帆走経 巻六
「師よ、修行の仕方について詳しく弁じて下さい」 「セーリングの修行は、修行者達が互いに激励し、助け合うことによって進んでいく。ここにこそ修行の意味と本体がある。セーリングを学ぶ者は、堂(クラブ)を離れてはいけない。集合乃至解散の帆走法の全てを取り上げることはしない、堂に定められたやり方、指導に従えばよいからだ」 「師よ、一人でやるより、クラブで仲間と一緒に走った方が学ぶことも多く、楽しいです」 「輪空よ、次に私は、舎利子(シャーリプトラ)のように考えて分かろうとする若者達の為に説く。感じられるまで乗りなさい。セーリングの技術は詰まる所馴れでしかない。馴れでしかないのだが、先達の工夫した基本を知れば修行はより早く進むだろう。又急いだり、無理したり、慌てたりしてはいけない。そこには必ず誤りが含まれているからだ。海はいつもそこに在って修行者達に修と証を与えるだろう」 聖衣輪空
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