船型
船型
旧図(*)では、主に貨物船を想定し、黒い部分が船体で、船橋・上部構造物は青で示しており、マストなどは省略している。
船楼は、船体構造に一体化した船室部で、露天構造や、ブルワークは含まない。
本来、船体構造上に設けられた船室部分も、含まない。
- 平甲板型 ひらかんぱん
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船体構造上、甲板が全長に渡り平らであるもの。
- 船首楼型 せんしゅろう
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船首に、構造上船体と一体となった船首楼があるもの。
船首楼は、上甲板の上に設けられている。
- 長船首楼型 ちょうせんしゅろう
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成立過程としては、船首楼を船体中央部以降まで延長したもの。
風圧側面積をあまり増加させずに艦内容積を拡大できる。
平甲板型の側面図に比べて、艦首の赤枠部分のみしか側面積は増えていないが、甲板室(上部構造)全長に渡って、断面図において、スペースが広がっている。
ヘリ甲板の配置の結果、艦尾の作業甲板の確保の都合から、艦尾を一部切り欠く形となったものを、遮楼甲板型と呼ぶ説もあるが、遮楼甲板は、あくまで風浪から守られる空間を持つものであるから、横が吹き抜けの構造を言うのは理にかなっているとはいえない。
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- 遮楼甲板型 しゃろうこうはん
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商船の成立過程としては、三島型の船楼を全通させたもの。
艦艇の成立過程としては、長船首楼型の船楼を船体後部まで延長したもの。
外観上、平甲板型のように見えるが、本来、遮楼甲板は、構造上、上甲板の上に設けられており、船体構造上の強度甲板は、上甲板であって、その上の遮楼甲板ではない。
ただ、かつての自動車でハードトップという車種があったように、本来とは離れつつあるようだ。
- 凹甲板型
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船首尾に、構造上船体と一体となった船首楼、船尾楼があるもの。
船首楼、船尾楼は、上甲板の上に設けられている。
- 三島型
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船首尾と中央に、構造上船体と一体となった船首楼、船央楼、船尾楼があるもの。
船首楼、船央楼、船尾楼は、上甲板の上に設けられている。
- 船央楼型 せんおうろう
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船体中央に、構造上船体と一体となった船央楼があるもの。
船央楼は、上甲板の上に設けられている。
成立過程としては、甲板室(上部構造)を舷側まで拡幅したもの。
風圧側面積を増加させずに艦内容積を拡大できる。
平甲板型の側面図に比べて、側面積は増えていないが、甲板室(上部構造)全長に渡って、断面図において、スペースが広がっている。
- 船尾楼型 せんびろう
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船尾に、構造上船体と一体となった船尾楼があるもの。
船尾楼は、上甲板の上に設けられている。
- 中央船橋船尾機関型
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船体中央に船橋、船尾に機関があるもの。
- 船首船橋船尾機関型
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船体前方に船橋、船尾に機関があるもの。
- その他
日本船舶明細書によれば、
3檣バーク型、V型、V型平甲板型、W型船底、スケルトン型、ディープX型、ハードC型、一層甲板型、凹型甲板、河川型、三島型、遮浪甲板船、巡洋艦型、庶浪甲板型、船首双胴型、船首楼甲板型、船尾外輪船、船尾機関型、船尾双胴型、船尾楼型、全通甲板型、全通船楼型、全没水型、双胴X型、双胴型、双胴船、多層甲板型、単胴V型、単胴型、長船首楼型、長船尾楼型、低船首尾楼型、低船首楼型、二層甲板型、半潜水型、半没水双胴型、半没双胴型、帆船型、覆甲板型、平甲平型、両頭型、
などもある。
船体のタイプ
- 単胴型
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- 双胴型 (カタマラン)
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- 三胴型 (トリマラン)
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船の航走タイプ
- 排水型
一般の船舶がこれで、航行中も停泊中も、同様に浮かんでいるタイプ。航行時、水の抵抗をもろに受ける。
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- 滑走型
モーターボートのように、水面上を滑走し、水の抵抗を少なくして航走する物。
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スピードボート
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- 水中翼型
船体外部に取り付けられた翼により、航走時の揚力を利用して船体を水面より浮き上がらせ、水の抵抗を少なくして航走する物。
全没水型と、半没水型がある。
半没水型水中翼船
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全没水型水中翼船
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水中翼船 模型
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- 半没水双胴型 SWATH型
小型の浮力体を備え、この浮力で船体のほとんどを水上に持ち上げることにより、水中抵抗を抑えるもの。
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SCS型高速旅客船 シーガル 模型
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- 船体浮揚型
ホーバークラフトのように、ファンで船体を水面より浮き上がらせ、水の抵抗を少なくして航走する物。
船体下部全面をスカートにより覆っているホーバークラフト(エアクッション)型、両舷を船体鋼板としエアクッション効率を向上するSES(表面効果)型などがある。
ホーバークラフト / エアクッション艇
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SES 表面効果船
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ホバークラフト MV-PP15 しぐなす 模型
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参考
⇒ 船の雑学
⇒ 船型
⇒ 船の構造
⇒ 艦艇の構造
⇒ 煙突(給排気口)
⇒ 船の設備
⇒ 船橋の色々
⇒ 船の指揮所(船橋)の変遷
⇒ 艦長室/船長室
⇒ 船のパーツ
⇒ 航海用機器
⇒ 舶用機関
⇒ 舶用機関(補機)
⇒ 推進器
⇒ 舵
新規作成日:2006年12月1日/最終更新日:2006年12月1日