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青い直線

言葉は記憶の彼方へ(か行5頁目:かほ〜かや)

青い直線
  1. 芽胞
  2. カッポク
  3. 南瓜
  4. 鎌倉野菜
  5. 釜鳴り
  6. 噛み煙草
  7. カメ
  8. 亀戸ダイコン
  9. 瓶覗
  10. カメムシ
  11. 仮面鬱病
  12. 仮面高血圧
  13. 蚊帳
  14. 蚊遣火
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芽胞

がほう。細菌のなかには生存条件が悪くなると、芽胞といわれる固い殻を作って閉じこもってしまうものがある。100°Cで煮沸しても死なない、消毒薬によっては効かなくなる。オートクレーブは有効。(2007.4〜11)

カッポク

Kapok、Ceiba pentandra L.。カポック、キワタカポックと呼ばれることもある。パンヤ科インドワタノキ属に属する高さ10〜15mの落葉高木で、主としてインドネシアで栽培される。その実からとれる種子毛繊維(長さ18〜27mm、直径約20μm)は枕、ぬいぐるみなどの詰め物や布団綿の代用に使われ、その場合はパンヤと呼ばれる。撥水性も高く、中空なので救命胴衣の詰め物に使われたこともあった。日本では観葉植物。(2008.12.02)

南瓜

かぼちゃ。アメリカ大陸原産で、ポルトガル語からきている。唐茄子(とうなす)とも呼ぶ。古今亭志ん生には、「唐茄子屋政談」という噺がある。江戸野菜居留木橋南瓜内藤南瓜も参照のこと。(2007.4〜11)

鎌倉野菜

かまくらやさい。江戸野菜や京菜と違い、特定の品種があるわけではない。鎌倉の野菜農家が交代で店を出すシステム(鎌倉市農協連即売所)で売られている野菜のこと。1928年(昭和3年)から続いているという。(2009.05.02)

釜鳴り

へっついでご飯を炊くと、木製の重い蓋を蒸気が持ち上げて金属製の釜を震わせるので、釜が”ゴワーン”と鳴る。超常現象でも、お伽噺の1シーンでもなく、火力が丁度よくて、ご飯がうまい具合に炊けつつあることを表わしている。江戸時代の迷信では、釜鳴りは未使用の腰巻をかけると止まるという。使った腰巻、特に、老嬢などが使ったものをかけるのはごめんだ。(2009.08.22)

紙の色々。

[唐紙] [雁皮紙]

(2008.09.16)

かみしも。江戸時代の武士の正装だが、町人も礼装として着用した。小袖の上に同じ生地で作った肩衣と袴を着けた。歌舞伎や時代劇などの衣装と違い、実際の裃は肩衣の幅も狭く、ヨレヨレだったりして、あまり威厳を感じない。現在でも、祭りや芝居用の衣装としての需要があるので専門店で販売している。

裃の生地には細かい模様が入っているが、この模様が発展して江戸小紋ができた。裃は峠や垰と同じく漢字ではなく国字。(2008.09.22)

噛み煙草

かみたばこ。煙草の葉と石灰などの混合物を噛んで、口腔粘膜(こうくうねんまく)の毛細血管からニコチンを吸収させる。古い西部劇などで、噛み煙草をやるシーンが見られる。口腔癌(こうくうがん)の原因になるともいわれている。日本では噛み煙草用の葉は市販も輸入もされていないようだ。

噛み煙草は終わった後に吐き出すので、公共の場でこれをやると嫌われるだろう。台湾やインドでは、ヤシのなかまのビンロウジュの赤い実の薄切りと石灰を混ぜたものを噛む習慣がある。有効成分はアレコリン(arecoline)で、ニコチンと同様に興奮作用や覚醒作用があるようだ。歩道にこれを吐きだしたものが散乱していて不潔だ。(2007.12.24)

カメ

土建業界用語。ブルドーザーが作業中に埋没して脱出不能となること。土に埋まったら”泥ガメ”、岩石では”石ガメ”という。(2009.11.11)

亀戸ダイコン

江戸野菜。亀戸と言えば天神様だが、ダイコンもある。やや繊維質で、青首の系統と白首の系統があり、煮物に適している。現在では、江戸川、葛飾、埼玉、千葉に産地が移動している。小振りなので少人数の家庭でも、残さず使える。(2007.4〜11)

瓶覗

かめのぞき。藍染の瓶に一寸だけ浸して染めたもの。それを”覘いた”と、洒落て表現した。覗色(のぞきいろ)ともいう。見ての通り、淡い藍染の色だが、少し緑がかっている。更に薄いと藍白と呼ばれる。
HTML color code:c0e0e1。(2008.08.22)

カメムシ

針のような口の昆虫で、植物の液を吸う。キンカメの仲間はコレクターのアイテム。サシガメのように、昆虫や哺乳動物の体液を吸うものもいる。いじめると悪臭のあるガスを発して逃げる。ガスは、体内に酸化剤と還元剤を別々に貯蔵していて、それらを混ぜて起こる爆発で発生する。その爆発で命を落とすこともあるという。カメムシの還元剤はハイドロキノン。(2007.4〜11)

仮面鬱病

かめんうつびょう。便秘、下痢、食欲不振などの消化器症状、頭痛、めまいなどの神経症状、肩や腰などの体の特定部分の慢性的な痛みなどの身体症状が前面に出て、精神症状が”マスク(仮面)”されている鬱病。当人も体の不調を感じるものの、精神的な症状の自覚がないことが多い。内科を受診して、症状が改善されず、自律神経失調症と診断されることも多い。精神科の受診をためらい、専門医により仮面鬱病であることが診断されないと、適切な治療を受けられず、病気が長引く可能性がある。

一般の鬱病でもそうだが、重症の時期は何をする元気もないが、適切な薬物治療が行われ病状が回復に向かうと、自殺をする元気が出てくるので、家族は患者を1人で外出させてはいけない。それから、患者を励ましてはいけない。(2007.12.17)

仮面高血圧

お医者さんから見て、”まるで仮面を被っているように高血圧であることが見えない”タイプの高血圧。このことが明らかになる過程には、家庭用血圧計(使い方は家庭における血圧測定法を参照のこと)の普及が貢献している。この装置は特に日本で普及してきたので、仮面高血圧は日本の研究が主力となって解明されてきた。薬物療法の対象となる。

いわゆる職場高血圧
職場や家庭でストレスにさらされていて、普段の血圧が高い人では、病院での待ち時間にリラックスして血圧が低く出る。病院を出ると、また、あがる。別名、逆白衣高血圧。
早朝高血圧
就寝中も高いタイプと、起床してから急激に上昇するタイプがある。早朝高血圧の原因を参照のこと。

反対語は白衣高血圧。(2009.08.27)

蚊帳

かや。日本では使われなくなったが、蚊などの害虫を防ぐため寝る時に室内に取り付けて使う網。網目は細かく、伝統的には麻、近年は合成繊維でできている。麻製の萌黄の蚊帳は現在でも西川で売っている。

住友化学の”オリセットネット”は防虫剤(ピレスロイド)を練りこんであり、洗濯しながら使用しても5年間の耐久性があるという。殺虫剤を購入する必要がないので、アフリカにおけるマラリア対策に需要が高い。ただし、この薬剤に耐性の蚊が出現し始めているので、効果については予断を許さない。タンザニアでは、2005年9月には、現地企業との合弁会社が生産を行っており、ODA予算も使われている。(2008.08.27)

蚊遣火

かやりび。殺虫成分(ピレスロイド)を含む除虫菊(シロバナムシヨケギク)の花を使った渦巻き型の蚊取り線香が発売されるまでは、単なる煙でカを追いはらっていた。文字通り、カを追いやる火ということ。(2007.4〜11)

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