CIC 戦闘情報センター

戦闘情報センターとは、艦艇の戦闘に関する情報を集め、艦隊の指揮、艦載兵器の制御を集中して行うところであり、現代の艦艇における指揮中枢である。
レーダーやソナー、通信などや、自艦の状態に関する情報が集約される部署であり、指揮・発令もここから行う。
Combat Information Centerの略からCICとも呼ばれる。
海上自衛隊においては戦闘指揮所という。

戦闘情報センターは、その性質上、多くの機密情報を扱うため、運用時間中は乗組員であっても立ち入りには制限が加えられる。

第二次世界大戦の前までは、艦艇における戦闘指揮は、艦長が艦橋に位置し、そこから指揮を執っていた。
これは、戦闘指揮に必要なものが無線通信を除き、肉眼で見えることだけで済んだためである。
敵艦と自艦との位置関係の把握も視認範囲内が全てであった。

第二次世界大戦においては、航空機の戦力化やレーダーの実用化、潜水艦による脅威の増大などがなされたために、視認不能な敵情報の把握、戦闘のスピード化に対応した情報の迅速な把握および判断が必要となった。
これに対応して、多種の情報を集約した戦闘情報センターが艦の中枢部に設置されるようになった。
CICは艦艇において、最も重要な部署の一つであり、ここが機能を失うとその艦の戦闘能力は無に等しくなるため、他の部分に比べ堅固な作りとなっている。
当初は艦橋に近い場所に設けられていたが、攻撃による抗堪性を考慮し、船体内に置かれることが多くなっている。
艦長も、当初は環境との往復をしていたが、ミサイルの時代となり、艦長は艦橋に位置する必要性は薄れ、電子情報の集約する戦闘情報センターに所在することになる。

情報表示装置、レーダー等の表示装置、武器管制装置、などのスクリーンやコンソールが並べられている。

米空母においてCICに相当する部署は、戦闘指揮センター(CDC: Combat Direction Center)と呼ばれる。

潜水艦の場合は、水上艦艇のような艦橋を持たないため、発令所が置かれており、機能的には、類似のものでもある。

潜水艦救難艦には、RIC Rescue Information Center が置かれている。

海上保安庁の大型巡視船には、OIC Operation Information Center が置かれている。
こちらの場合は、通信、情報表示設備のほかは、会議室のような感じである。


参考
艦艇の構造
船の指揮所(船橋)の変遷
艦載兵器あらかると
艦隊通信
戦術情報処理システム
CEC 共同交戦能力
衛星通信
データリンク
CIC 戦闘情報センター




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新規作成日:2007年1月11日/最終更新日:2007年1月11日