Rus 2004ロシア海軍艦艇訪日情報 RusE

ロシア海軍艦艇訪日に関連する情報を集めてみました。
今回(2004.8呉寄港)の情報として、応急的に集約していますので、詳細はご確認下さい。
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2004秋に、ロシア海軍艦艇が来日し、親善訓練を行う噂があった。
その後、北海道新聞のホームページに「ロシア太平洋艦隊の3隻 28日から訪日  2004/08/20 02:15 【モスクワ19日山田新】ロシア太平洋艦隊は十九日、対潜哨戒艇マーシャル・シャポシニコフなど艦艇三隻が二十八日から九月三日までの日程で日本を訪問、海上自衛隊の広島・呉基地で、日本と合同の訓練を行うと発表。日ロ防衛交流の一環で、タス通信によると、同艦隊の艦艇が日本を訪問するのは今回が五回目。」との掲載があった。
しかしながら、2004.8.23現在、海上自衛隊側の広報はない。
通常、外国艦艇来航時にはホストシップが派遣されるため、概ね1週間前には海上自衛隊の広報よりリリースされるため、異例とも思われるが、各国との状況は必ずしも同じではないため、予断を許さない。
ただ、記事中「対潜哨戒艇マーシャル・シャポシニコフ」とあるのだが、「マーシャル・シャポシニコフ」は、ウダロイ級の大型対潜艦である。


果たして、2004.8.24 14:00を過ぎて海上幕僚幹部広報より開示された。
尚、台風通過の影響で、入港等の行事は標記予定より1日順延となった。(出港等は変わらず) 2004.8.29情報




ロシア連邦海軍艦艇の訪日
期間 平成16年8月30日(月)〜9月3日(金)
寄港地 呉
訪日艦艇 対潜駆逐艦「マーシャル・シャポシュニコフ」、揚陸艦「BDK−11」、ミサイル哨戒艇「R−29」
指揮官:海軍少将 アヴラーメンコ セルゲイ ヴィクトロヴィッチ
ホストシップ 護衛艦「くらま」、「ゆうだち」 人員約400人
指揮官:第2護衛隊群司令 海将補 柴田雅裕(しばた まさひろ)
一般公開は、平成16年8月31日(火)〜9月1日(水)の、13:00-16:00に行われる。

日露捜索・救難共同訓練
期日 平成16年9月4日(土)
訓練海域 対馬北東海域
訓練統制官 海上自衛隊:第2護衛隊群司令  海将補 柴田 雅裕(しばた まさひろ      ロシア海軍:海軍少将 アヴラーメンコ セルゲイ ヴィクトロヴィッチ
参加部隊 海上自衛隊:護衛艦「くらま」、「ゆうだち」
  ロシア海軍:対潜駆逐艦「マーシャル・シャポシュニコフ」、揚陸艦「BDK−11」、ミサイル哨戒艇「R−29」
主要訓練項目 捜索・救難訓練等
ロシア連邦海軍との捜索・救難共同訓練は、今回で6回目である。


大型対潜艦 ウダロイ級 マーシャル・シャポシニコフ Marshal Shaposhnikov 情報

大型対潜艦 ウダロイ級 6番艦として、建造された。
詳細データは、次項参照。
過去に来日した、アドミラル・ヴィノグラドフ(97/6 東京)、アドミラル・パンテレーエフ(99/9 横須賀)、アドミラル・トリブツ(2001.9 佐世保)、と同型艦である。
尚、艦載機は、通常は Ka-27PL へリックス Helix-A 対潜ヘリコプター 2機であるが、今回は救難訓練が目的の為、救難ヘリ(Ka27)を搭載している可能性が大きい。


大型対潜艦 ウダロイ級 情報

p0664031. p2007009.
ウダロイ級 Udaloy (Fregat) (Projects 1155 and 1155R)
「ウダロイ級」はソビエト連邦が建造した大型対潜艦(ミサイル駆逐艦)である。ソビエト連邦は「カシン級」以後、駆逐艦クラスの建造を行わなかったが、1980年に対空型の「ソブレメンヌイ級」と共に建造された、大型対潜艦(ミサイル駆逐艦)で、基準排水量が6,000tを超える大型艦となり、SS-N-14対艦ミサイルや、対潜ヘリコプターを搭載、各種ソナー等充実した対潜兵装を装備し「カーラ級」大型対潜艦(ミサイル巡洋艦)を凌ぐ対潜能力を備え、対空兵装も最新の専用VLSや100mm単装自動砲を装備して強力な艦である。本級は、通称「駆逐艦(destroyer)」とされるが、これは西側のカテゴリーに照らしてのもので、ロシア海軍では「大型対潜艦」と呼ばれている。

主要要目
基準排水量 6,930t
満載排水量 8,404t
全長 163.50m (145.00m wl)
幅 19.00m (17.20m wl)
吃水 5.19m
速力 30.0kt
出力 110,000馬力
乗員 249名
機関: COGAG M-9 plant: 2 M8KF 高速用ガスタービン (22,500 shp each); 2 M62 巡航ガスタービン (7,500shp each), 2/5-bladed props; 60,000shp max.
主要兵装:
100-mm 70-cal. AK-100単装砲2基、
Kinzhal(SA-N-9)短SAM用VLS8基、
URK-5 Rastrub (SS-N-14 Silex)SUM4連装発射筒2基、
30-mm 54-cal. AK-630M gatling AA CIWS4基、
533mm4連装魚雷発射管2基、
RBU-6000 12連装対潜ロケット発射機2基
艦載機Ka-27PL へリックス Helix-A 対潜ヘリコプター 2機

同型艦 (艦名 起工日、進水日、就役日、配属 の順で、配属先の記載のないものは、予備役または退役と推定される。 (日付は 日-月-年))
ウィッツェ・アドミラル・クラコフ Vitse-Admiral Kulakov
マーシャル・ヴァシレエフスキイ Marshal Vasilevsky, 22-4-79, 29-12-81, 8-12-83, 北洋艦隊
アドミラル・ザハロフ Admiral Zakharov
アドミラル・スピリドノフ Admiral Spiridonov
アドミラル・トリブツ Admiral Tributs, 19-4-80, 26-3-83, 30-12-85, 太平洋艦隊
マーシャル・シャポシニコフ Marshal Shaposhnikov, 太平洋艦隊
セヴェロモスク SEVEROMORSK (ex-Simferopol, ex-Marshal Zhukov, ex-Marshal Budenniy), 12-6-84, 24-12-85, 30-12-87, 北洋艦隊
アドミラル・レフチェンコ Admiral Levchenko (ex-Khabarovsk), 27-1-82, 21-2-85, 30-9-88, 北洋艦隊
アドミラル・ヴィノグラドフ ADMIRAL VINOGRADOV, 5-2-86, 4-6-87, 30-12-88, 太平洋艦隊
アドミラル・ハラモフ ADMIRAL KHARLAMOV, 7-8-86, 29-6-88, 30-12-89, 北洋艦隊
アドミラル・バンテレーエフ ADMIRAL PANTELEYEV, 28-4-88, 7-2-90, 19-12-91, 太平洋艦隊
この他に、ウダロイU型が1隻存在する。


揚陸艦 BDK−11 情報

ロープチヤ級の戦車揚陸艦としてホーランドで建造された。
ロシア海軍の揚陸艦の来日は、これが始めてである。
尚、「コルサコフ」という艦名も併用されている。


揚陸艦 Ropucha-II級 情報

p0050010tice. p0054004tice.
Ropucha-II-class (Project 775.2) [LST]
建造所: Stocznia Polnocna, Gdansk, Poland
同型艦
077 BDK-11 2-91 Pacific
130 BDK-61 KOROLEV 4-91 Baltic
151 BDK-54 AZOV 20-4-90 Black Sea

排水量: 2,768t(軽貨); 3,450t (4,080t fl)
速力: 17.8kt
主要寸法: 112.50m (105.00 wl) × 15.00m × 3.70m
主要兵装: 76.2-mm 59-cal. AK-176M DP x1 ; single 30-mm 54-cal. AK-630M gatling AAx2 ; 40-round 122-mm UMS-73 Grad-M artillery RL (320 BM-21 rockets) x2 ; 機雷敷設条 (最大90個 1t機雷) x2
主機: Type 16 VB40/48 16-cyl., 500-rpm diesels; 2基2軸; 19,200 bhp
航続距離: 3,500浬/16kt; 6,000浬/12kt
航続日数: 30日 (揚陸作戦)
乗員: 士官 8, 下士官、兵 79 + 海兵 225


ミサイル哨戒艇 R−29 情報

詳細は不明である。


ミサイル哨戒艇 Tarantul-III (Molnaya-M) 級 情報

Dsc_2978. Dsc_0748.
ミサイル哨戒艇 R−29の詳細は不明であるが、参考までに、過去に来日した Tarantul-III (Molnaya-M) 級について紹介する。
Tarantul-III (Molnaya-M) 級
排水量: 436t (493t fl)
速力: 38kt
主要寸法: 56.10m (49.50m Lpp) × 10.20m (8.74m wl) × 2.47m
主要兵装: SSM x4 P-270 Moskit (SS-N-22 Sunburn); 76-mm 59-cal. AK-176 DP ; (SA-N-8) SAM syst. ; single 30-mm 54-cal. AK-630M gatling AA
主機: CODAG: 2 M-70 (PR-76) (各12,000shp), 2 Type M-510 diesels (各5,000bhp); 2 軸; 最大34,000hp
航続距離: 400浬/36kt; 1,600浬/20kt; 2,400浬/12kt
燃料搭載量: 50t
航続日数: 10日
乗員: 士官 8 下士官、兵 33


ロシア艦隊情報

大型対潜艦とは、ロシア海軍の艦種の一つで、対潜を主任務とする艦艇。
ただ、現代の艦艇は、「特定の任務に特化し、他の機能がない」と言う事はない。
西側のカテゴリーでは、Destroyer(駆逐艦)となっている。
その意味では、我が国の「護衛艦」も、英語ではDestroyerであり、本国での呼び方の一つに過ぎない。DDGこんごう型や、これから建造する15000t近い艦を、「護衛艦」と訳しても他国では違和感を覚えるのと同じである。
ウダロイ級は、概ね我が国の「はつゆき」に準じた艦である。
ロシア艦艇の特色として、比較的多数の兵器を搭載しており、これは各種局面にフィットさせる事を狙うと共に、1種類の機能を失っても、他でカバーできると言う事を意味する。対する西側では、1つの汎用兵器をもち、これであらゆる局面に対応させようとしている。
また、舷側に窓があるのも特徴で、採光、換気に適しているが、窓からの浸水や、NBC防御面等から、西側では採用されていない。ただ、窓があるから被害に弱いと言うのは短絡的で、奇襲を除けば運用上閉鎖していれば十分である。
搭載するミサイルなどは、西側のものに比べて、概して大型であるが、これは制御機器の集積化が約1世代遅れており、為に大型の機器を積む為、推進装置も大型のものが必要となり、また、破壊力増大の為、多量の炸薬を搭載でき、結果的に大型のものとなっているが、基本的性能に大差ない。
搭載するヘリコプターは、2重反転式で、1つの軸の上に2段に羽根がついており、西側のヘリコプターに比べ全長が短くて済み、ヘリ甲板や格納庫のスペースが小さくて済む。
冷戦期以降、ロシアの水準、能力をあしざまに言う傾向が見受けられるが、単なる偏見で、確率100%?で満足に打ち上げられなかったH2ロケットを開発している我が国と、多くの宇宙飛行士を宇宙に送り出した国と、どちらが科学技術の水準が上かは、一言で評価できるものではない。


ロシア太平洋艦隊 情報

主要所属艦艇
●キーロフ Kirov (Orlan) (Project 1144.2)級 原子力ミサイル巡洋艦
アドミラル・ラザレフ ADMIRAL LAZAREV (ex-Frunze)
●スラバ Slava (Atlant) (Project 1164)級 ミサイル巡洋艦
ワリヤーグ VARYAG (Viking) (ex-Chervona Ukraina)
●ソブレメンヌィ Sovremennyy (Sarych) (Projects 956 and 956A)級 ミサイル駆逐艦
ボエボイ BOYEVOY (militant)
ブルニー BURNYY (Fiery)
ヴィストリー BYSTRYY (Speedy)
ヴェズボヤゼニー BEZBOYAZNENNYY (Intrepid)
●ウダロイ Udaloy (Fregat) (Projects 1155 and 1155R)級 大型対潜艦
アドミラル・トリブツ ADMIRAL TRIBUTS
アドミラル・ヴィノグラドフ ADMIRAL VINOGRADOV
マーシャル・シャポシニコフ Marshal Shaposhnikov
アドミラル・パンテレーエフ ADMIRAL PANTELEYEV
●クリヴァク Krivak-II (Burevestnik-M) (Project 1135M)級 フリゲート
レヴノストニー REVNOSTNYY (Roaring)
●クリヴァク Krivak-I (Burevestnik) (Project 1135)級 フリゲート
ストロゼボイ STOROZHEVOY (Guarding)
リチュチー LETUCHIY (Flying)
●デルタ Delta-III (Kalmar) (Project 667BDR)級 原子力戦略ミサイル潜水艦 8隻
●オスカー Oscar-II (Antey-II) (Project 949A)級 原子力巡航ミサイル潜水艦 7隻
●アクラ Akula-I (Shchuka-B) (Project 971)級 原子力攻撃型潜水艦 7隻


日露SAREX 情報

日露捜索・救難共同訓練 Search And Rescue EXcesses
目的: 海上自衛隊とロシア海軍との共同訓練の実施を通じて、海上自衛隊の捜索・救難等にかかわる技量の向上を図ると共に、ロシア海軍との信頼関係の増進を図る。
2001実施時は、オブザーバーとして、西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)参加国(カナダ、シンガポール、韓国、フランス、マレーシア、オーストラリア、ヴェトナム、パプアニューギニア、アメリカ合衆国 など)が見学した。

訓練概要−推定−
●救難訓練
想定遭難船MCL725かみしま に対し、参加部隊の捜索、救難、消火活動が行われる。
参加部隊: 海上自衛隊(DDH144くらま、DD103ゆうだち、MCL725かみしま、SH60J、P3C)、航空自衛隊(U125、UH60L)、ロシア太平洋艦隊(マーシャル・シャポシュニコフ、BDK−11、R−29、艦載ヘリ)
●通信訓練
参加艦艇間により、信号の送受信を行う。
参加艦艇: 海上自衛隊(DDH144くらま、DD103ゆうだち)、ロシア太平洋艦隊(マーシャル・シャポシュニコフ、BDK−11、R−29)
●戦術運動訓練
参加艦艇により、陣形運動(単縦陣、単横陣、など)を行う。
参加艦艇: 海上自衛隊(DDH144くらま、DD103ゆうだち)、ロシア太平洋艦隊(マーシャル・シャポシュニコフ、BDK−11、R−29)


ロシア艦艇公式行事 情報

艦艇の親善訪問の一般例として、指揮官の表敬訪問、乗員の相互訪問、両艦上でのレセプション、スポーツ交流、市民への艦艇一般公開、電燈艦飾(イルミネーション)、親善訓練などが行われる。
−今回、設備の関係で、電燈艦飾(イルミネーション)は実施されない模様−


防衛庁公式 情報

ロシア連邦海軍艦艇の訪日に対するホストシップの派出及び日露捜索・救難共同訓練の実施について(16.8.24)



過去のロシア海軍艦艇/沿岸警備隊艦艇 訪日情報

97/6 東京 ロシア海軍大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラドフ
99/9 横須賀 ロシア海軍大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフ
2001/9 佐世保 ロシア海軍大型対潜艦アドミラル・トリブツ
2002/10 横須賀 ロシア海軍巡洋艦ワリヤーグ、潜水艦B345、ミサイル哨戒艇R18
2004/8 呉 ロシア海軍大型対潜艦マーシャル・シャポシニコフ *今回*
*2002/10は、海上自衛隊創設50周年記念観艦式参加のものである。

2000.4 横浜 ロシア国境警備隊警備艇ユジノサハリンスク
2001.5 横浜 ロシア国境警備隊警備艇ネベリスク
2002.9 横浜 ロシア国境警備隊航洋曳船プリモリエ
*ロシア国境警備隊は、海上保安庁観閲式に、周辺国関係機関として参加している。


ロシア関係写真集 情報

過去のロシア海軍艦艇/沿岸警備隊艦艇/司令官 訪日情報掲載誌

過去のロシア海軍艦艇/沿岸警備隊艦艇/司令官 訪日情報



参考 情報

考察編

関連資料

海上自衛隊パーフェクトガイド. 海上自衛隊パーフェクトガイド2002. ヨーロッパ海軍図鑑 .



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新規作成日:2004年8月23日/最終更新日:2004年8月29日