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青い直線

言葉は記憶の彼方へ(か行4頁目:かち〜かへ)

青い直線
  1. 徒歩新宿
  2. カチンの森
  3. カツギ屋
  4. ガッツポーズ
  5. 家庭における血圧測定法
  6. 家庭訪問
  7. カテキン
  8. カテコールアミン
  9. カテコラミンサージ
  10. 糅飯
  11. カート
  12. 加糖練乳
  13. カドミウムイエロー
  14. 金床
  15. 金床雲
  16. 河南省の大洪水
  17. 蟹穴
  18. 鉄漿
  19. 金さん
  20. カバ
  21. カーバイト
  22. カピバラ
  23. 寡婦
  24. カフェ酸
  25. カフェラテ
  26. カプサイシン
  27. カプサゼピン
青い直線

徒歩新宿

かちしんじゅく。品川宿は北から、徒歩新宿、北品川宿、南品川宿の三つのエリアに分かれる。なお、北品川や南品川の”北”とか”南”は住居表示の変更にともない新しく付けられたものではなく、江戸時代から続いている地名。(2008.08.06)

カチンの森

団塊世代に属する私は世界史の授業で、1939年から1940年頃に、約2万5千人のポーランド人が虐殺された”カチンの森事件”は、ナチスドイツの仕業だと習った。現在では、ソ連(当時)の内務省と秘密警察が裁判なしに行ったことが明らかにされていて、教科書の記述も訂正されている。

現在の欧米においては、ナチスドイツの当時の行状について検証すると罪になることがあるので、要注意。ガス室で使われていた毒ガスというのは、シラミを駆除するための殺虫剤のスプレーだったとか、詮索をすると逮捕されるかも知れない。

特別な意思を持たない限り、”見ザル言わザル聞かザル”が無難。(2007.4〜11)

カツギ屋

担ぎ屋とも書く。ここでいうカツギ屋は敗戦後、農村地帯を回って、闇米を買いあさる人々のことではない。ここでは、列車を使って東京近郊の農漁村から農産物を担いできて、行商をするもんぺ姿のおばさんのこと。1人で、50kgを越える荷物を担いできた。中年の女性に限られるのは、男は腹式呼吸なので、腹筋を常に緊張させていなければならないカツギ屋には向かないと聞いたことがある(お台場の船の科学館には、カツギ屋の荷物を再現した展示があり、重さも表示されていて、実際に担いでみることができる。)。当時の流通機構を支えていた人達であった。

1970年代、早朝の都内の駅でよく見かけたが、いつの間にかいなくなった。ところが、2006年、朝の東武線浅草駅で見かけた。しかも、当時そのままに、藍染 のモンペをはいていた(その後の綿密な調査により、おばさん達は行商専用車両でやって来たことが判明)。現在では、カツギ屋といえば日本で買った品物を関釜フェリーで韓国へ運ぶ韓国人のおばさんが目立つ存在だ。紙おむつ、粉ミルク、胡麻油などが人気の商品だという。(2007.4〜11)

ガッツポーズ

1970年前後のボウリングブームの頃、日本プロボウリング協会(1967年設立)第1期生の矢島純一がストライクを取った際に片手で取ったアクションをアナウンサーが”ガッツポーズ”と表現したのがこの言葉の起源とされている。それが他のプロボウラーにも広まり、1972年になると、「週刊ガッツボウル」の12月14日号で人気プロボウラー達のガッツポーズの特集があり更に広まったらしい。

別の説として、1974年(昭和49年)4月11日に行われたWBCライト級タイトルマッチで、挑戦者のガッツ石松がKO勝ちした際に、両手をあげて取ったアクションを新聞記者が”ガッツポーズ”と表現したというものがある。

前者の説が有力らしいが、いずれにしろ和製英語であることに変わりはない。(2009.10.21)

家庭における血圧測定法

表記についての世界的なコンセンサスができている。

  1. 測定は家庭用上腕血圧計を使用。
  2. 1日2回測定(起床後1時間以内に排尿を済ませ朝食や薬を服む前、就寝直前)。
  3. 椅子にすわって1〜2分してから測定。
  4. 2回以上測定して平均値を算出。

(2009.08.26)

家庭訪問

日教組でのみ通用する隠語。国政選挙が近づくと、幹部が組合員に促す。(2010.03.02)

カテキン

catechin。C1514ポリフェノール類のフラバノール類に属する。水溶性のポリフェノールで、抗酸化作用があるとされている茶カテキン(エピカテキンなど)は茶の渋み成分で、時間が経つと酸化重合してタンニンになる。

茶カテキンを含む”特定保健用食品”が販売されているが、安全性に関するデータが見つからない一方、摂りすぎは肝障害を起こすという報告もあり、重篤な例もあるので、ご注意。

茶渋の実態はカテキン(タンニン)で、落とすには漂白剤を使うか、重曹を溶かしたに漬けてチンすればよいらしい。(2009.08.25)

カテコールアミン

cathecolamine。モノアミンに分類される神経伝達物質の中で、カテコール基を持つものの呼び名。つづめて、カテコラミンと表記されることも多い。アドレナリンノルアドレナリンドーパミン。(2008.09.04)

カテコラミンサージ

胎児は臍の緒の動脈(臍帯動脈)から酸素を取り入れているが、新生児は肺呼吸。この変化に対応するため、産道を通るとき、副腎髄質から大量のアドレナリン が放出されて、体が酸素不足に対抗できる状態になる(アドレナリン受容体 を参照のこと)。サージとは大波という意味で、この現象をカテコラミンサージという。

この現象は経膣分娩(けいちつぶんべん)で起こるが、帝王切開では起こらない。この際の血中アドレナリン濃度は人間の一生のうちで最大になるという。産婦の血中アドレナリン濃度も高くなっているが、これに比べれば大したことはない。産みの苦しみよりも、生まれる苦しみ生老病死四苦八苦四恩を忘れないこと。

関連事項:サイトカインサージLHサージ。(2007.4〜11)

糅飯

かてめし。飢饉の際に米を増量するため雑穀や野草を混ぜて炊飯したもの。この言葉は平安時代まで遡ることが可能らしい(現時点では資料不足)。炊き込み御飯のルーツとされている。(2009.04.24)

カート

アラビア語:Qat。QAT、即ち、カタールの地域コードのことではなく、イエメンや東アフリカの高地に自生する低木の葉のこと。酒が禁止されているイスラムの国イエメンやエチオピアで、その葉に覚醒作用があるらしく、その葉を噛む習慣がある。2008年現在で、イエメンのカート畑の面積は約14万ヘクタールという統計もあるようだ。それだけ、常習者が多いと思われる。カートの作用はメタンフェタミンに似ているとされているようだが、よく分からない。

イエメンでは合法だが、常用すると精神障害を起こす恐れもあるので日本では禁止されている。(2010.02.08)

加糖練乳

コンデンスミルク。英名:Sweetened condensed milk。乳等省令でいう加糖練乳(かとうれんにゅう)のこと。本来は牛乳の保存性を高めるため、1835年に英国のアイザック・ニュートンが考案した製法を1856年に米国のゲイル・ボーデンが工業化に成功し製品として売り出した。その出自から無糖練乳と混同されることがあるので、ご注意。

原料の牛乳に砂糖を加えて煮詰め、液体に光沢が現れたら加熱を止めて冷却し、しばらく寝かせた後に缶やチューブに詰める。砂糖を加えるのは羊羹を作る際の砂糖の役割と同様に、細菌の繁殖を防ぎ、保存性を高めるため。砂糖は結晶しない限度の濃度まで加えられている。「乳脂肪分8%以上・乳固形分28%以上・全ての糖分58%以下」(加糖れん乳)と規定されている。

缶詰をそのまま2時間ゆでるとキャラメルクリームになるという説もあるが、当方は確かめていない。何故なら、お腹がすいた時、少量でもいいからなめようと開缶してしまうので。(2010.01.07)

カドミウムイエロー

黄色の無機顔料のひとつ。発色成分は硫化カドミウム(CdS)。カドミウムを含んでいるため有毒。同等の色で無毒な顔料にビスマスイエローがある。硫化カドミウムの別の用途として、こちらも参照のこと。
HTML color code:fac61e。(2008.08.29)

金床

かなとこ。鍛冶屋の使う作業台。鋳物でできていて、上にいくほど広がっていて、上面は平らになっている。(2007.4〜11)

金床雲

かなとこぐも。雄大積雲が更に発達して、成層圏に達すると、金床のように横に広がるので、こういう呼び方がある。積乱雲のこと。(2007.4〜11)

河南省の大洪水

1975年8月8日、台風で中国河南省(かなんしょう)で数十のダムが決壊して起こった。死者約23万人といわれている。中共が隠蔽していたが、中国国内の研究者が10年かけて調べ、香港の新聞に発表した(75.8洪水_百度百科)。黄河決壊も参照のこと。(2007.4〜11)

蟹穴

かにあな。ご飯が炊きあがる際に、釜の下部から湧き上がってくる水蒸気の泡が、米粒を押しのけて上昇するためできるご飯表面の穴の通称。炊飯に適切な火力のときできるので、ご飯がおいしく炊きあがったことの目安となる。"ご飯粒が立つ"という表現は、米粒の方の状態を形容したもので、同じ現象。

勿論、海岸の砂にあいている蟹の作った穴のこともいう。(2010.02.26)

鉄漿

”かね”、又は、”かねみず”と読む。当て字で”おはぐろ”とも読む(お歯黒を参照のこと)。

焼いた釘等の鉄と、粥、酢、酒等を混ぜて2か月ほど放置すると、まず発酵により生成した酢酸が鉄を溶かし、薄い緑色の酢酸第一鉄(Fe(CHCOO))ができるが、時間がたつと酢酸第一鉄は酸化され、赤茶色の悪臭の強い酢酸第二鉄(Fe(CHCOO))に変化して鉄漿が出来上がる。

下記の川柳にあるように、鉄漿の出来が悪い時には、ふんどしを外した男に鉄漿の入った壺をまたいでもらうとよいという言い伝えがあった。

「こうかえとお歯黒壺へぶらり出し」
「小侍お歯黒壺へひんまくり」
「鼻くたな下女おひゃくろがでぬという」
”鼻くた”は顕性梅毒も末期に近い女性で、鼻がとれたのをいう。当然、ふりちんで壺にまたがってくれる男はいないので、お歯黒の出来が悪い。そうなると、発音が不明瞭になっているので、お歯黒が”おひゃくろ”と聞こえるということ。

(2009.05.01)

金さん

かねさん。富山県射水市(旧新湊市)は「珍姓の宝庫」として有名で、海老さん、魚さん、釣さん,網さん、波さん、水門さん、米さん、味噌さん、酢さん、菓子さん、飴さん、糀さん、、牛さん、鹿さん、鵜さん、桶さん、風呂さん、蒸(むす)さん、綿さん、石灰(いしばい)さん、瓦さん、壁さん、大工さん、地蔵さん、籠さん、山さん、松さん、菊さん、草さん、音頭さん、旅さん、紺さん、越後さん、江戸さんなど。

その時目についた物や気になった事柄をそのまま名字にしたようだ。金(かね)さんはそのひとつ。お金持ちだったのだろうか。金さんか金さんかも参照のこと。(2009.06.30)

カバ

動物のカバのことではない。南太平洋の島々で、この植物の根をすり下ろして飲む。一見して泥水のようで、飲むと舌がピリピリしてまずい。幻覚作用はないが、後に弱い興奮状態になる。酒がない地帯なので、酒の代わりに集まりなどで飲むようだ。カバカバともいう。(2007.4〜11)

カーバイト

カーバイド、即ち、炭化カルシウム(CaC)のこと。酸化カルシウム(生石灰)とコークスを混ぜて、約2000°Cに加熱して作る。水を加えると、可燃性のアセチレンガス(C)が発生し、水酸化カルシウム(消石灰)が残る。一時代前の夜店の灯りはカーバイドランプを使った。違法だが、川に投げ込むと魚が浮いてくるので、魚をとるためにも使った。(2007.4〜11)

カピバラ

齧歯類最大の動物で、アマゾン川流域の水辺に住む。大きな個体では、体長1m、体重50kgを越える。ベネズエラでは、肉を食用にするらしい。日本では動物園で飼育されており、ヌードマウスヘアレスマウスなどと違って、顔と動作が可愛いので、人気があるようだ。しかし、野生化していて、ある学生は実家に帰るとそのへんをカピバラが歩いているという。(2007.12.30)

寡婦

かふ。生別、死別を問わず、夫と別れ、かつ、養っている子のある人のこと。その年の12月31日の時点で、夫と離婚し再婚していない、夫と死別している、あるいは、夫の生死が3か月以上分からない。前記のひとつに該当すれば、税法上の寡婦になる。所得金額によっては、所得税の寡婦控除を受けられるケースがある。なお、税法上は男女同権なので、寡夫についても同様。(2008.01.07)

カフェ酸

3,4-ジヒドロキシケイ皮酸のこと。コーヒー酸ともいう。コーヒーの香り成分のひとつ。コーヒー豆を焙煎(ばいせん)すると、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が分解されて生成する。焙煎(ロースト)とは、空火(からび)で炒(い)ること。コーヒー豆には蔗糖(砂糖)が含まれているので、炒る過程で一部がカラメルに変化する。カラメルもコーヒーの風味の一部をなしている。深炒りか浅炒りかで、生成するカラメルの量が違う。(2007.4〜11)

カフェラテ

Caffè-Latte、イタリア語。スターバックスとともにジワジワと浸透してきた言葉で、コーヒー牛乳のこと。古道具屋をブロカント、サンダルをミュールと呼ぶように、目先を変えた呼び名で売上を伸ばしてきた商品のひとつ。

【2008年9月22日大紀元日本】有毒牛乳が中国で出回ったため、中国のスターバックスチェーン店はコーヒーに豆乳を添加し、牛乳の代用品としているという。一方、四川省成都市のパンダ繁殖研究基地では、パンダに与えている粉ミルクは全て輸入品であるため、心配する必要はないと専門家は強調している。

中国では、カフェラテが、”Caffè-Latte di Soia”になってしまったようだ(soia:ソイア、イタリア語で豆乳、品詞は女性名詞)。イタリア語では豆はみんな女性名詞かと思ったが、調べてみると、レンズ豆(enticchia)もソラ豆(fava)も女性名詞だが、インゲン豆(fagiolo)とエンドウ豆(pisello)は男性名詞だった(^_^; 。(2008.09.23)

カプサイシン

唐辛子の辛み成分。無色の化合物で、エタノールに溶けやすい。カプサイシンを含むものを食すと、カプサイシンが舌の感覚神経終末に存在するバニロイド受容体TRPV1に結合し、熱と痛みを感じる(辛味を感じる感覚神経は存在しない)。

吸収されたカプサイシンは血液脳関門を通過し、視床下部と交感神経系を介して、副腎髄質からのアドレナリンとノルアドレナリン分泌を高め、血圧と血糖値を上昇させる。

食物には様々な化学物質が含まれているが、血液脳関門を通ることのできる化合物は非常に少ない。このため脳の機能を食物によって乱されることは少ない。カプサイシンは血液脳関門を通過するので、キムチのようなカプサイシンを多量に含むものを常食するのは危険と思われる。

関連項目として、カプサゼピンも参照のこと。

化合物名 半数致死量(mg/kg)
カプサイシン 60〜75
カフェイン 174〜192

(2008.07.16)

カプサゼピン

唐辛子の辛味成分カプサイシンと化学構造がよく似た化合物。カプサイシンと同じく、痛みを感じる感覚神経のTRPV1と呼ばれるバニロイド受容体に結合する。しかし、カプサイシンと異なるところは、痛みの感覚を起こさないという点。カプサイシンの代わりに結合することにより、むしろ、痛みをとる作用がある。このような化合物を、薬理学では”遮断薬 ”とか”ブロッカー”、あるいは、”アンタゴニスト”と呼ぶ。カプサゼピンを原形として、虫歯、打撲などで炎症が起こっている部位の痛み止めとして使える新薬を開発できるかも知れない。

最近注目されているJYL1421と5-iodo-RTXという化合物は、動物実験で、カプサゼピンより25〜60倍強力な鎮痛作用があるという。今まで使われてきた薬が効かない痛みにも有効な新薬となるかも知れない。また、この薬とは別な所でも、新たな鎮痛薬の開発も行われている。カンナビノイド受容体を参照のこと。(2008.07.16)

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