海難救助

海難救助は、わが国では、一般に海上保安庁が担当するが、海上という特殊条件では、すべての船舶がその任に当たるものである。

船舶に事故がある場合、遭難信号が発せられる。
事故とは、衝突などの「交通事故」に限らず、火災や、浸水、急病人など、すべてを含む。

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遭難信号はSOSが有名であるが、位置と内容を示すことも大切である。

沈没等の場合は、現代の船では、トランスポンダという装置によって、自動的に遭難信号が発せられ、位置も同時に送信される。

遭難信号を受信したものは、特に近隣の海域に居る船舶は、救助の責務を持つ。
特に、大洋を航行する場合、海上保安庁などの救難の専門機関が現場に急行するよりも先に救助できる機会は、近隣を航行する船舶の名誉でもある。

タイタニック号遭難時、視野内で救難信号を目撃したにもかかわらず「タイタニックが遭難するわけもないから花火だろう」と救助に向かわなかった船は、その後非難を浴びた。
対して、日を置いても現場に駆けつけ、生存者の救助に当たった船は、賞賛を浴びた。

遭難信号で、位置が示されたとしても、洋上で特定するのは至難の業である。
地上であれば、事故った車は動きようがないのだが、洋上では海流で流される。
時間が経過するほど、範囲が広がってしまう。

現代であれば、航空機が上空から捜索するが、これとて、なかなか難しい。
大型船舶が火災を発生させていればわかりやすいが、沈没した後では、洋上の漂流者は部屋の中のシラミの大きさに等しい。


救難捜索パターン
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航空機からの捜索は、あくまで位置確保であり、飛行艇やヘリコプターでなければ、生存者の救助そのものは他に譲らざるを得ない。
この場合、現場上空で監視を継続することが望ましいが、燃料の問題もあり難しい。
この場合、マリンマーカーを投下するなどして、一旦現場を離れ、或いは、後続の任務を他に譲ることになる。
それでも、最新の経過情報を押さえることは重要である。

その情報に基づき、他の船舶等が、現場海域に向かい、救助に当たることができる。

救助の場合、穏やかな海なら言うことはないが、遭難するような気象条件では、海上はしけていて危険である。
本船に沈没の危険があれば、危険を避けるために救命ボートに乗り移って脱出するが、それは、本船に留まるよりもまずは安全であるというだけで、救命ボートが未来永劫安全ということの保証はない。
そしてまた、そのような気象条件下では、救命ボートからの揚収も、危険な作業となる。
被災船がまだ浮いている場合も、また、難しい。
港であれば、接舷してタラップで乗り移ることができるが、荒れ狂う海では、双方の船が木の葉のように揺れる以上、接近も、衝突の危険を持つ。
さりとて、ボートに乗り移ってということも、安全が保証されているものではない。
双方の船長の決断にかかっている。

2006にインド洋において、こういった局面に際し、商船三井の巨大船舶が、接舷を試みて衝突し、油流出という二次災害を起こしたこともあり、リスクは大きい。
尚、この二次災害に対して、単に無謀とか、責任追及をするものが多いが、目の前の人命救助に、奇麗事でためらって、その命を失うことを考えれば、決して非難されるべきものでもない。

海上保安庁のヘリコプター搭載巡視船等であれば、船そのものが現場にたどり着く前でも、搭載するヘリコプターを使用し、救助を開始することができる。
また、ヘリコプター支援能力(給油)を持つ船舶が飛び石伝いに待機できるのであれば、かなりの遠洋であっても、脚の短いヘリコプターによる救助活動も可能となる。


参考
海難
海難救助
船舶消火
救難設備
救命艇/救命筏
遭難信号
ライフジャケット 救命胴衣
油防除
曳航




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新規作成日:2007年1月10日/最終更新日:2007年1月10日