ライフジャケット 救命胴衣
船舶の運航は、安全に心がけてあらゆる危険を回避することが大切だ。
一般の船舶の場合、安全管理の責任は船長にある。
小型のボートでも、実は同じなのだが、船が小さい分、リスク負担は同乗者にもかかってくる。
ライフジャケット(救命胴衣)は、船から落ちたときに身を守ってくれるものだ。
以前は小型船舶の場合でも常時着用の義務はなかったが、2003年の法改正で、着用が一部義務付けられた。
ライフジャケット(救命胴衣)は、大型船舶では、沈没などの危険がない場合以外は見ることがないが、小型船舶の場合は、乗船時には着用していなければならない。
これは、法規制いかんにかかわらず、自らの生命を守る上でも大切なことだ。
また、大型船舶に乗る場合でも、その保管場所や着用方法については、確認しておくことが大切だ。
ライフジャケット(救命胴衣)には、固形式、気体封入式と、膨張式、ハイブリッド式がある。
固形式は、固形の浮力体を利用したもので、そのままの状態で、既に浮かぶ構造のものである。
気体密封式は、浮き袋を束ねたようなものである。
大型船に搭載しているものは、一般に固形式である。
最近の客船には、SOLAS型と呼ばれるものが装備されている。
固形式は、その構造上、着用すると、活動性が悪く、そのために着用率が悪かったため、使用時のみ膨らむ膨張式が、小型船舶用の主流になっている。
膨張式には、自動膨張式と、手動膨張式がある。
自動膨張式は、水につかるとエアボンベが自動的に動作して膨らむタイプで、手動膨張式は、手動でエアボンベを動作させて膨らませるか、空気を吹き込んで膨らませる。
また、チョッキ型、首かけ型、ジャンパー型、ポーチ型などのタイプがある。
ライフジャケット(救命胴衣)は、乗船定員分の搭載が義務付けられている。
観艦式や海上保安庁観閲式などで、艦艇や巡視船に乗船した場合、通常は乗組員分しか搭載していないライフジャケット(救命胴衣)も、このときに乗船する数百名分のライフジャケット(救命胴衣)を別途搭載しているのである。
もちろん、実際に使用することのないような安全管理が最重要である。
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写真左は子供用。写真右のオレンジのものは固形式。もう片方は膨張式。
色は非常時に目立つように、オレンジなど鮮やかなものであり、膨張式も着用時はともかく、膨張後は目立つ色が表に出るようになっている。
着用方法
タイプによって異なるが、腰のベルトなどをきっちり絞り込んでおくことが大切。
いい加減だと、船から落ちたときに、人は抜けて沈み、ライフジャケットだけが浮いてしまう。
逆に、ライフジャケットの上から不必要に縛ってしまうと、開かなくなる場合もあるので注意が必要。
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使用方法(膨張式)
船から海へ脱出する場合、エアボンベを操作して膨らませる。
一般に、紐を引けばよい。
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エアボンベの動作不良などの場合、パイプから息を吹き込み、膨らませる。
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浮体タイプ(固形式)
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空気封入タイプ(固形式)
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内蔵タイプ(膨張式)
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ウエスト装着タイプ(膨張式)
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陸上自衛隊のライフジャケット
浮体タイプ(固形式)で、かなりの浮力がある。
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水の実験(膨張式)
一般に、エアボンベは、水につかると自動的に動作する構造となっている。
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犬用のライフジャケット
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国土交通省 海事局 イメージキャラクタ「ウクゾウ」くん
左が旧型の固形式、右が新しい膨張式。
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海上保安庁 イメージキャラクタ「うみまる」「うーみん」
「うみまる」が膨張式、「うーみん」は固形式。
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国土交通省海事局 ライフジャケット(救命胴衣)コーナー
http://www.mlit.go.jp/kaiji/lifejacket/
参考
⇒ 海難
⇒ 海難救助
⇒ 船舶消火
⇒ 救難設備
⇒ 救命艇/救命筏
⇒ 遭難信号
⇒ ライフジャケット 救命胴衣
新規作成日:2004年2月6日/最終更新日:2006年9月6日