RC住宅建設ナビ
田中設計
昭和49年開設
東京都品川区小山台1-15-4
TEL・FAX 03-3791-0176
設計資料室
東京都渋谷区広尾2-5-15
携帯TEL 090-9974-0176
代表 田 中 邦 男(S20年生)
1974年一級建築士免許取得
東京都防災ボランティア登録
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コンクリートの水セメント比
コンクリートの原料は、主にセメントと砂利、砂、水です。 混ぜ合わせると、
化学反応が起きて、セメントに含まれる珪素やカルシウムの周りを
水が取り囲むような構造になり、強度が出ます。
下記は生コンの配合報告書で、コンクリート打ちに先立ち、プラントメーカー
から工事元請に提出され、当設計で承認したものです。 この建物の
コンクリートは、設計基準強度21N/mm2、品質基準強度24N/mm2、
スランプ15、比重2.3で設計しています。
水セメント比は、この表の下段の方に55.3%とありますが、これはセメント
304kgに対して、水168kgで作った生コンを表し、この比率がコンクリートの
中性化に大きく影響を与えます。水セメント比を上げると軟いコンクリート、
下げると硬いコンクリートになり、中性化を遅くするには、硬いコンクリートが
良いのです。ただ、コンクリート打ちの施工性に問題があります。しかし
現在、良い混和剤が開発され、その問題も解消されつつありますが。
現場の施工性ためには、 空気と自由水は、強度の
空気と水は大きい方が良い ためには、小さい方が良い
本来セメントが硬化するのに必要な水量(kg)は、セメント量(kg)に対して、
水和反応に約25%、ゲル水(結合水)として約15%、合計約40%
程度です。 40%より少ないと、うまく固まらず強度が出ません。 これは
絶対避けなければならないことです。40%以上の水は自由水・遊離水・
余剰水といわれ、生コンの流動性を確保するためや、打設時の
自然蒸発水等としてある程度必要ですが、過剰にあるとまた問題で、
強度低下、耐久性低下 等を引き起こします。 
また、コンクリートの中に分散した自由水・遊離水・余剰水(水や水蒸気)は、
コンクリート打ちから約3年間は、急激に水蒸気を放出します。この水蒸気
の放出で乾燥したコンクリートは収縮し、ひび割れが発生します。自由水が多いと
乾燥収縮が大きくなり、自由水が少ないと乾燥収縮が小さくなります。
ひび割れ幅は何とか 0.3mm未満に押えたいです。
住宅性能表示のコンクリートの劣化対策等級は下記のようになっています。
等級3 建築基準法のかぶり厚さの場合は水セメント比45%以下
     建築基準法のかぶり厚さ +10mmの場合は水セメント比50%以下
等級2 建築基準法のかぶり厚さの場合は水セメント比50%以下
     建築基準法のかぶり厚さ +10mmの場合は水セメント比55%以下
長期優良住宅法では等級3です。
このことは、水セメント比の自由水・遊離水・余剰水を減らしたり、かぶり厚さを
増す方法も、劣化対策上有効であることを示しています。
完成したコンクリート住宅は、コンクリートからの水蒸気に、生活から発生する水蒸気が
加わって、結露を発生し易い状態を作り出しますので、入居から3年間、特に最初の1年間は
窓を開け・換気扇をまわし、住居内の水蒸気をどんどん外に排出しなければなりません。
例えば、新築美術館は完成から1年間は 「からし期間」 としてオープンせず、換気に努めるそうです。
コンクリートを打設した後で、コンクリートの中に含まれる自由水・遊離水・余剰水
による湿気 (水と水蒸気の混在したもの) が安定した状態になるまでには、
約10年かかると言われています。 この間は外装を打ち放しコンクリートにして水や
水蒸気 等を放出し易くするのも、一つの方法です。