油防除

船舶の事故などによって、油が流出すると、火災や水質汚染、海洋汚染などの二次災害の危険がある。
そのため、速やかなる対応が求められる。

油の流出は、船舶の衝突などによる船体の亀裂から、積荷や燃料の油が漏れ出すもののほか、石油コンビナートなどでの事故によるものもある。

油が収出した場合、まず、その流出範囲を局限することが肝要となる。
オイルフェンスを展張するなどによって、周囲に壁を作って囲い込む。
油は、一般に水より軽いため、海面の上に漂うため、海面に浮く形の壁によって囲い込むことが可能である。

Dcim3615/DSC_5306. Dcim3615/DSC_5307. Dsc_7360.

次に、流出油の回収が行われる。
各種油回収装置は、ポンプやパドルにより、油を集めるものである。
また、油回収マット、なども使用される。
人海戦術的には、バケツなどで掬い上げることも行われる。

大型油回収船による回収
Dcim3604/DSC_1439. Dcim3605/DSC_1467. Dcim3605/DSC_1465. Dcim3605/DSC_1466.

油吸収マットの散布、油吸収マットの回収
Dsc_7368. Dsc_7386.

また、油処理剤の散布によって、無害化させることも行われる。
処理剤で処理された油は、水との表面張力が弱まり、乳化し、微細な油滴となって分散する。 この油滴は水が油を包んだ状態(水中油滴型エマルジョン)のため互いに付着せず、他の物質にも付着しないため、牛乳が水で薄められるように拡散する。 またこの乳化分散処理された油滴は水より軽いため水深3m以上には沈まず、水面の油は、酸化作用や微生物による消化作用が働いて分解される。 これを自然浄化作用といい、この作用は酸素や紫外線が良く当るほど速くなる。 処理剤で細かく乳化分散された油は表面積が非常に増大し、酸素や紫外線が油に良く接触して、自然浄化作用を促進させる。
また、船艇を浮流油内で航走させ、航走波により海面を攪拌したり、攪拌放水として海面に放水し、油を小さな粒子状にして海水中に分散させて、自然による浄化作用を促進させて処理する。


航空機からの油処理剤の散布
Dcim3605/DSC_1472.

船艇を浮流油内で航走させ、航走波により海面を攪拌

Dcim3605/DSC_1534.

攪拌放水として海面に放水し、油を小さな粒子状にして海水中に分散させて、自然による浄化作用を促進させて処理する。
Dsc_7431. Dcim3605/DSC_1492.

タンカーなど船体の二重底、停泊中オイルフェンスでの囲いは、事前策として重要である。

参考
海難救助
船舶消火
救難設備
救命艇/救命筏
遭難信号
油防除




戻る TOPに戻る

新規作成日:2007年1月26日/最終更新日:2007年1月26日