鉄と鋼

鉄(てつ、鐵、Iron)
原子番号 26の元素、元素記号は Fe。

元素記号のFeは、ラテン語での名称Ferrumに由来する。
日本語では、くろがね(黒い金属)と呼ばれていた。
ちなみに、こがね(金)、しろがね(銀)、あかがね(銅)。

「鉄」の旧字体「鐵」が「金・王・哉」に分解できることから、本多光太郎は「鐵は金の王なる哉」と評した。
しかし現行字体では「金を失う」となるため、鉄道事業者などでは忌み嫌う傾向も見られ、旧字体の「鐵」を使用する会社(大井川鐵道、和歌山電鐵など)も存在する。

鉄分は、血液中にも必須の成分である。

鉄は、炭素などの合金元素の存在により、より硬い鋼となる。
わずかに炭素を添加することで鋼となり、硬度を炭素量や焼入れなどを行うことなどでコントロールできる。

多くの金属と有用な合金を作ることで知られる。
代表的なものとして、通常の鉄は空気中や水分を含む場所でゆっくりと酸化し、錆びを生じるが、鉄とニッケル・クロムの合金であるステンレス鋼は、錆びにくい合金として知られる。

鋼(はがね、こう、steel)とは、鉄を主成分にする合金の総称。
鉄鋼(てっこう)・鋼材(こうざい)・スチールともいう。

一般的によく使用される鉄鋼材料であり、「鉄鋼材料」というときは、普通は炭素鋼を指す。

鋼の生産は、高炉で作られた銑鉄を原料として転炉で生産する方式(転炉製鋼法)と、くず鉄(鉄スクラップ)を原料として電気炉で生産する方式(電気炉製鋼法)の2通りがある。
日本での生産割合は、転炉製鋼法が約75%、電気炉製鋼法が約25%である。

炭素鋼(たんそこう、carbon steel)とは、合金鋼でない鋼のことである。
炭素含有量は最大2.14[mass%]で、普通鋼ともいう。
炭素鋼のうち、炭素含有量が約0.3[mass%]以下を低炭素鋼、約0.3〜0.7[mass%]を中炭素鋼、約0.7[mass%]以上を高炭素鋼と呼ぶ。


参考
工業原料
化石燃料(石油、石炭、天然ガス)
鉄と鋼
高張力鋼




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新規作成日:2006年7月17日/最終更新日:2006年7月17日