帆船時代の海戦
帆船時代の海戦
帆船時代の艦艇の戦闘形態
帆船時代の艦艇の戦闘形態には、以下のようなものがある。
- 艦対艦の戦闘
単艦同士、艦隊同士、単艦対艦隊の場合がある。
- 艦対陸の戦闘
陸上砲台との砲撃戦。
- 敵艦の争奪
ボートに分乗した部隊により、敵艦に移乗し、乗っ取る。
- 火攻め
可燃物を積載して燃やし、敵艦隊に向けて進め、焼き討ちする。
海戦
- 索敵
快速のフリゲートなどにより索敵し、発見後直ちに本隊に合流、敵情を伝える。
- 戦闘準備
砲の準備を整え、陣形を構成する。
- 占位
操船の自由度から風上に位置するのが有利である。
- 戦闘
砲戦時には、ある程度帆を畳むなどして、風の影響を受けないようにする必要がある。
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帆船である以上、帆に風を受けて航行するのだが、あまり風を受けすぎると、船体が傾く。
このとき、風上側の艦においては、搭載してある舷側砲の仰角がある程度以上には上げられないため、砲口が海を向いてしまい敵艦を狙うことが出来なくなる上、敵艦からは甲板を無防備に晒すことになる。甲板を直撃されれば兵員の損害が大きくなり戦闘力を失う。
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また、風下側の艦においては、搭載してある舷側砲の仰角がある程度以上には下げられないため、砲口が空を向いてしまい敵艦を狙うことが出来なくなる上、敵艦からは船底を無防備に晒すことになる。船底に穴があけば、傾斜が戻ったときに一気に浸水して沈没してしまう恐れがある。
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占位
フランス海軍では、風下を好んだ。これは、兵力を温存し防御的範囲を好むものである。
イギリス海軍では、風上を好んだ。これは、攻撃的主導権を握るものである。
射撃目標
フランス海軍では、主にマストなどを狙った。これは、敵艦の航行能力を喪失させるものである。
イギリス海軍では、主に舷側を狙った。これは、敵艦の攻撃能力を喪失させるものである。
同航戦
敵味方の艦隊が共に併走しつつ交戦する体形。
同航戦の場合、相対速度はほぼゼロとなり、接触時間が長時間に及ぶ、決定的な破壊を行うことが出来る。
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反航戦
敵味方の艦隊が共に反航しつつ交戦する体形。
反航戦の場合、相対速度は各艦隊の合計となり、接触時間が短時間に終わるため、決定的な破壊には至らない。
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戦闘が始まった後、主に戦闘を行う戦列艦の列の外側に、フリゲートを配置する。
各艦との通信は信号旗によるが、艦列の後方に確実に伝えるためには、このフリゲートを介して行う。
旗艦よりフリゲートに伝達し、フリゲートは各艦に対して伝達してゆく。
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- 追撃
形勢不利となった側は敗走し、これを追撃する。
- 論功
勝利者の指揮官は、爵位や領地が与えられる。
このほか、捕獲賞金が得られる。
拿捕し本国に持ち帰られた敵艦は、政府によって評価額が算定され、分配される。
指揮官1/8、艦長3/8、乗員1/2(士官1/8、下士官1/8、兵員2/8)。
(仮に現代艦艇であてはめると、400億円相当の艦を勝ち取った場合、艦長は150億円もらえるということになる。)
参考
⇒ 船の歴史
⇒ 帆船の歴史
⇒ 日本の船/和船
⇒ 海の歴史
⇒ 古代の帆船
⇒ 大航海時代
⇒ 大航海時代の船
⇒ マゼランとビクトリア号
⇒ カラック
⇒ トラファルガー海戦時の信号旗
⇒ オランダ東インド会社
⇒ 幕末の黒船
⇒ 動力船の歴史
⇒ 帆船時代の艦載兵器
⇒ 搭載艇
⇒ 艦艇の種類(時代と変遷)
⇒ 帆船の種類
⇒ 艦隊陣形
⇒ 戦列艦
⇒ 帆船時代の海戦
新規作成日:2007年7月6日/最終更新日:2007年7月6日