フリゲート

フリゲート Frigate
艦艇の種類の一つ。

が、これをフリゲート艦とよく言うのが気になる。。。

巡洋艦 Cruiser
フリゲート Frigate
コルベット Corvette
など、英訳の基本で言うなら、Cruiserを 巡洋艦艦 というのかってことになるわけで。。。

と、2013.2.6の産経新聞に、フリゲートの解説が出ていたのだが。。。
1980年代以前の情報だよ。。。

17-8世紀の帆船の時代、軍艦は一級艦〜六級艦があり、このうち大型の一級艦〜三(四)級艦が戦列艦、五(四)級艦〜六級艦がフリゲートとされた。
大型のものは大砲を多く積む代わりに足(スピード)が遅い。
小型のものは、大砲が少ない代りに航洋性がある。
戦列艦は艦隊を組んで敵と戦い、フリゲートは味方商船を守り敵の商船を狙う。
自ずと用途も変わるわけだが。。。

こののち、フリゲート Frigate が大型化し、巡洋艦 Cruiser となってゆく。

蒸気機関が発明され、帆船の時代から蒸気船の時代となり、また、兵器の開発等も進み、海戦の様相が変化してゆく。

ここで、魚雷を主兵器とする、水雷艇が現れ、この水雷艇に対処するために、水雷艇駆逐艦が現れる。
やっかいな水雷艇を破壊/駆逐する艦 だから、水雷艇駆逐艦。
水雷艇駆逐艦 これが今の駆逐艦となる。

この頃は、艦艇の種類は、戦艦、巡洋艦、駆逐艦、水雷艇、などとなり、フリゲートは姿を消してゆく。

その後世界大戦に向けて、小型の艦艇として、護衛駆逐艦、護衛艦、フリゲート、コルベット、などが現れてくる。
ヨーロッパでは、駆逐艦より小さいものを、フリゲート、さらに小型のものをコルベットと呼んだ。
アメリカでは、それを、護衛駆逐艦(DE)、パトロールフリゲート(PF)とした。
ちなみに、日本では、海防艦が相当する。
その後、アメリカでは、パトロールフリゲート(PF)はなくなり、護衛駆逐艦(DE)に統一されたが、逆に、駆逐艦の大型のものをフリゲート(DL)と呼んだ。
*産経新聞の解説は、この時代の分類を言っている*

1980年代になると、NATO海軍の中で、艦種の統一が目され、主としてアメリカ海軍が変更することにより、フリゲート(DL)は格上げされて巡洋艦に、護衛駆逐艦(DE)はフリゲート(FF)になった。

現代では、巡洋艦(約1万トン以上)、駆逐艦(約5000トン以上)、フリゲート(約3-4000トン)、コルベット(約2000トン)に分けられているが、基本的に、大きさに対応した呼び方であって、艦種の呼び方による、任務や直接的な性能の差ではない。

海上自衛隊の場合、発足当初は、海上護衛が主であり、また、それに応じた艦艇の大きさから、駆逐艦(DD)、護衛駆逐艦(DE)に応じたものを、護衛艦(DD、DE)と呼ぶこととなった。
艦艇の大型化や、航空機運用に特化した艦も出現したが、空母などの攻撃性、巡洋艦など海外を連想させるものや、フリゲートなど漢字名称が固定化されていないものは使用されないままとなっているため、護衛艦は戦闘艦艇の代名詞化している。
そのため、海外の艦艇解説書等では、なんのためらいもなく、軽空母やフリゲートに分類表記されていたりもする。


艦艇の種類(時代と変遷)
大日本帝国海軍艦艇の種類
日本海軍艦艇類別
現代艦艇の種類
大航海時代の船
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新規作成日:2013年2月6日/最終更新日:2013年2月6日