または頭をこすられながら、馬場の中を誰かが馬を止めてくれるまで、馬に引きずられます。もしかしたら、鉄製の馬蹄の付いた馬の蹄で頭部を蹴られるかも知れません。落馬したら、手綱から手を離して下さい。」
「膝のお皿より少し内側に少しくぼんでいる所があります。その内側が少し出っ張っています。そこで軽く馬を挟み込むようにして下さい。これも不自然な足の使い方なので、とっても苦しいです。」
「曲がり角にきたので、左に曲がって下さい。左の手綱を開いて、右の手綱を押さえて、左足を少し前に出して膝のお皿の内側で馬を押して、右足を後ろにずらし、すねで腹を押さえ、重心を少し左へ移動させる。これを同時にやるのでしたね。馬は曲がってくれました。馬とあなたの重心が少しずれていましたが、まあいいでしょう。」
「曲がる所を前から見ると、馬は傾きますね。その傾きとあなたの傾きが一致すれば良いのです。ここは長辺なので、少し、スピードを上げて見ましょう。膝の締め付けを少しきつくして、手綱を少しゆるめて下さい。速くなりましたか。ならなければ、軽くかかとで馬を蹴って下さい。強く蹴りすぎると、速足や駆足になってしまいます。あなたには速足や、駆足はまだ無理です。速足や、駆足になってしまうと、あなたはたぶん3秒以内に落馬するでしょう。」
「落馬をおそれて、鐙を強く踏み込み過ぎています。手綱を引いて馬を止めて下さい。そう、それでいいのです。手綱を必要以上に強く引きすぎると馬は苦痛を感じていやがります。馬の口の中は、鉛筆を横にして押し込まれたような状態になっています。手綱を強く引き過ぎると、唇の両端に激痛が走るということです。馬はこいつはいやな奴だと思うでしょう。馬は結構記憶力がいいので、後々まであなたを恨んで、これからの騎乗の練習に差し支えます。」
「この時、あなたはまだ馬に乗ったまま鐙の長さを調節できないでしょうから、私が調節してあげます。少し鐙を長くしました。「下手の長鐙」といって、初心者のうちは鐙の長さを少し長めにします。そうすると、鐙を強く踏み込むことができなくなるので、自然と足で馬を締め付けて乗るようになります。ただし、こうすることで鐙が足からはずれ易くなり、そのため落馬しやすくなりますが。では、馬を発進させて下さい。何を恐れているのですか。体が硬くなっています。うまく、馬の振動にあわせないと、馬は不快になります。馬としては、本来、人間を上に乗せたくはないのですから。」
「足の形がくずれています。あなたの足はアルファベットの”O”という字の形で馬を締め付けています。その形だと、膝の裏側で馬を締め付けることになり、あなたの足のすねの部分が、馬の腹をこすってしまいます。だから、馬にこちらの意志をうまく伝えられません。ついでにいっておきますが、馬に何かの命令を伝えることを、『扶助』といいます。乗馬では、膝の内側で馬を締め付けたり、靴を上から見て、カタカナのハの字の形にして、かかとを少し下げるなど、不自然な動作をしなければならないので、最初は苦しいかも知れません。しかし、苦しいのは最初だけなので、もう、しばらくの辛抱です。今日はここまでにしましょう。」
「下馬とは馬から降りることです。二つやり方があります。右足の鐙を靴からはずし、自転車を降りる時の要領で右足を上げて後方から馬の背の上をとおして、馬の左側に移動させ、後は飛び降りればいいのです。でも、これはまどろっこしいので、次の方法を勧めます。もう一つの方法は、両方の鐙をはずし、同様に馬の左側に飛び降ります。」
「なぜ、左にこだわるのですかということですが、馬に乗っていたのは騎士です。騎士は左の腰にサーベルをぶら下げていました。右から乗り降りするとサーベルが邪魔になるからです。」
「馬から降りたら、鐙がぶらぶらしていると見苦しいので、鞍の上にはね上げておいて下さい。それから馬にねぎらいの言葉と、首のあたりをなでてやることを忘れないで下さい。馬から嫌われないためにも。あ、それから腹帯も少しゆるめて下さい。今日はこの馬はもう使わないので。」
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