奄美大島沖不審船事件情報
奄美大島沖不審船事件に関連する情報を集めてみました。
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2001年12月22日 鹿児島県・奄美大島の北西沖で、不審船が発見され、海上保安庁および海上自衛隊が出動。
午後、巡視船「いなさ」「みずき」が、警告射撃、更には船体射撃を行った。
海上保安庁の巡視船による、船体射撃は、昭和28年8月の、ソ連情報収集船への射撃以来である。
政府は、当面、海上自衛隊による海上警備行動の発動はないとしているが、防衛庁では、護衛艦「こんごう」「やまぎり」を現場海域へ出動させた。
参加船舶の詳細は不明だが、PS03「いなさ」は長崎海上保安部所属、PS11「みずき」は福岡海上保安部所属、共に第7管区海上保安本部であり、鹿児島県・奄美大島近海は、第10管区海上保安本部 の管轄海域である事から、ある程度の事前情報による、大規模な行動と思われたが、米軍偵察衛星による情報で海上自衛隊が確認し、海上保安庁が急行し様である。
不審船からの射撃により、海上保安庁の職員2名が負傷したが、航海要員であり、射撃は船橋を狙ったもので、死者が出なかった事は、非常に幸いである。
不審船側の武装は、機関や船体を狙わなかったと言う点から、(拳銃、自動小銃など)比較的小規模の武器を使用したものと思われたが、ロケット弾も使用されたようだ。
最終的に、不審船は沈没したが、巡視船の射撃による浸水か、火災などによる被害拡大によるものか、自沈か、確定できていない。
ただ、直前に爆発があったと言う点から、自沈か、被害拡大によるものが濃厚である。
海上保安庁観閲式で公開される、不審船制圧の場面の実践に他ならないが、訓練展示のようにスムーズには行かない。
まず第一に、海はそれだけで、陸よりも遥かに第三の戦いが存在する。すなわち、波風は、船の存在自体を危険に晒している。
そして、相手は実弾を使用するわけで、訓練展示のように、何分かしたら手を挙げると言うようなシナリオは存在しない。
実際の突入と言う場合、相当の覚悟を必要とする。
危険をためらって横行を許すわけには行かないが、損害を最小限にする為の措置も、十分講じなければなるまい。
沈没位置が大陸棚で、深さ100m前後で、引き揚げも可能とされているが、最近の風潮として「沈んだものは引き揚げれば良い」と考えるのはどうだろうか。
もちろん、必要に応じて、可能な範囲で処理する事は必要である。
しかし、落とし物をただ拾うがごとき簡単なものではない事を認識すべきである。
その後の経緯は、各種報道により、詳細に取り上げられ、また、今後解明して行くので、ここでは省略する。
関連情報
⇒ 奄美大島沖不審船事件
⇒ 2002.5.7 国土交通省 海上保安庁 PM96あまみ 船橋展示
出動艦船
巡視船 PS03「いなさ」 (PS01みはし型) 平成2年1月31日 長崎
巡視船 PS04「きりしま」 (PS01みはし型)平成3年3月22日 串木野
領海警備を考慮して建造された、高速の180トン型巡視船。従来の小型巡視船が、排水型の船で有ったのに対し、滑走型の船型となっている。
在来型より7ktも高速な、35ktと、海上保安庁最高速の部類に入る。
海上保安庁観閲式では、高速機動など、豪快な航行を披露してくれる。
従来の小型巡視船とは、船体設計が大きく異なるので、斬新な高速艇スタイルとなっている。
基準排水量 182 t
全長 43 m
最大幅 7.5 m
深さ 4 m
主機 ディーゼル 3 基, ウォータージエット 1 基
速力 35 kt
航続距離 600浬
兵装 13mm単装機銃 ×1(不審船事件に対応する為、20mm機関砲に換装している船もある)
⇒巡視船 PS01 みはし型
巡視船 PS11 みずき(PS06びざん型) 平成12年6月9日 福岡
領海警備を考慮して建造された、180トン型巡視船。PS01みはし型の改良型で、より長期の連続行動が可能なようにされている。
基準排水量 197 t
全長 46 m
最大幅 7.5 m
深さ 4.1 m
主機 ディーゼル 3 基, ウォータージエット 1 基
速力 35 kt
兵装 なし(不審船事件に対応する為、20mm機関砲を搭載している船もある)
⇒巡視船 PS06 びざん型
巡視船 PM95 あまみ (PM95あまみ型) 平成4年9月28日 名瀬
周辺海域の領海警備を目的として建造された、新型の、350トン型巡視船。
従来の中型巡視船が、排水型の船で有るのに対し、半滑走型の船型となっている。そのため、7kt以上高速となっている。
船尾のスリップウェイでの、搭載艇の発進揚収が出来る。
マストは船橋後部にあるのが主マストで、船橋前部の1本マストは、航海灯用。
船橋前部の1本マストは、PM95 あまみ 、PM96 まつうら は、3段式の高いものだが、PM97 くなしり 、PM98 みなべ は、1段式の低いものとなっていて、より、スマートな印象となっている。
煙突は、船橋構造物後尾に、ちょこんと置かれている。
基準排水量 249 t
全長 56 m
最大幅 7.5 m
深さ 4.1 m
主機 ディーゼル2基
速力 25 kt
兵装 20mm多銃身機銃×1
⇒巡視船 PM95 あまみ型
(写真はDDG176ちょうかい)
DDG173 こんごう 平成5年3月25日 第2護衛隊群 第62護衛隊 佐世保
⇒護衛艦 DDG173 こんごう型
(写真はDD154あまぎり)
DD152 やまぎり 平成1年1月25日 第2護衛隊群 第2護衛隊 佐世保
⇒護衛艦 DD151 あまぎり型
【海上警備行動】 自衛隊法第82条に基づく措置。防衛庁長官は、海上における人命もしくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。この場合の措置は船舶停止、船路変更などを行うことができるほか、警察官職務執行法第7条を準用する形で武器も使用できる。
、海上保安庁が威嚇射撃をした事例としては、一九五三年八月八日、北海道・宗谷岬沖で旧ソ連のスパイ船に対して威嚇射撃をした時と、前回の能登半島沖の2例。
昭和28年8月8日、稚内海上保安署は、ソ連工作船が工作員を迎えに来るとの情報を入手し、巡視船「いしかり」「ふじ」を配備し警戒していたところ、ソ連漁業巡回船ラズエズノイ号が知来別海岸に接近中であるのを発見、「ふじ」の停戦命令を無視して火器を使用、逃走をはじめた。これに対し、「ふじ」は自動小銃及び拳銃により応戦、ソ連漁業巡回船ラズエズノイ号船長以下全員を逮捕する事に成功した。
−海上保安庁50年史−より
Soviet/Chi-Com Rocket Propelled Grenade (RPG-7)
旧ソ連、共産圏 ロケット榴弾 RPG-7
有効射程、固定目標には約500m、移動目標には約300m。
12インチの装甲綱板の破壊能力が有るとされる。
中東、ラテンアメリカで、テロリスト組織によって広範囲に使われている。
外観は、陸上自衛隊で使用している、110mmロケットランチャー なんかに似ているらしい。
有効射程の数字は、と言うより、もともと地上戦用の兵器ですから、自分も相手も、ぷかぷか揺れている海上では、どこまで飛ぶかより、ちゃんと狙えるかと言う事がポイントでしょう。100m離れたら、難しいのではなかろうか。手持ちの照準ですから。
本兵器は、対戦車用ですから、当たれば相当の破壊をした事でしょう。
船体なら、かなりの浸水、場合によっては沈没の危険も。
攻撃の要素としては、破壊力と共に、命中精度が要求されます。
脅かしの意味なら、何でもありですが、当たらなければ・・。
地上戦用の武器は、接近戦でないと、威力はありません。
飛ぶ範囲内ならは、まぐれ当たりの効果は0ではないでしょうけど。
なもので、艦対艦兵器として、使えるかというと、とても射程が足りません。
が、今回のような接舷阻止とか、破壊工作としては、十分使えるでしょう。
その意味では、敵さん特殊部隊と言えども、海戦の要を知らないのか、
日本がホンマニ当ててきたからパニックになったのか。
しかし、そのような武器を積んできているのですから、奴等は本気と言う事です。
軽はずみな、強行突入検挙論など、世界には通用しないと言う事です。
接舷乗船を果たしていたら、もち、白兵戦です。
我が方には、相当の覚悟を必要とします。
海上保安庁は、文字どおり、全力で我が国を外的から守ってくれています。
資料編
艦船の用語
軍事・艦船の用語の解説です (最新更新日:1998年12月6日)
出版社・資料の紹介
軍事・艦船の おなじみの出版社・資料を紹介します (最新更新日:1999年9月28日)
電子資料の紹介
CD-ROMなどを紹介します (最新更新日:1999年11月10日)
実弾と訓練用弾
実弾と訓練用弾の識別に付いて整理をしてみました (最新更新日:2001年2月3日)
海上自衛隊・資料館
海上自衛隊・資料館の一覧です (最新更新日:2001年2月4日)
自衛隊・連絡先
自衛隊の連絡先の一覧です (最新更新日:2001年2月4日)
世界の重工業企業
造船などの重工業について整理をしてみました (最新更新日:2001年3月31日)
各国の軍隊名称
各国の軍隊の名称について整理をしてみました (最新更新日:2001年4月10日)
組織図、編成表、艦艇一覧表
組織図、編成表、艦艇一覧表です (最新更新日:2001年4月12日)
階級呼称
階級について、整理してみました (最新更新日:2001年4月19日)
階級章
階級章について、整理してみました (最新更新日:2001年4月19日)
関連資料
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新規作成日:2001年12月22日/最終更新日:2001年12月26日