油防除
船舶の事故などによって、油が流出すると、火災や水質汚染、海洋汚染などの二次災害の危険がある。
そのため、速やかなる対応が求められる。
油の流出は、船舶の衝突などによる船体の亀裂から、積荷や燃料の油が漏れ出すもののほか、石油コンビナートなどでの事故によるものもある。
油が収出した場合、まず、その流出範囲を局限することが肝要となる。
オイルフェンスを展張するなどによって、周囲に壁を作って囲い込む。
油は、一般に水より軽いため、海面の上に漂うため、海面に浮く形の壁によって囲い込むことが可能である。
.
.
.
次に、流出油の回収が行われる。
各種油回収装置は、ポンプやパドルにより、油を集めるものである。
また、油回収マット、なども使用される。
人海戦術的には、バケツなどで掬い上げることも行われる。
大型油回収船による回収
.
.
.
.
油吸収マットの散布、油吸収マットの回収
.
.
また、油処理剤の散布によって、無害化させることも行われる。
処理剤で処理された油は、水との表面張力が弱まり、乳化し、微細な油滴となって分散する。
この油滴は水が油を包んだ状態(水中油滴型エマルジョン)のため互いに付着せず、他の物質にも付着しないため、牛乳が水で薄められるように拡散する。
またこの乳化分散処理された油滴は水より軽いため水深3m以上には沈まず、水面の油は、酸化作用や微生物による消化作用が働いて分解される。
これを自然浄化作用といい、この作用は酸素や紫外線が良く当るほど速くなる。
処理剤で細かく乳化分散された油は表面積が非常に増大し、酸素や紫外線が油に良く接触して、自然浄化作用を促進させる。
また、船艇を浮流油内で航走させ、航走波により海面を攪拌したり、攪拌放水として海面に放水し、油を小さな粒子状にして海水中に分散させて、自然による浄化作用を促進させて処理する。
航空機からの油処理剤の散布
.
船艇を浮流油内で航走させ、航走波により海面を攪拌
.
攪拌放水として海面に放水し、油を小さな粒子状にして海水中に分散させて、自然による浄化作用を促進させて処理する。
.
.
タンカーなど船体の二重底、停泊中オイルフェンスでの囲いは、事前策として重要である。
- オイルフェンス
左が1つのパーツで、これをつなげて使用する。
.
.
- 大型充気式オイルフェンス
.
.
- 油防除艇 OR01 しらさぎ
搭載しているオイルフェンスを展張し、あいたスペースに回収した油を搭載する。
.
.
- トランスレック型大型油回収システム
コンテナに収められており、必要時に巡視船に搭載され、現場で展張し、油回収を行う。
膨張式のU字型オイルフェンスを展張し、その内側に、油回収装置を投入し、ポンプで吸い上げて回収する。
PL05 はかた 油回収装置の展開要領
.
.
.
.
.
.
.
.
PL05 はかた 油回収装置コンテナ
.
.
- LSC 高粘度油対応油回収装置
.
.
.
.
.
.
- 油回収器
.
- 油回収装置GT-185
.
.
.
- 油回収具
ビニール紙を短冊状にしたもので、表面に油が多く付着するので回収効率が良い。
.
- 油回収マット
.
- 油処理剤空中装置TC3-MKU
.
.
参考
⇒ 海難救助
⇒ 船舶消火
⇒ 救難設備
⇒ 救命艇/救命筏
⇒ 遭難信号
⇒ 油防除
新規作成日:2007年1月26日/最終更新日:2007年1月26日