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青い直線

言葉は記憶の彼方へ(め行1頁目:めあ〜めて)

青い直線
  1. 明治維新と地上げ
  2. 明治の煙草王
  3. 名誉白人
  4. 迷惑な「訪問客」
  5. 鍍金
  6. 滅菌
  7. メグスリノキ
  8. 盲蛇に怖じず
  9. 飯盛女
  10. メスピペット
  11. メタボリック症候群
  12. メタン
  13. メタンフェタミン
  14. メチオニン
  15. メチルアルコール
青い直線

明治維新と地上げ

明治維新直後、政府の庁舎の建設などのため、広大な更地が必要になった。大手町など江戸城に隣接した土地には、大名の上屋敷がならんでいたので、これを接収することにより、再開発にともなう大規模な地上げをすることなく、新政府の基盤を速やかに作ることができた。大名屋敷の項も参照のこと。(2007.4〜11)

明治の煙草王

めいじのたばこおう。岩谷松平(いわやまつへい)、1849〜1920。薩摩に生まれた。西南戦争で家を焼かれて上京し、1878年、銀座3丁目に、呉服と故郷の特産品を扱う店、”西南國産賣弘所”を開く。1884年頃、煙草は刻み煙草をキセルで吸うのが主流だった時代に、いち早く”天狗煙草”という商標で、ハイカラな口付煙草を発売する。原料は国産を使った。社名も”岩谷商会”に変更した。

品質で、”金天狗”、”銀天狗”、太さで”大天狗”、”中天狗”という商品名であった。赤い軍服のような衣装、”赤服”を着て、赤い馬車に乗って銀座をまわって煙草の宣伝をした。派手な宣伝で話題になり、そのキャッチフレーズには”大安売りの大隊長”、”国益の親玉”、”広告の親玉 赤天狗参上!”、”東洋煙草大王”、”勿驚(おどろくなかれ)税金たったの五十万圓(えん)”、”慈善職工三萬人(じぜんしょっこうさんまんにん)”などがあった。新聞では、福沢諭吉が1882年に発刊した「時事新報」に、広告を載せている。新聞広告は当時では珍しかったという。

村井吉兵衛(むらいきちべえ)1864〜1926年。岩谷のライバル。1892年、日本橋室町2丁目に”村井兄弟商会”の支店を出して、煙草の販売をはじめる。米国資本の入った会社で、原料も米国産を使い、製造技術も欧米から導入し、口付きではなく、両切煙草で、銘柄は”サンライス”、”ヒーロー”など洋式の名を付けた。ハイカラなポスターやパッケージにおまけとして入れた”煙草カード”で宣伝を行ったという。また、宣伝カーの行列のような”村井兄弟商会宣伝隊”を町に繰り出して、岩谷に対抗した。

村井との宣伝合戦では、岩谷は”輸入退治天狗”、”愛国天狗”、” 国益天狗”、”御慶(ぎょけい)天狗”などの国粋的な銘柄名の商品も発売した。

日本の煙草界の覇権を目指したこの戦いは、煙草が専売になる1904年まで続いた。この戦いを通して、広告技術が革新されたという。(2007.12.24)

名誉白人

めいよはくじん。1961年以降、南アフリカでは、入官、バス、トイレ、居住等に関して、日本人を白人として扱うことになった。これにともないできた言葉。当時、アメリカでも日本人が白人の席に座るのか、有色人種の席なのか、公民権法で人種差別が違法となった1964年より前には、混乱があった。

人種差別がなくなれば死語になると予想される。(2007.4〜11)

迷惑な「訪問客」

日経2007年12月15日付朝刊、モニター2512人の回答。

1位 約束の時間に大遅刻
2位 長時間、居座る
3位 約束をしていないのに突然来る
4位 断りなく家のなかを「探検」する
5位 予定外の友人・知人を連れて来る
6位 子どもの不始末を親が注意しない
7位 トイレの使い方が汚い
8位 断りなく室内でたばこを吸う
9位 夜遅くまで大声で話す
10位 子どもがソファでジャンプする
11位 子どもが室内を走り回る
12位 断りなく台所に入ってくる
13位 子どもがぼろぼろと食べこぼす
14位 香水や整髪料のにおいがきつい
15位 約束の時間より早く来る
16位 風邪をひいているのに来る
17位 家具や食器の値段をしつこく聞く
18位 家具や置物をべたべたとさわる
19位 かかってきた携帯電話で長時間話す
20位 料理の批評をくどくどと言う

(2008.05.29)

鍍金

めっき。漢字の読みから"ときん"ともいう。古くは"滅金"と表記され、日本語であって、外来語ではない。金属表面を保護する目的で行われる加工法のひとつ。プラスチックなど非電導体は、その表面を電導体でコートして鍍金することもある。江戸時代まではアマルガムが用いられ、例えば、奈良の大仏は青銅に金アマルガムで鍍金されていた。明治以降は電気鍍金が行われ、例えば、トタンは鉄に亜鉛を、ブリキはスズを鍍金したもの。

私の眼鏡はチタンに金鍍金を施したもの。少し重いが、予算が許せば今度は金無垢(きんむく、鍍金ではなく中まで金)のものが欲しい。(2010.02.09)

滅菌

めっきん。菌の一部を死滅させるのが殺菌で、全ての菌を死滅させることを滅菌という。消毒についても、殺菌でよいのか、滅菌までいかないと駄目なのか考える。例えば、ヌードマウスの飼料などは滅菌していないと、不可。(2008.08.18)

メグスリノキ

目薬木。カエデ科の落葉樹。江戸時代、黒田藩の家老の”黒田”がこの木の樹皮から目薬を作り販売していた。明治維新に伴い、”黒田”という名を返上し名前も変えたが、薬屋の家業は変わらず、今でも博多の中州で薬屋を営んでいる。家老は、黒田官兵衛から製法を教わったのだろうか。

メグスリノキから作った”目薬”は、本当に効くんだろうか。この木に由来した”健康食品”は多数あるようだ。”メグスリノキ”でググると、そういうサイトが山のように出てくる。それらのサイトによると、有効成分はエピ・ロードデンドリンらしい。

検索結果をよく見ると、ほとんどのサイトがコピペでできていて、”エピ・ロードデンドリンというアルカロイドに近い有効成分”という共通した表現が見られた。そこで、”アルカロイドに近い”だけでググって見たら、またも、この健康食品の宣伝が山のように出てきた。アルカロイドは有毒なものが多く、植物の液胞に配糖体の形で貯蔵されるが、エピ・ロードデンドリンは配糖体だが、アルカロイドではない。

メグスリノキのサイトの典型的な文例を以下に示す。

”最近現代科学の目が向けられたのは、星薬科大学の研究で、メグスリの木の 樹皮に、エピ・ロードデンドリンというアルカロイドに近い有効成分が含まれて おり、この成分に肝機能を活性化する働きのあることが、証明されました。”

そこで、この文を元にググると、次のことが解った。

前者の雑誌は、邦文、国際誌ではない。後者は国際的な学術雑誌だが、近年のインパクトファクターは1に満たない。つまり、三流雑誌。

NOは血管を拡張させて、血圧を低下させる作用のある生理活性物質。この場合はNOの産生を抑えるので、全身に対する作用としては血圧が上昇。塗り薬などで局所に使った場合は、炎症を抑える効果が期待できるということ。

マウスや培養細胞の結果が直ちに人間に適用されるわけではない。従って、作用が証明されたとか、実証されたとはとてもいえる段階ではない。それに、薬として有用である可能性があれば製薬会社がじっとしているはずはない(どこかの製薬会社が開発中という情報は聞いたことがない)。

メグスリノキの樹皮には、クマリン誘導体も含まれるという。この化合物は、血液凝固を抑制する作用があり、この系統の化合物は殺鼠剤に使われている。メグスリノキから作った”健康飲料”は、念のため飲み過ぎないようにした方がよさそうだ。不整脈などで、血液凝固を抑える薬を飲んでいる人は、薬が効きすぎる恐れがあるので、特に注意が必要だろう。(2008.05.24)

盲蛇に怖じず

めくらへびにおじず。読んで字の如し。(2007.4〜11)

飯盛女

めしもりおんな。江戸時代の宿場にいて、給仕をしていたが、この言葉で呼ぶときは私娼をさすことが多かった。幕府公認ではなかったが、黙認されていた。(2007.4〜11)

メスピペット

英:measuring pipette、独:Messpipette。日本語のメスピペットの語源は独語のそれをカタカナで表したものと思われる。ガラス製のピペットで、ホールピペットの目盛りは1本だけだが、こちらには定規のように目盛りが付いている。用量は、0.1から10mlくらいが一般に使われていると思う。容量が小さいものほど肉厚になるが、意外にもろく、折れやすい。

メスピペットのメスは、メスフラスコやメスシリンダーのメスと同様、独語のmessen(メッセン、測る)に由来する。なお、メスピペットを背中を掻くのに使ってはいけない。(2010.03.01)

メタボリック症候群

略して、メタボと言うこともある。また、内臓脂肪症候群とも呼ばれる。ウエストが身長に関係なく、基準値より大きいとメタボリック症候群とされる。”メタボリック症候群”、”metabolic syndrome”という言葉がタイトルにある論文をネット上で調べてみると、大部分が日本語の論文だった(2007年9月)。つまり、日本でのみ騒がれているということ。少し、厚生労働省の医療費を抑制しようとの意図を感じる。

基準値は最近変更された(2007年9月)が、ウエスト男性90cm以上、女性80cm以上で、かつ、

の3項目中2項目以上に該当する人。

この値を中心になって決めた日本肥満学会は社団法人ではない。”メタボ”という略称で言われるようになってきたので、しばらくは流行する言葉のように思えるが、胡散臭(うさんくさ)い言葉だ。(2007.4〜11)

メタン

CH4。正四面体、即ち、正三角形の面4つでできている立体の、中心部に炭素原子が、4つの頂点にそれぞれ水素原子が位置していて、炭素原子と水素原子は共有結合しているので、燃えない限り、非常に安定な分子である。自然界では、有機物が分解するとメタンガスを発生することが多い。(2007.4〜11)

メタンフェタミン

methamphetamine。漢方薬の麻黄の主成分であるエフェドラからエフェドリンを経て、合成される。日本では覚醒剤といえば、日本で開発されたこともあって、専らこの化合物。商品名”ヒロポン”はほとんど死語となった。

ドーパミンおよびノルアドレナリン神経伝達物質とする脳内のニューロンへの再取り込みを阻害することにより、ドーパミンとノルアドレナリンの作用を高める。覚せい剤取締法で規制され、取扱いには資格が必要。MDMAも参照のこと。(2009.08.05)

メチオニン

methionine、C11NOS。糖原性アミノ酸で、側鎖に硫黄を含む疎水性の高い必須アミノ酸。対応するコドン(トリプレットコード)は”AUG”のみで、蛋白合成の開始コドンである。含硫アミノ酸には、メチオニン以外にシステインがある。

殆どの食品に含まれ、特に、ホウレンソウ、ニンニク、チーズ、豆腐などに多く含まれる。サプリメントとして摂取する際には、摂りすぎると動脈硬化や胃癌のリスクを高めることが示唆されている。(2008.10.25)

メチルアルコール

methyl alcohol。メタノール( methanol)ともいう。”MeOH”と表記して、メタノールと読ませることもよくある。示性式は、CHOH。分子量の最も小さなアルコール。

エチルアルコールより分子量が小さいだけ、揮発しやすいので、引火の危険性は高くなる。臭いはエチルアルコールと区別がつきにくい。

人間が飲んだ時の最小致死量は、0.3〜1.0g/kgと推定されている。肝臓で代謝され、ホルムアルデヒド、さらに代謝され蟻酸が生成される。蟻酸は分子量が最小のカルボン酸

メチルアルコール中毒は、蟻酸の毒性が原因となっている。人間は蟻酸を分解する能力は不十分。飲んだ当初は酔うだけで中毒症状は見られないが、時間がたつと体内で蟻酸が生成されてきて、症状が出る。治療はエチルアルコールを大量に投与すること。両者とも代謝に関与する酵素は共通なので、少しでもメチルアルコールの代謝を抑えて、蟻酸の生成をゆっくりとする。(2007.4〜11)

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