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「ありがとうございます!」
「並足で、馬上体操をしてください。やっと、今日で12鞍目の騎乗ですね。おめでとう。100鞍乗ると一人前と言われています。これからも頑張って下さい。」
「今日は12鞍目を記念して、写真を撮って上げましょう。え、このカメラですか。ちょっと変なカメラでしょ。撮影するレンズが二つついているので、変わって見えるのでしょう。これはステレオカメラです。あなたも馬も立体的に見える写真が撮れます。」
「ステレオカメラは19世紀初め頃大流行し、日本でも、”最後の将軍”徳川慶喜が愛用していました。日露戦争の時の乃木将軍のステレオ写真も残っています。その後、1945年から55年頃にかけて、米国で大流行しました。これはその時に作られたカメラで、ステレオカラリストと言います。」
「え、普通の35mm判のフィルムを使います。サイズは、リアリストサイズです。やや縦長の画面で、2枚おきに一度に2枚の写真が撮れます。ところで、どうして35mm判は36枚撮りなのか知っていますか。あれはオスカー・バルナックという人の一尋の長さなのです。バルナックは1925年にライカという、映画用の35mmフィルムを流用して使うカメラを初めて作りました。その時に、ハサミでフィルムを切りました。そうすれば、自然に、その人の一尋の長さになってしまうでしょう。そういうわけで、バルナックの一尋の長さになったのです。」
「じゃ〜、撮りますよ。あ、止まらなくていいです。感度の高いフィルムがはいっているので。このカメラは45年以上も前に作られたのですが、古い割に良く撮れます。レンズがテッサータイプのせいだと思いますが、描写が柔らかいので美人に撮れます。」
「並足で、馬場を3周して下さい。そうしたら、鐙を上げて更に3周して下さい。そうです。そうです。乗馬姿勢がだいぶ良くなって来ましたね。もう少し、早い並足をだして下さい。そうです。それでは、鐙をおろしていいです。その角を曲がったら、速足にして下さい。え、なぜ、カメラを構えているのですかと聞くのですか。」
「もちろん、速足で落馬しそうになったら、その瞬間を立体写真に残しておこうというわけです。」
「膝の内側で馬を軽く締め付けて下さい。そうすれば、速足でも落馬の恐れは少なくなります。馬も、締め付けの強さで速足をだしたり、歩度を上げるように調教されています。そう、そこで馬の腹をポンと蹴って下さい。そうです。速足になりましたね。落ち着いて。そう、そう。脇が開いています。そう、直りましたね。はい、並足にして下さい。体が少し硬いようです。」
「では、次のコーナーでまた速足にして下さい。速足になりましたね。バランスが少し崩れてます。体が右に傾く傾向にあるようです。次のコーナーで、並足に戻して下さい。」
「今日はこのくらいにしましょう。いつものように馬の肩をペンペンして、下馬して下さい。」
「バーチャル乗馬というのは、松下電工が国立身体障害者リハビリテーションセンターと共同で開発した、乗馬療法システムです。まあ、馬のロボットのようなものです。本物のサラブレッドの振動をデーターとして取り、ロボットに移したものです。形も忠実に再現したと言ってます。でも、6本足ですが。並足から駆け足まで再現できます。もちろん、実際に乗れます。もちろん、大まじめに開発されたもので、目的はリハビリです。欧米ではリハビリに乗馬療法がよく行われるそうです。日本でも少しは行われているようですが、なかなか本物の馬を使うことは、馬も馬場もインストラクターも不足で、実行が難しいので、ロボットを開発したそうです。でも、これって乗馬の練習にも使えると思います。」
「あなたも、1頭、いや、1台どうですか。まわりにマットレスでも敷き詰めて乗れば、速足の練習で落馬しても、痛くないでしょう。めきめき、乗馬技術が向上するかも知れません。」
「そういえば、このサイバー乗馬用の馬とよく似た馬を信州安曇野の穂高神社で30年くらい前に見た記憶があります。」
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