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linoleic acid、C17H31CO2H。炭素数の等しいα−リノレン酸とともに、ヒトの必須脂肪酸で、不飽和脂肪酸に属し、9位と12位の2か所に炭素−炭素2重結合がある。12位の2重結合はメチル末端から数えると6の位置なので、n−6系列あるいはオメガ−6系列の脂肪酸ということもある。融点は5°Cで、炭素数は等しいが2重結合3つのα−リノレン酸の−11°Cよりも高い。
大豆油、コーン油、綿実油、胡麻油、紅花油、松の実、ピーナッツ、アーモンドなどに多い。体内では代謝され、γ-リノレン酸を経てアラキドン酸が合成される。
関連事項:不飽和脂肪酸。(2008.09.24)
1970年代には、紅花油のようなリノール酸を多く含む油脂には血中コレステロール(TC)を下げる効果があり、健康に良いという考え方が支配的であった。これを”リノール酸信仰”と呼ぶ。
しかし、近年では、2002年発行の日本脂質栄養学会のブックレットにあるように、コレステロール値が高いほど癌に成り難く、リノール酸の摂りすぎはむしろ動脈硬化、心臓病、癌、アレルギーの原因になるので過剰摂取は良くないという説が主流となっている。
リノール酸とアレルギーの関連については、リノール酸の多い食事をとると、その代謝産物であるアラキドン酸の合成が高まり、結果として炎症やアレルギーに関与するオータコイドの増加につながるので、アレルギーが起きやすくなると考えられている。コレステロールの必要性については、コレステロールの項を参照のこと。
現時点では、Web上の健康情報に惑わされず、多種類の油脂を摂るのが良いと思われる。(2009.08.17)
liposome。リン脂質分子で構成される人工的な二分子膜。顕微鏡や電子顕微鏡でなければ見えないほどの微細な粒子。その内部に薬物を包み込むことができるので、抗癌剤などを封入して目的の組織まで運搬するのに使用できる。
リボソームは”ribosome”、リポソームは”liposome”。ご注意。(2008.09.13)
ribosome。細胞質に存在するRNAと蛋白質の巨大な複合体。比較的低倍率でも透過型電子顕微鏡で、ボールペンの先で打った点のように細胞質に多数の黒点として観察される。リボソーム上でmRNAの遺伝情報の読み取りと、その情報を基にした蛋白質の合成が行われる。
細菌と真核生物のリボソームは大きさも性質も異なっていて、蛋白質合成を阻害して作用する抗生物質の多くは細菌のリボソームの機能を障害するが、真核生物のそれに対しては無影響。ただし、真核生物でも、ミトコンドリアにおける蛋白合成は細菌型なので、クロラムフェニコールという抗生物質がそれを阻害して再生不良性貧血のような致死的な有害作用を引き起こすことがある。
リボソームは多量に調整することが可能なので、一時代前の遺伝情報に関する研究はリボソームに関するものが多かった。隔世の感がある。(2008.09.13)
現在では、携帯電話などで寄せられる家族のその場限りの注文や要望を、ロボットのように言いつかる情けない亭主のことをこう呼ぶようだ。
この言葉は1967年(昭和42年)TBSから放映された渥美清、久我美子、藤岡琢也ほか出演のテレビドラマ「泣いてたまるか」の第32話”リモコン亭主”が初見。この頃のテレビのリモコンはまだ”有線式”で、超音波を用いた無線式が実用化される少し前。(2009.06.14)
りゅうかてつ。単一の化合物ではない。
- 硫化鉄(II)
- FeS。別名、硫化第一鉄。磁性は殆どない。加熱すると硫黄と鉄に分解する。
- 以下の化学反応式は中学理科の実験でおなじみのはず。
- FeS→Fe+S
- FeS+2HCl→FeCl2+H2S
- FeS+H2SO4→FeSO4+H2S
- 硫化鉄(III)
- Fe2S3。黒色の粉末で、別名硫化第二鉄。酸化されると、水分存在下では酸化鉄の水和物と硫黄に、無酸素状態では硫化鉄(II) と二硫化鉄との混合物ができる。
- 二硫化鉄
- にりゅうかてつ、pyrite。FeS2。黄鉄鉱のこと。真鍮色で金属光沢がある。
- 磁硫鉄鉱
- じりゅうてっこう、pyrrhotite。強い磁性を示す。鉄と硫黄の割合が整数比でなく、一定でもない。大半が強磁性を持つが、隕石からは単硫鉄鉱と呼ばれる磁性のないものも見つかっている。
(2008.10.23)
アマモのこと。(2008.05.23)
りゅうさん。sulfuric acid。強酸御三家 のメンバー。H2SO4。オキソ酸で、無色、無臭の強酸。塩酸と異なり、揮発しない。三酸化硫黄(SO3)を水に吸収させて作る。濃硫酸(約98%)は比重が1.84と重く、また、粘度もやや高い。強い酸化作用と脱水作用がある。化学工業製品の原料のひとつ。希硫酸は強酸としてふるまう。
糖類の分析法のひとつに、湿式灰化(しっしきかいか)をともなう方法がある。これは、バズーカコルベンという、バズーカ砲に形が似ているガラス器具の中で、試料と熱濃硫酸を反応させる。この時、わずかでも水分があると、バズーカコルベンが濃硫酸を振りまきながら、どこかへ飛んでゆく。(2008.06.02)
りゅうさんし。紙はその主成分である固体のセルロースの繊維の隙間に空気を含む。紙が白く、不透明なのは空気が光を散乱させるため。硫酸紙は紙を硫酸で処理して繊維を膨潤させて、透明度を増加させたもの。この処理により、耐水性、耐油性も高まる。硫酸紙はトレーシングペーパーに似た紙で、オートクレーブ をかける際に試料を包んで保護したり、バターや和菓子の包装紙としても使われる。(2008.08.02)
りゅうべい。立法メートルのこと。平米(へいべい、平方メートル)とともに建築、不動産関係の業界用語。(2009.06.19)
りょうぎりたばこ。今ではフィルター付きが普通だが、両切煙草は細かく刻んだ煙草の葉を紙で巻いて、その両端を切断したもの。
両切煙草を吸うと唇に煙草の葉が付いてしまうので、吸う前に煙草の箱の表面などを利用して、口を付ける側を下にして、軽くトントンと叩いて、煙草の葉を一方に寄せてこれを防いだ。その動作にも、粋に見えるような工夫があった。
もうひとつの解決策として、吸い口を別に用意して、両切り煙草に直接唇が触れないようにした。こちらのやり方は年輩の人に多かった。吸い口は、象牙製のものが多く、長期間使うとヒビが入ってきた。吸い口にはヤニがたまるので、時々こよりなどで掃除した。
今では両切煙草の銘柄は少ないが、明治時代には”新しいタイプ”の煙草だったという。(2007.12.24)
りょうしんばいせいぶんし。amphiphilic molecule。1つの分子内に疎水性基と親水性基の両方をもつ分子のこと。両親媒性分子に特徴的に見られる性質として、自己集合体を作ることが挙げられる。代表的な化合物には界面活性剤(石鹸)がある。
生体内の重要な両親媒性分子には、リン脂質とコレステロールがあり、両者は疎水性基を内側にして2重分子膜(細胞膜)を構成する。更に、別の両親媒性分子である糖脂質はその疎水性基を使って細胞膜にもぐり込み、細胞膜の性質を変化させる。胆汁に含まれ、油脂の小腸からの吸収に関与しているミセル(コロイド)はリン脂質、コレステロール、胆汁酸から形成される複合体である。なお、コレステロールを原料にして肝臓で合成される胆汁酸もまた両親媒性分子である。(2008.09.26)
りょうは。両生類と爬虫類のこと。主に、それらをペットとして飼育するマニアによって使われる言葉。”両・爬”と表記することもある。(2009.05.05)
りょうまつしょう。帝国陸軍において、兵の食糧(糧)、軍馬の飼料(秣)を製造、管理する施設。乾パンを含む糧食の開発等、研究も行っていた。(2009.04.14)
りょくど。テールベルト(la terre verte)の直訳。ローマ時代には既に壁画用顔料として使われていた。ベローナ型、ボヘミア型、体質型の3種がある。日本では、鳥取市の弥生時代後期遺跡から出土した木製盾の表面から見つかり話題となっている(2008年9月4日、各紙)。HTML color code:5d7069。古代の緑については、緑青も参照のこと。(2008.09.04) |
りょくのうきん。学名は、Pseudomonas aeruginosa。グラム陰性桿菌(グラム染色を参照のこと)に分類される。傷口が緑色の膿を持つことがある。芽胞は形成しない。
緑色の蛍光色素を産生し、特に、フルオレセインの誘導体、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)は免疫蛍光染色用の色素として重要。
手術などで体力が低下したり、免疫抑制薬を使用している患者で、日和見感染する。バイオフィルムと呼ばれるムコ多糖でできた生存に有利な薄膜を形成して、その中で増殖する。また、多くの薬剤に対してもともと耐性を持っており、それに加えて、新たに獲得した薬剤耐性をも持ち、多剤耐性菌も多い。また、ジフテリア毒素に似たエキソトキシンAをはじめ複数の毒素も産生する。有効な抗生物質も少なく、厄介な感染症である。(2008.09.09)
critical micelle concentration、略してCMCとも呼ばれる。界面(液体と気体、気体と固体、液体と固体の境界など、状態の異なる物質の境界)において界面活性剤(両親媒性分子)がミセルを形成する最小の濃度。この濃度以下では界面活性剤の分子は分散している。この濃度が低いほど界面活性剤としての能力が高い。(2008.11.27)
光合成によって生成されたデンプンは水溶性のソルビトールに代謝されてから果実の部分へ移動する。果実においては、ソルビトールをグルコースやフラクトースに変換してから利用するが、その反応に関与する酵素が果実の成熟とともに失われると、ソルビトールが蓄積して周辺の細胞を障害する。言い換えればリンゴの糖尿病の三大合併症の病変部のようなもの。その部分が”蜜の入った所”と呼ばれるが、特に甘いわけではない。
リンゴ農家はこのようなリンゴを嫌う。出荷のため保存しておくと、年明けに腐るから。(2008.11.29)
長辺(62cm)、短辺(31cm)、高さ(31cm)のマツやスギの板で作られた木箱。材質や作りで値段が異なるが、新品で400円前後。リンゴ農家はリンゴ箱に入れてリンゴを出荷するが、県外へ移動するときは段ボール箱に詰め替えられ、箱は生産者へ戻る。
スギ板でできたリンゴ箱に色紙など貼って机にしたのは、高度成長期以前の風景。ミカン箱も参照のこと。(2009.08.08)
phosphoric acid、H3PO4。リン酸はやや粘度の高い無臭の透明な液体で、弱酸に近い無機酸であるが、濃リン酸は強酸御三家と同様な取扱いをする必要がある。鉱物資源としてはアパタイトがあり、また、リン酸塩は肥料、工業原料、食品添加物等に幅広く使われている。生体の重要な構成成分にリン酸を含むものも多いので、生化学の理解にもリン酸に対する知識が必要でもある。
(2008.10.04)
phospholipid。コレステロールとともに脂質2重膜を構成し、細胞膜、葉緑体、ミトコンドリアなどの膜構造の構成要素となっている。胆汁中では、胆汁酸、コレステロールとコロイド分散系を形成し、脂質の吸収に関与している。また、細胞内での情報伝達に関与するものもある。グリセリンやスフィンゴシンなどを核にふたつの脂肪酸とひとつのリン酸が結合し、リン酸にはアルコールがエステル結合している。従って、量的には分子の大部分を占める脂肪酸の影響で疎水性は強いが、リン脂質は両親媒性分子である。
代表的なリン脂質に、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリンなどがある。(2009.09.02)
リンの同素体には、白リン、紫リン、黒リンなどがある。白リンは猛毒で、かつ、反応性も高く、空気中で50°C以上で発火する。紫リンは金属光沢を持つ。黒リンは安定である。その他の同素体である赤リンは紫リンと白リンの混合体、黄リンは白リンの表面が日光にあたって変色したもの(黄燐マッチも参照のこと)。(2007.4〜11)
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