催眠状態とは | はじめに ←||→浮く(催眠に入る)条件 |起ること |
さて、ここからが具体的な催眠状態の話です。
トップページにある、ロゴを思い出してください。(青い棒)の上に
(ハート)が飛んでましたよね。(画像を表示してなかったり、動かしてなかった人は、できれば一度見てください)
このが、「社会的な自分」ということにします。下の
が「自然な自分」です。
このが、
の上に乗っている時、比較的安定した快適な状態といえるでしょう。たぶん、その時は自分が自分という感じをあたりまえと思い、ほとんど意識することもなく、思い通りに動けていると感じているでしょう。
また、子供の場合は、このが小さいか無い状態で、代わりに親の
が上にのっていると考えていいでしょう。
ところが、次にが
の上の方に飛び上がっている状態、いわゆる浮いている状態があります。この状態では、自分がどのくらい飛び上がっているのか、「社会的な自分」には意識できないのですが、本人は、少しハイだと感じているかもしれないし、なんか自分をはっきりしないもやもやとした感じと、思っているかもしれません。ひょっとすると、ぼんやりと心地いいと感じているかもしれないし、なんとなく不快だと思っているかもしれません。
この状態が、催眠状態です。
子供でいうと、親の目を逃れた状態といえるでしょうか。
このままの状態だと、「社会的な自分」の指示は、「自然な自分」に伝わっていますが、なんとなくぼんやりとした感じでしか伝わらないし、「自然な自分」の方も、なんとなく開放されていると感じている状態です。この状態で、心地いいのなら、とりあえず悪いことは何もおこりません。むしろ、「自然な自分」は、やりなれていることを習慣的に問題無くこなして行くでしょうし、むしろ余計な意識が働かないので集中できる場合もあります。
外から見ると、なんとなくポーっとしたように見えるかもしれません。何かに夢中になっている時や、恋人に会っている(恋人に夢中になっている)時も同じような状態です。あと、驚いたり、習慣的な行動の途中になにかいつもと違うことがおきた時、判断中止のような状態になりますが、その時も同じような状態になります。
これらの状態は、日常の普通の人間関係(コミュニケーション)の中から生じるものです。その関係の取り方によって、条件さえそろえば簡単に生じるといっていいでしょう。しかし、このままの状態では、先に言ったように、何の問題もありません。
では、この浮いた状態の時、自分のの下に別な
が、それも
のすぐ上に入ったらどうなるでしょう。いいかえれば、「自然な自分」が別な「社会的な自分」を受け入れたということです。
この状態が、よくテレビなどで見かける催眠術などの状態です。「自然な自分」は、新しい(誘導者)の指示に従います。つまり、自分がかなりはっきりと、「社会的な自分」と「自然な自分」の二つに分かれてしまうわけです。「社会的な自分」は、手を上げようと思っていない、にもかかわらず別の
(誘導者)が手を上げろというと、「自然な自分」はそれにしたがってしまうわけです。
これは、ある意味では困った状態です。本来の「社会的な自分」が、主導権を失ってしまっているわけですから、自分に不都合なことでも、「自然な自分」はしたがってしまうかもしれません。しかし、「自然な自分」が自分を守れないと感じたら、それには従わないだろうと思われます。ただし、絶対にとは言い切れません。「自然な自分」の状態や、「社会的な自分」との今までの関係の取り方とその影響力の強さ、などによっても違ってくるでしょう。状況によっては、したがってしまう場合もあるかもしれません。
このとき、誘導者(催眠術師)のモラルや、その習熟度がとわれるところです。もし、十分な経験がなくて、起こる事態に対応ができない時、「自然な自分」は、船長を失った船のように、暴走してしまうかもしれません。また、「自然な自分」の内部で混乱が起きる可能性もあります。
このような時は、もう一度しっかりと「自然な自分」と関係をつなぎ直し、混乱を収め、覚醒させる(本人の「社会的な自分」に主導権を戻す)必要があります。
普通の状態では、そのまま安静にしていると、睡眠に移行するか、自然に覚醒することになります。あるいは、環境を変えたり、別なコミュニケーションをとることでその状態から覚醒することがあります。ほおっておいても早ければ1日、遅くても2週間ぐらいたつとさめるのが普通です。
たとえば、セールスマンなどの勧誘を受けているうちに浮いてしまい、セールスマンのに入り込まれて、つい何かを買う契約をしてしまうことがあります。その後、しばらくして我に返ったり、家族と話していて買うんじゃなかったと思い直したり、といったときがこれにあたります。一時的に、催眠状態にいたわけです。この事をふまえて、クーリングオフの制度を考えてみると、何となく納得がいくと思うのですが、どうでしょう。
残りのがこけたり、落ちたりしているものについては、寝ていたり、気絶していたりというのがあてはまるでしょうか。
私はここに、二重人格や、夢遊病も、場合によっては記憶喪失も含めて考えたいと思っています。ただ、単純にが落ちているとはいえないので、もっと特殊な形にはなっていると思いますが・・・。でも、その事に深入りすると、ここでの話しからそれてしまうので、また機会があったらやってみましょう。
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