復元性
海上、特に沿岸から離れると、大きなうねりを伴う。
穏やかであれば影響がなくとも、波が大きくなると、船舶は大きな影響を受ける。
横揺れに対しては、各種横揺れ防止装置によってある程度の対策が可能だが、斜め方向に関しては、比較的弱い。
すなわち船体は部分的に波に載せられてしまいバランスを失う。
三角波は更に影響が大きい。
以下に、漁船船体模型 転覆実験 の状態を例に見てみよう
斜め後方より来た波によって船尾が持ち上げられ、相対的に船首から突っ込む形になり、横転する。
一般の船舶では、傾斜角25度前後が、復元性能の限界とされているようだが、海上保安庁の巡視船艇では、荒天時の救難任務に対応するため、復元性能は強化されている。
最近の救命艇では、180度でも復元する性能を有しているものも増えている。
「艦艇では90度程度でもするのは当たり前」などと言う話を耳にするが、90度は横倒しで、基本的には復元しない。
また、艦艇では、損傷による浸水で傾斜するのを防ぐために注排水装置が強化されているため、一般船舶よりは、傾斜が防げる構造となっているが、これは、復元性、とは別のもの。
漁船船体模型 転覆実験
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ビルジキール
左が通常の船底の形状。
右のように、船底につけられた板によって、横揺れ時に水の抵抗を受けるため、揺れが抑制される。
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フィンスタビライザー
右図のように、船体が傾いた場合、船底に設けられた翼を左右逆方向に操作することによって、船体の水平を保とうとするもの。
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新規作成日:2009年4月15日/最終更新日:2015年4月14日