GPS
GPS: Global Positioning System(グローバル・ポジショニング・システム)
GPSは、米軍が開発したもので、いくつかのGPS衛星から発射される電波を利用して、受信機と各GPS衛星の間の距離を測定して、その交点から自分の位置を計算するシステムである。
1988にGPS衛星の打ち上げが開始され、1994年から本格運用されている。
当初は軍用のもので、一部に民生利用が開放される形であり、軍用に比べて民生用の精度は落とされ、戦時には更に精度が悪くなるシステムとされていた。
これは、敵側の利用を抑えるための当然の過程でもある。
が、民生利用する場合、その精度向上には、民間の独自努力が介在する。
例えば、船舶、航空機などが、広大な洋上を航行する場合、その誤差が1000m程度発生したところで、何の問題も起こらない。
が、地上の車両で使用する場合、100m狂えば道案内には使えない。
そこで考えられたのが、ディファレンシャルGPS(DGPS/Differential GPS)である。
あらかじめ位置が正確にわかっている場所(基準点)でGPS測位を行い、基準点に対する測位結果ずれ(誤差)を計算し、その誤差分を中波無線標識局の電波により放送し、利用者が受信することによりGPSの測位誤差を1m以下にすることができる。
現在DGPSは国際的な技術基準により、世界中の国々で運用されている。
日本では、海上保安庁が、船舶航行の安全を確保するためにDGPSの整備を行い、現在27局のDGPS送信局により、平成11年4月1日15:00から日本周辺の沿岸海域の全てをカバー出来るようになっている。
その結果、米軍が戦時にGPSの精度を落とした場合にも、DGPSの誤差補正によって、かなり補われてしまい、結果的に、米軍の精度調整が効力を持たないことなってしまった。
カーナビで利用される場合、あらかじめ地上の道路地図が整備されていることもあり、進行上の若干のずれは、マップに合わせて矯正されると言う処理もされているようだ。
対して船舶用では、DGPSとGPSの利用は半々のようで、これは港湾等での詳細の利用にはDGPSの精度が必要だが、遠洋ともなれば、基準局から離れる関係で、精度も落ちて、洋上での位置算定には、GPSの精度でも十分ということもあるようだ。
LCC19 BLUE RIDGE GPSアンテナ
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アンテナ、DGPS(左)、GPS(右)
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GPSは、位置測定以外にも、方向測定としても利用されている。
方式としては、3本(または2本)のアンテナにより、一つのGPS衛星からの電波によって、位相差から方向を測定するもの。
そのため、小型船舶用は、一体化したアンテナが使用されるが、大型船舶用は、3箇所にアンテナが装備される。
(アンテナ間の)基線長が長いほど、精度がよい。
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GPS衛星
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衛星軌道
周回衛星
偵察衛星、観測衛星などに使用される。
地球の極軌道上を動くことにより、全周を走査するもの。
衛星が単純に南北に周回した場合、地球が自転しているため、斜めに走査する事になる。
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これをきっちり南北に走査するためには、周回の軸を傾ける必要がある。
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参考
⇒ 航路標識
⇒ 海図
⇒ 航海用機器
⇒ 人工衛星
⇒ GPS
新規作成日:2006年12月17日/最終更新日:2006年12月17日