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コンクリートの水セメント比 |
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コンクリートの原料は、主にセメントと砂利、砂、水です。 混ぜ合わせると、 |
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化学反応が起きて、セメントに含まれる珪素やカルシウムの周りを |
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水が取り囲むような構造になり、強度が出ます。 |
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下記は生コンの配合報告書で、コンクリート打ちに先立ち、プラントメーカー |
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から工事元請に提出され、当設計で承認したものです。 この建物の |
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コンクリートは、設計基準強度21N/mm2、品質基準強度24N/mm2、 |
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スランプ15、比重2.3で設計しています。 |
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水セメント比は、この表の下段の方に55.3%とありますが、これはセメント |
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304kgに対して、水168kgで作った生コンを表し、この比率がコンクリートの |
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中性化に大きく影響を与えます。水セメント比を上げると軟いコンクリート、 |
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下げると硬いコンクリートになり、中性化を遅くするには、硬いコンクリートが |
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良いのです。ただ、コンクリート打ちの施工性に問題があります。しかし |
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現在、良い混和剤が開発され、その問題も解消されつつありますが。 |
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現場の施工性ためには、 |
空気と自由水は、強度の |
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空気と水は大きい方が良い |
ためには、小さい方が良い |
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本来セメントが硬化するのに必要な水量(kg)は、セメント量(kg)に対して、 |
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水和反応に約25%、ゲル水(結合水)として約15%、合計約40% |
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程度です。 40%より少ないと、うまく固まらず強度が出ません。 これは |
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絶対避けなければならないことです。40%以上の水は自由水・遊離水・ |
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余剰水といわれ、生コンの流動性を確保するためや、打設時の |
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自然蒸発水等としてある程度必要ですが、過剰にあるとまた問題で、 |
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強度低下、耐久性低下 等を引き起こします。 |
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また、コンクリートの中に分散した自由水・遊離水・余剰水(水や水蒸気)は、 |
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コンクリート打ちから約3年間は、急激に水蒸気を放出します。この水蒸気 |
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の放出で乾燥したコンクリートは収縮し、ひび割れが発生します。自由水が多いと |
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乾燥収縮が大きくなり、自由水が少ないと乾燥収縮が小さくなります。 |
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ひび割れ幅は何とか 0.3mm未満に押えたいです。 |
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住宅性能表示のコンクリートの劣化対策等級は下記のようになっています。 |
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等級3 建築基準法のかぶり厚さの場合は水セメント比45%以下 |
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建築基準法のかぶり厚さ +10mmの場合は水セメント比50%以下 |
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等級2 建築基準法のかぶり厚さの場合は水セメント比50%以下 |
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建築基準法のかぶり厚さ +10mmの場合は水セメント比55%以下 |
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長期優良住宅法では等級3です。 |
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このことは、水セメント比の自由水・遊離水・余剰水を減らしたり、かぶり厚さを |
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増す方法も、劣化対策上有効であることを示しています。 |
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完成したコンクリート住宅は、コンクリートからの水蒸気に、生活から発生する水蒸気が |
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加わって、結露を発生し易い状態を作り出しますので、入居から3年間、特に最初の1年間は |
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窓を開け・換気扇をまわし、住居内の水蒸気をどんどん外に排出しなければなりません。 |
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例えば、新築美術館は完成から1年間は 「からし期間」 としてオープンせず、換気に努めるそうです。 |
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コンクリートを打設した後で、コンクリートの中に含まれる自由水・遊離水・余剰水 |
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による湿気 (水と水蒸気の混在したもの) が安定した状態になるまでには、 |
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約10年かかると言われています。 この間は外装を打ち放しコンクリートにして水や |
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水蒸気 等を放出し易くするのも、一つの方法です。 |
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