救命艇/救命筏
救命艇
救命艇は、救命ボート、ライフボート(LIFEBOAT)とも呼ばれる。
タイタニックの海難当時は、乗船定員分は搭載されていないことが当然であった。
これは、本船が沈没するような事態において、ちいさなボートに脱出しても、いずれ助からないという考え方もあった。
(現代から見れば危険極まりないといえるが、例えば現在の旅客機で、旅客数分のパラシュートを積んではいないから、一概に不備とも言えない)
現在では、乗船定員分を搭載することが義務付けられている。(救命艇/救命筏の合計数)
客船では、片舷で乗船定員分とされており、これは、横転して片舷分が壊滅しても乗船定員分残ることを考慮してのものである。
全閉囲型救命艇の中には、復元性100%、すなわち転覆しても復元する性能を有するものも多い。
昔の救命ボートは、単なるボートであったが、最近のものは、オーニングで覆われ、悪天候の中での生存性を高めている。
また、客船の救命艇はテンダーボートと兼用とされることも多くなっている。
救命艇には、部分閉囲型救命艇、全閉囲型救命艇、耐火救命艇などがある。
艇内には非常食、救難食糧、救命水、いかり、ナイフ、釣具、信号紅炎、通信機、等が装備されており、すぐに救助がこない場合でも対応することができる。
救命艇
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全閉囲型救命艇
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テンダーボート
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船尾落下型救命艇搭載方式
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救命筏
浮材などで構成される筏。
筏の上に載り、或いは部材にしがみついて救助を待つ。
基本的に浮くだけのものなので、短時間のうちに救助されることが前提であり、港内船舶や、艦艇などに限られている。
現在では、膨脹式救命筏をさすことも多い。
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膨脹式救命筏
膨脹式救命筏は、未使用時はコンパクトに格納できるため、最近では救命艇に代わって搭載されることが多くなった。
膨脹式救命筏は、非常の際に自動又は手動で膨脹する、屋根付のゴムボートのようなものである。
船舶とともに沈んだときには、水圧センサーにより水深約4メートルまでに自動的に作動し、船体との拘束が外れ、浮上して展張する。
普段は船舶の上部にFRP製の白い円筒形の容器に格納されている。
膨脹式救命筏には、救命艇に搭載されている装備品のほか、更に、オール、ふいご(空気入れ)なども備え付けられている。
尚、膨脹式救命筏は、航空機にも搭載されている。
膨脹式救命筏
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アール・エフ・ディー・ジャパン(株) / 膨脹式救命筏
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膨脹式救命筏 備品
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アール・エフ・ディー・ジャパン(株) / 膨脹式救命筏
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膨脹式救命筏 備品
浮輪、ナイフ、あかくみ、シーアンカー、櫂、修理用具、ふいご、救難食料、飲料水、コップ、応急医療具、船酔い薬、船酔い袋、保温具、缶切り、はさみ、笛、釣り用具、行動指導書、生存指導書、救命信号説明書、落下傘つき信号、信号紅炎、発煙浮信号、水密電気灯、日光信号鏡、レーダー反射器、海面着色剤。
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藤倉 / 膨脹式救命筏
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膨脹式救命筏 備品
浮輪、安全ナイフ、あかくみ、シーアンカー、スポンジ、櫂、修理用品、ふいご、救難食糧、飲料水、コップ、応急医療具、船酔い薬、船酔い袋、保温具、缶切り、はさみ、笛、釣道具、行動指導書、生存指導書、救命信号説明表、落下傘つき信号、信号紅炎、発煙浮信号、水密電気灯、日光信号鏡、レーダー反射器、海面着色剤。
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救助艇
海難発生時に、落者を救助したり、動力のない救命筏を曳航したりという作業を行うために搭載されている。
救命艇兼用タイプのものも多い。
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QE2 搭載艇
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Crystal Serenity 搭載艇
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SEVEN SEAS VOYAGER 搭載艇
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参考
カッター
ライフジャケット 救命胴衣
搭載艇
海難救助
船舶消火
救難設備
救命艇/救命筏
遭難信号
海難
新規作成日:2004年4月15日/最終更新日:2009年7月29日