TEL/FAX03-3787-1317 / Eメールはこちら
HOMEプロフィールProfile施工例WORKS業務内容ServiceトピックTOPICS住まいのQ&ABLOG LINKS
豆ちしき
 かしこい物件の探し方
 建築条件付のからくり
 ○誰に設計してもらう?
 ○ウチは丈夫な家らしい
 ○建売住宅はお得?
 ○土地の境界が2つ存在する?
 ○よくある契約のトラブル
 ○建売の時代は終わりを告げる・・・?
 ○建売住宅と注文住宅の法律の違い
 ○ローコスト住宅だからこそ設計事務所
 ○仲介宅建業者の責任はどこまで? 
 ○リフォームはどこに頼むのがよい?
 ○リフォームの時期はいつがよい?
 ○相見積の金額に差があるのはなぜ?
 ○失敗しない打合せの方法とは?
建売住宅はお得?
 
 建売住宅の構造設計をする機会があり、建売住宅の「裏側」を少し垣間見たのでお話したいと思います。
つまり建売住宅には「よい点」と「短所」を知ることができたのです。
建売住宅とはどういうものかちゃんと理解され納得されて購入されるのであれば、なんら問題は無いですし、
お買い得だと思います。

 建売住宅の特徴として以下に述べていきます。

(1)目に見える所ははやりの設備や仕様になっています。
  価格帯はファミリー層の買える範囲が前提です。
  そこから逆算して、価格の大半を占める敷地の広さが決まっているんです。
  ファミリー層が喜びそうな「つくりやしかけ」が盛り込んでありますね。
 ・部屋が狭くても部屋数を重視する。
 ・水周りだけはグレードが高そうな仕様としている。
  あくまでもシステムキッチンやユニットバスという範囲での話。
 ・対面式キッチンは定番です。家族が一同に集まらないのに対面にする必要はありますか?
 ・狭小敷地では採光が確保できないので、「納戸」や「サービスルーム」と明記されていることが多いです。


(2)既製品の寄せ集めでしかない、昨今の住宅事情。
  どんな場所でも同じ仕様、同じ間取りは工事の単純化とコストダウンが目的です。
  住まい手の暮らし方とは何ら関係ありません。
  誰が住むかもわからない間取りにあわせて住めといわれているようなものですよ。
  年々多様化している家族構成や多様なライフスタイルと大きなギャップが生まれつつあります。
 ・天井、壁、床仕上は既製品のビニルクロス、フローリングが定番で選択肢が少なく発想が貧弱です。
 ・狭いバルコニーは単なる洗濯物を干すだけのスペースに成り下がっています。
 ・トイレや洗濯機置き場の位置によっては、1階から3階までいったりきたりすることに。
 ・階段は余裕のない回り階段でふみ面が狭い。毎日の上り下りは大変ですよ。


(3)木造3階建ての場合は構造計算が必要なのでちゃんとした根拠の元、安全性は最低限クリアしています。
   「耐震等級」がいくつで設計されているか確認してみましょう。
  等級1=建築基準法と同じ(最低限の安全性、といっても震度6,7で倒壊しない程度)
  等級2(等級1の1.25倍の地震に対抗)
  等級3(等級1の1.5倍の地震に対抗)
 勿論、予算も等級が上がるにつれ割増になります。

(4)図面と出来上がったものが一致しているかは誰がチェックしてるの?
  →本来、監理者といって図面と照合する技術主任者がいてチェックをします。
   しかし、建売住宅の場合複数棟同時に建てるのが普通なのでいちいち1棟ごとに時間を費やしません。
   致命的なミスはないにしても、実際は現場監督まかせで名ばかりの「監理者不在」が多いです。
   同じ間取り、同じ仕様で施工性を単純化、合理化してコストを下げているのが現状です。
 

建物全体の質は、住まい手が考えているものよりずっと低い。
  →建売住宅を売る側としては、早く売却することを望んでいます
その理由は一時的にも土地を購入しており、売却が早ければ早いほど支払う利息は少なくなるからです。
 ですので、販売側にとって売れ残りは非常に大きなマイナスとなります。
また、企業である以上宣伝チラシをはじめ週末の土地見学会など広告宣伝費もかかっています。
そうなると建物の予算はどうしても最低限しかかけないと思うのが普通ではないでしょうか。
勿論、その広告宣伝費も販売価格に含ませています。
 水周りに一流メーカーを使っていても通常のカタログの製品ではありません。
建売住宅専用の品番になっており、微妙に仕様が異なります。
 施工者も下請けですから、低予算なのに時間をかけていたら儲けが出ません。
 となると、最低限の仕事しかしたくありませんよね。



(6)建売住宅の致命的な問題は最初から住まいの可能性を放棄したこと。
  本来、住まい方は多様。ですから、住まいの基本はオーダーメイドです。
  住む前から誰が住むのかわからないのに間取りが決まっていたら、住む人が間取りに合わせて住むしかありません。
  それで、本当に快適な生活は成り立つのか疑問です。

(7)ローンの意味を改めて考えてみましょう
  漫談家の綾小路きみまろ氏のいうように、「ローンを払い終わったら家はボロボロ、身体もボロボロ・・・」
ローン返済期間はおよそ30年、会計上の木造住宅の法定耐用年数は長くて22年。
つまり、
ローンを支払い終わる頃には建物の価値は0になってしまい、残ったのは利息のついたローンと土地だけです。
この事実、どう受け止めますか?
 勿論、法定耐用年数がすべてではありません。常日頃のメンテナンスが寿命を延ばします。

 ※決して欠陥や手抜きでないにせよ、本当に必要最低限の手間隙しかかけていないといっても過言ではない住まいにローンを組んでまでして住みたいと思えるつくりにその家はなっているかもう一度考えて見ましょう。
 価格そのものが安い高いよりは、妥協してまでマイホームを持ちたいのか、何十年もローンを支払うことに抵抗がないのかどうかも重要です。 
  実は家を買わないという選択肢もあるのだということも、考えてみてください。